表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
陸頁:再起の魔法士

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/180

120.ゼースヒルの試練部屋 1-2


「リウ! あんまりハリキリすぎても危ないよ?」

「大丈夫にぁ! リウ、エンジさまと同じくらいのサーチスキルがあるにぅ。任せて欲しいにぁ」


 一つ目の試練部屋をクリアした俺たちは、リウを先頭に進み出した。

 ゼースヒルの洞窟に来たのは、古代書とレシスの杖の手がかりを見つける目的で来ただけだ。


 それがまさか仕掛けがある部屋がいくつも存在しているなんて、想像も出来ないことだった。

 この洞窟の探索が目的では無いだけに、さっさと外に脱出したいところだが……。


「いや~ご飯楽しみですよ~! ねぇ、ルールイさん」

「はぁぁ……。そうですわね、と言っておきますわ。本当に、アルジさまのご苦労が身に沁みますわ」

「レッテも食べるでーす! レシスには負けられないのでーす」

「……」


 当初のレシスは、こんな子じゃなかったと記憶している。

 勇者だったラフナンが大人しくなるまでは、きちんとした回復士だと信じていたのに……。


 こんな変な……いや、天然でおかしな子に変わるなんて。

 どれが本当の姿なのかそれを求めるつもりは無いが、本当にユニークな女性だ。


 ご飯ご飯と言い続けているレシスのことをこの時までは、冗談半分に受け流していた。

 だが役立ちにつながることになるとは、本人を含めて想像だにしていなかった。


「エンジさま、次の部屋が見えて来たにぁ~」

「……うん? 部屋か。また何かの仕掛けがあるってことか。面倒だな……」

「おかしいことですわね。ですけれど、後戻りが出来ない構造のような気もしますわ。ここは仕掛けを解いて行くしかないと思いますわ」

「それしかないか~」


 魔法や何かをコピーするのは得意なのに、謎解きだとか仕掛けをクリアするのは正直言って、不得意すぎる。

 俺のパーティーでは、ルールイが得意そうではあるが……。


「な、何か熱い視線を感じましたわ! アルジさま、もしや……」

「え……今ので分かったの?」

「わたくしの胸に飛び込みたい! そうなのですね?」

「ごめん、全然違うかな」

「……冗談ですわよ? アルジさまのご心労の原因は、大体あの娘ですもの。分かっていますわ」

「そ、そうか。そういうわけだから、頼ってもいいかな?」

「わたくしが解ける範囲内であれば……ですけれど」

「うん、頼むよ!」


 そうこうしているうちに、次の空間に入った。

 リウの言う通りまた違う部屋になっていて、さっきとは違う雰囲気だ。


 椅子も机も無いが、何故かあるのは料理の品々だった。

 どう見ても人工的、もしくは誰かのいたずら。


「幻なのか?」

「いいえ、これは本物ですわね。毒も無ければ、罠でも無さそうですわ。しかし不思議な空間であることには変わりないかと」

「じゅるじゅるり……エ、エンジさんっ!! こ、これ、食べていいんですよね!?」

「待て、レシス! まずはコピーして確かめるから待ってくれ」

「ほえ? お料理をコピーするんですか? そ、そうなると無限に食べられ……ま、待ちきれません!!」


 幻でも何でも構わないが、この料理を食べることで次に行けるとすれば、結構重要なんじゃないか。

 まずは肉料理や魚料理に手をかざして、コピーの結果を見定めてからだな。


「にぅぅ!? よ、よだれがバッチいにぁぁぁ!!」

「レシス、どぅどぅ……!」

「まだですか、まだですかぁ!!」

「今やるから……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ