表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
陸頁:再起の魔法士

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/180

112.再起の魔法士、妖精に託される


「フェンダー、こっちに来て下さい。あなたにお願いしたいことがある」


 うん? ザーリンの言葉が以前のように穏やかに戻っている。

 自分の腕を自分で復元してみせたからかな?


 レッテを白狼のルオに預け、俺だけで花畑のある奥に移動した。

 花畑から俺と彼女たちの旅が始まったと言っても、過言ではない。


 ――とはいえ、今はそんな感傷にひたっている余裕は無いけど。


 花畑に着くと、彼女は翅のある妖精姿に戻っていた。

 山砦がフェルゼンという国になってから、しばらく寄ることが無かった場所。

 まるで原点に戻れと示しているかのように、ザーリンは花の周りをぐるぐると飛び回る。


「魔法士エンジ・フェンダー。あなたにはまだやるべきことがある。忘れた?」

「え、いや。腕のことだよね?」

「そうじゃない。腕はかの国に行けば自然と戻る。あなたは魔法士として成長途中。味方を増やし続け、仲間も得た。でも、あなたには足りないものが沢山ある」


 ザーリンは俺のメンターでもあるし、言いたいことがあるのは承知している。

 それはきっと、


「経験……だよね?」

「そうとも言えるし、それだけでないとも言える。あなたがコピーした魔法、スキル、ステータス……それはまだ、世界の半分にも達していない。つまり?」

「極めていない状態で、油断をした……か」

「そう。わたしはあなたに願い、託す。この国の王としてではなく、世界を極める王として座して欲しい。そうでなければ妖精や獣、ドールたちが従うことは意味を持たない」

「あぁ、そうか。魔法のコピーだけじゃなかったんだ……」

「幸いにして、あなたは人間の味方を得られた。人間の力を頼り、フェンダーは次の大地に飛び立って欲しい」


 ログナは元々人間が優勢の国。

 ラフナンをきっかけに追放されてしまったけど、属国にした後に自国に出来た。

 人間の国民と、獣たちを得られた。


 つまり、


「次が最後の機会……それで合ってる?」

「そう。古代書に書かれた以上のことを、妖精ザーリンは望みます。味方の彼女たちを連れて、全てを極めて帰って来て欲しい」


 古代書に書かれたことは俺は知らない。

 コピーという力を得た以上、最強になれってことだろうけど。


「あぁ、分かったよ。ここはザーリンや、みんなに任せる。だから――」

「託す以上、心配いらない。うるさい小娘やネコたちを呼ぶから、来たらさっさと行く! ログナで顔を見せたあなたは、これ以上寄り道をする時間は無い」

「そうするよ。で、リウたちをどこに呼ぶって?」

「……ここ」

「――へ?」


 ザーリンは妖精ではあるけど、そんな特別な力は無かったはず。

 しかし、


『にぅぅ!!! エンジさまにぁぁぁ~!』

『ほえぇっ!? あれれれ、どうしてこんな所に!?』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ