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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
伍頁:強国の敵

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107.ネコと回復士 ルナリア王国と人助け編 後編


「――そういう訳で、我ら騎士では手出し出来ず……お引き受け出来ませんか?」

「ふんふん? シェラ、今のはどういう意味にぁ?」

「え、えとえと……危険ではあるものの、ネコ族であれば崖下に難なく行けると。そういうことですよね?」

「その通りです。わたくしたちは聖堂を守護する騎士。ネコ族と同等の力を有してはいますが、いま王国を離れるわけには行かないのです。勝手な願いではありますが、どうか……」

「リウ、嫌じゃないにぁ! エンジさまが訪れた王国で、助け合いが出来ればと思って来たにぅ。すぐに行くにぁ! そこはどこにあるのかにぁ?」


 リウ、レシスのふたりは聖堂騎士ローザの頼みを聞き入れ、王国近くの谷底に向かうことにした。

 魔物の類いは出ないものの、自然が生んだ気象変化が行き先を阻む。


 直接ふたりには関係ないことではあったが、人助けを兼ねつつ万能という響きにレシスは胸を躍らせた。


「あわわわ……ほ、本当にここ、下りて行くの?」

「簡単にぁ」

「ひゃぅっはぅぅっ、リウちゃん。どうしよう……」

「にぁ?」

「こ、腰が抜けて動けない~……」

「シェラは冒険者じゃなかったのかにぁ? こんな所も経験があったはずにぁ」

「わたし、危険な所は置いてけぼり……じゃなくて、待ってることが多かったから」

「しょうがないにぁ。シェラはリウにおぶって行くしかないにぁ」

「あぅぅ」


 大げさに暴れる前に気絶したレシスをおぶりながら、リウは難なく谷底へ到達。

 そこに生えていた万能草を数本ちぎり、すぐにその場を離れる。


 戻り際に突風、濃霧など自然がリウを阻むも、リウには関係ないものだった。


『えっ? もう行かれたのですか!? あ、ありがとうございました! このお礼は必ず……』

 

 ローザ率いる聖堂騎士たちは何度も頭を下げて、お礼をした。

 それに対しリウは、


「それなら、エンジさまの力となって欲しいにぅ。フェルゼンという国に、エンジさまがいるにぁ!」

「フェルゼン……ではやはり、賢者が降伏した方の国のネコ族だったのですね! 必ずや!」

「にぅ!」


 あっという間にお願いを解決したリウは、清々しく王国を後にする。

 おぶったまま目を覚まさないレシスを忘れたまま、次なる場所へ向かうことにした。


 ◇◇


「ううむ、一体あのふたりはどこへ行ったというのだ? エンジがいないとこうも苦戦するものなのだな」

「アースキン、エンジさんは相当強くなったのか?」

「うむ! あの方は魔法士であり、自分の国と共にたくましくなられている。俺の助けなどいらぬくらいにな! ラフナンよ、エンジ殿に尽くし精を出せ。お前がしたことなど、すでに気にしてもおらぬ」

「……そうだな。俺はあの魔法兵に惑わされすぎた。元勇者ではあるけど、もう一度やり直すよ」


 賢者アースキン、元勇者ラフナンは揃ってリウたちの行方を追っていた。

 彼らの少し後方をルールイが様子を窺いながらついている。


「全く、天然娘もネコも勝手に行動しすぎですわ……。それにしても、元勇者の人間は本当に大丈夫なのかしら……」


 不安を感じながら、賢者、元勇者と共にリウたちの後を追うルールイだった。

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