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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
陸頁:再起の魔法士

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125/180

125.ゼースヒル洞窟・属性石広場 2


「ほえ? エンジさん、地震なんてどこで起きてるんです?」


 嘘だろ……まさか彼女は、揺れにすら気付いていないのか。

 リウやレッテ、ルールイまでもが揺れによって立てなくなっているというのに。


「にぁぁぁぁ!! エンジさま、怖いにぁ怖いにぁぁ」

「リウ、俺に掴まって!」

「それならわたくしは、アルジさまの腕に絡ませて頂きますわ」

「ヌシさまの足にくっつくでーす!」

「こ、こら……」


 平然と立ち尽くすレシスをのぞいて、リウたちは俺の体にしがみつく。

 彼女たちにこうもくっつかれると、身動きが取れなくなりそうだ。


「あ~!! みんなでエンジさんに甘えるなんて、ズルいじゃないですか!! わたしもエンジさんの所に行きますからね~!」


 そう言うと、レシスは俺たちのいる所に近づこうと向かって来る。

 するとどういうわけか、さらに揺れが大きくなって来た。


「怖いにぅぅぅ!」


 まさかと思うが、レシスが震源なのでは。

 光の属性石を手にした彼女といえば、以前は”絶対防御”を有していた。


 そうなると考えられるのは、光の属性石に気に入られた彼女を守ろうとして、揺れを起こしている。

 そんな気がして来た。


「レ、レシス! その石を地面に投げてくれないかな?」

「え、石ですか?」

「頼むよ」

「エンジさんがそういうなら、てぇいやっ!!」

「げっ!? な、何で投げる……」


 属性石の効果が分かっていないレシスは、手にしていた石を迷いも無くその辺に投げてしまった。

 光の属性石とされる石は、壁にぶつかって地面に落ちた。


 レシスの手から離れたと同時に、俺たちを襲っていた揺れがピタリとおさまる。


「にぁ~……もう安心にぁ」

「全くでーす!」

「アルジさま、揺れは一体何だったのかしら?」

「うう~ん……少し嫌な予感がするんだけど、ルールイはどうかな?」

「そ、そうですわね。ここでアルジさまを危ない目に遭わせたくありませんけれど、本当に光の属性石なのか、壁に触れてみてはいかがかしら?」

「そうだね、それが手っ取り早いか」


 彼女たちは俺を守ろうとしている。

 それでも触れただけでコピーが出来る上、性質をも探ることが出来るのは俺だけの能力。


 危険は承知で触れてみるしか無さそうだ。


「エンジさん、戻りましたよ~! そういうわけですので、わたしもくっつかせていただ……あれっ!?」


 レシスが戻って来たと同じくらいに、彼女が投げた石がぶつかった壁に触れてみた。

 すると、壁に埋め込まれていた光の属性石から、輝きが全て失っていくように見える。


『こ、これは――!?』


 驚くよりも先に、黒い影の獣が俺の周りを取り囲み始めた。


『エンジさまっ!! 防御魔法を使ってにぁ!!』

『むぅっ!?』

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