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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
伍頁:強国の敵

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109.回復士レシスと元勇者、再会する 前編


 ルナリア王国のお願いをあっさり解決したリウ、レシスの二人。

 二人は、次の行き先を決めかねている。

 元々はエンジが回復するまでの間に何か出来ることが無いか思っての行動だった。


 リウはエンジの状態を何となく察知。

 どうやら回復して目を覚ましたということが気になって、仕方が無い状態だ。


「リウちゃん、次はどこへ行くの?」

「にぁ~……会いたいにぅ」

「え? だ、誰に?」

「そんなの決まっているのにぁ。エンジさまなのにぁ~」

「ルナリア王国しか来てないけど、戻る?」

「むむむ……悩みどころにぁ」


 リウの寂しそうな声につられレシスも途端に帰りたくなってしまった。

 狼族の王国のもてなしはすでに終わり、次の場所へ行くはずだった二人。


 そんな二人を見つけ、駆け寄る男の姿があった。

 

『もしや、リウとレシスではないのか?』


「……にぅ?」

「あれれ? えっと、アースキンさん? どうしてここに……そ、それに、ラフナンさんまで……」

「フゥゥー!! エンジさまの敵が何でいるのにぁ!?」


 ラフナンの姿を見るや、リウはすぐに敵意を露わにする。

 レシスは動揺を隠しきれず言葉を失ってしまう。


「いや、すまんな。俺たちはエンジに頼まれて、お前たちを探しに来たのだよ。ラフナンは、ついでだ」

「それは無いですよ~、アースキン。僕はレシスに謝りたくて来たんだから!」

「む、そうか。すまん」


 賢者アースキンはリウをなだめ、後ろから追い付いて来たルールイと合流させることにした。

 リウもすぐに理解し、ルールイと話をしている。


 残されたレシスとラフナンは互いに無言のまま、立ち尽くしてしまった。

 

「……あ、あの、ラフナンさん。も、もう大丈夫なんですか?」

「あ、うん。えっと、ごめん……」

「――え?」

「い、いや、何ていうか……何と言えばいいのか」

「そ、そうですよね……」


 レシスがエンジと行動を共にするきっかけ。

 元はと言えば、勇者ラフナンの異常さにあった。

 そして追い詰められたラフナンが取った行動は、レシスを無理やり閉じ込めたことだ。


 それら全てがレシスの重荷となった。

 そのせいか、何を言えばいいのか分からなくなっているようだ。


「……体調はもう?」

「あ、あぁ、うん。おかげで元気だよ。でも僕はもう、勇者の力は無いんだけどね」

「ええっ!? そ、そうなんですか?」

「うん、力のほとんどをサラン魔法兵に奪われたからね。あはは、利用されただけだったね」

「そ、そんな、そうだったんですね」

「僕はレシスに謝りたいんだ」

「……はい」

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