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追放されたギルドの書記ですが、落ちこぼれスキル《転写》が覚醒して何でも《コピー》出来るようになったので、魔法を極めることにしました  作者: 遥風 かずら
伍頁:強国の敵

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103.妖精の癒しと諭し


「――ヌ? 待て、ご主人様はまだ寝ているのじゃ。如何に妖精でも……」

「白狼のルオ、後は下がっていい。下がって、賢者の傍に向かって」

「賢者の? 例の人間が来てから進んでいないのじゃな? よかろう、妖精。ご主人様は眠っている。静かにするのじゃ」


 白狼ルオを賢者の所に行かせた妖精ザーリンは、その場に光の守りを展開。

 そして。


「エンジ・フェンダー、油断しないで……と言ったはず。片腕を奪われて意識を落とすなんて、一体今まで何を覚えて来た? あの人間、レシス。あれに深く関われば何か起きる……そう伝えていた。それが起きた。いい加減、成長するべき」


 かなり長い時間と期間、眠っていた気がする。

 暗闇の中、聞こえて来る声はルオだけだった。


 だが今聞こえて来るのは、久しく声を聞いていない彼女の声だ。

 らしいと言えばらしいが、癒しと同時に説諭をずっと聞かされている気がする。


 魔法だけをコピーしまくり、ラーウス魔所で得た魔法でかなりの成長を遂げた。

 そう思っていたところに、油断の失態。


 彼女が怒るのも無理はないか。


「ごめんな、ザーリン」

「――っ! 聞こえていたのなら、そのまま聞く!」

「そうするよ」

「ネコがあなたの成長の影響を受けた。だから、ネコがやられることはない。あなたも同じ。それが何故やられたのか、分かっている?」


 レシスに……と思ったが、彼女のせいではなく俺の油断だ。

 これもザーリンにはお見通しらしい。


「油断かな」

「そう。それがあなたの悪いところ。レシスの絶対防御が欲しい?」

「いや……」

「あったとしても、油断が生まれた。自覚ある?」

「まぁ、あるね。敵対勢力の存在を気にしていなかった俺の油断だ。言い訳も無いよ」

「エンジ・フェンダーは、しばらくあなたの国でとどまる。腕は回復してから――」

「取り戻しに行く」

「違う。あなたのコピーで腕を作る。それが出来るのが、エンジ・フェンダー」

「腕をコピー? え、どうやって……」


 最近、魔法ばかりをコピーしまくっていたから忘れていたが、


「ネコを救った時、あなたは何をコピーした?」

「そうか……そうだったな」

「そういうことだから。もう少し、眠る。フェンダー、おかえりなさい」

「ただいま、ザーリン。ただいま、俺の国……」


 魔法だけに特化しすぎていた。

 自分の国に戻って来られたのも、原点に戻るべきを思い出すためか。


 もう少し眠ろう。

 そして、目が覚めてあいつがまだいるのなら、俺が話を――

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