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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
陸頁:再起の魔法士

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113/180

113.再起の魔法士、最強への再出発をする


 二人の驚きようが半端ないが、一体どこから呼び寄せたのか。

 ルールイやアースキンも一緒だったと思うが、リウとレシスだけだ。


 レシスといえば、ラフナンに想いを伝えただろうか。

 その答えが上手く行っていることを願うが、そうなると愉快なレシスとは旅が出来なくなる。


「ザーリン……、どうすればいいんだ?」

「存分に話し合っていい。コウモリ女と狼は、待たせておくから」

「そうか、確実なんだな」

「ネコはともかく、その人間とはよく話をすること。話が済んだら、山を下りていい。フェンダー、強くなってくださいね」

「――あぁ。そうするよ、ザーリン」


 最初こそは素っ気なかったザーリンではあったが、もう俺のことを蔑むといった言動はして来ない。

 彼女が見る導きの先は、きっと確かなものなんだろう。


「にぁ~! エンジさまにぁ~」

「えーと、お帰り……かな?」

「ただいまにぁ~! エンジさまこそ、元気にお帰りなさいにぁ!」

「おぉっと……!」

「にぅぅ~」


 何の迷いも無く、リウは俺に抱きついて来た。

 モフモフなネコ耳が、俺の頬をくすぐる。耳がピクピクと動いて、かなり嬉しそうだ。


「会いたかったにぁ! エンジさまが必要なのにぁ~!! リウ、お役に立ちますにぅ」

「俺もだよ。もちろん、リウには来てもらうよ。俺はリウがいないと寂しいんだ」

「にぅ!」


 物理攻撃や、危険察知、それでいて冷静な判断力。

 そして時々大人になるリウは、俺にとって必要不可欠な存在になった。


 このコに出会いを果たしていなければ、俺は駄目なままだったな。

 そして、


「えーとえと、何と言いましょうか~……こ、こんにちは。エンジさんっ! 本日はお天気にも恵まれ~」

「はははっ! 君は変わらないな。レシス、俺に言いたいことがあるよね?」

「そ、それは~そのぅ」


 何やらもじもじしているが、やはりラフナンと仲直りをしてさらには、告白も果たしたのだろう。

 顔を見れば分かるくらい、スッキリさっぱりとした顔つきだ。


「いや、言わなくても分かるよ。顔に書いてるからね」

「えぇぇぇっ!? か、顔に……!? おかしいですよ、それは~。顔にどうやって書くって言うんですか~?」

「……うん、俺が悪かった」

「ほえ?」


 レシスは一見賢い子だ。しかし、何かがおかしい気がする。

 性格が愉快すぎるというのが、何とも惜しいと言わざるを得ない。


「んんっ、それで、告白は上手く行った?」

「ど、どうしてそれを知っているんですか? まさか、眠っている間に見ていたとか!?」

「……そんなことは出来ないよ。でも、君はラフナンが気になっていただろ? だから会いに行かせたんだけど、その顔を見れば沈んでいないしそうなのかなと思ってね」


 動揺を見せているが、レシスは落ち着きを取り戻して、俺の顔をジッと見つめて来る。

 きっと答えが出たのだろうな。


「エンジさんんっ!」

「うん」

「わたしは忘れられませんよっ!」

「……うん? 何が?」

「決まっているじゃないですか~! やだなぁ~エンジさん。エンジさんは、わたしを離すまいと印をつけてくれたじゃないですか。それが決め手でして、ラフナンさんには諦めてもらいました!」

「――は? 印が何だって? というか、ラフナンには何と?」

「エンジさんに全てを見られた挙句、奪われてしまったのです! と言ったら、彼も分かってくれまして。そういうことでして、わたしもエンジさんについて行きますよ」

「あぁぁ~……はぁ……」


 あらぬ誤解をさせたうえに、諦めさせてしまったわけか。

 印というのも、どうせ指を噛んだことなんだろう。


 レシスは恐ろしく天然であることを、再認識。

 天然に加えて、悪気の無い告白を実行してしまうのか。


 まぁいい。レシスの告白次第では……などと考えていた俺が甘かった。

 これで気にすることなく、最後の旅に立つことが出来る。


 次にこの国に帰って来るときは、最強になった状態でだ。


「エンジさま、行くにぁ?」

「ほよ? ルールイさんたちって、先回りして待っている感じですか?」

「……うん、行こう。リウもレシスも俺には必要以上だ。頼むぞ!」

「にぅぅぅ!!」

「おっおぉぉぉ……これが武者震いというやつですね!?」


 絶対違うと思うが……。

 さて、これで揃ったな。

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