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魔王と姫 声劇台本

利用ガイドライン


・生放送、裏劇、各種使用OKです

・台本無断配布禁止

・動画制作、商用利用する場合は一度ご連絡ください

・文章改変、キャラクターの性別改変はNGです

・放送のどこかに作者名とURL記載お願いします


魔王と姫


魔王(人間感覚的に25)変にカッコつけるところがあるが基本ヘタレ


姫(18)基本的に王族として優秀だが愛された実感を持ったことがなく、愛に飢えている。


登場人物表

魔王♂:

姫♀:



 翼の羽ばたく音


魔「ふははははははは!!姫は頂いた!!返して欲しければ我が城まで来い!!」


姫「いやーー助けてえー!!」


 着陸音。バルコニーのような場所。


魔「ふふふ、ここまでくれば安全かな……姫君、ご安心を。大人しく部屋にさえいてくれれば、身の安全は保証しましょう。」


姫「……それで、あなたの目的は一体何でしょう?」


魔「は?」


姫「お金は……、魔王って言うくらいだし問題ないわよね?やっぱり、領地の拡大?確かに人間界を攻めるなら我が国からが地形的にも一番だと思うけど…」


魔「いやいやいやいやちょっと待って!!」


姫「どうしました?」


魔「どうしましたじゃないよ!お前姫だよなあ!?か弱き乙女だよな?冷静すぎない!?」


姫「まあいいじゃないですか。それで、あなたの目的は一体なんでしょうか?」


魔「んん……まあいい。教えてやろう。金と領地拡大。その二つともだよ」


姫「どういうことかしら?」


魔「聞いて驚くなよ!我が目的、それは世界征服だ!!」


姫「ええええええ!!」


魔「どうだ。今度こそ驚いたか?」


姫「今時!?」


魔「そこ!?…魔王なんだから当然のことだろう?」


姫「世界征服ということは、我が国のオリハルコン鉱山が狙いですか?あれは魔族の攻撃を防ぐ貴重な鉱石ですからね。抑えてしまえば確かに征服に一歩近づくでしょうね」


魔「また先読みされた……。そうだよ!その通りだよ!!君を人質にとって王様にオリハルコン鉱山頂くつもりだったの!!悪い!?」


姫「あなたさっきからキャラがブレブレですよ」


魔「うるせえ!!」


姫「ではうるさいついでにもう一つ先読みしましょう。あなたの目論見は完全にハズレです」


魔「え?」


姫「私を人質にとっても、父上は鉱山を渡しません。第三王女なんて政略結婚くらいしか利用価値がありませんからね。あの鉱山は我が国の主要産業であり他国に牽制をかけるための重要な場所です。父上はきっと私を見捨てるでしょう」


魔「なんだと!だが魔族に姫を攫われたとなっては普通一大事だろ!?国民が黙っていないだろ!?」


姫「私の部屋で直接さらったところで兵以外目撃者もいません。父上のことですから、私は病死したなんてことにするのでしょう。と、いうよりも余計なことになる前に私はとっくに自害していると思っているかもしれませんわ。王族としての義務を果たすために」


魔「そんな……せっかく頑張ってかっこよくさらったのにいー……ウエーン(しくしく泣く)」


姫「頑張ったのそこですか!?……泣かないでくださいよ、めんどくさい」


魔「お前もだんだんキャラぶれてない?」


姫「私はもともとこんな性格なんです。……それでは、泣き止んだら早く決めていただけませんか?」


魔「何をだ?」


姫「私の処分です」


魔「処分?」


姫「利用価値がなくなったのはわかったでしょう?さっさと殺してください」


魔「……殺さないよ」


姫「え?」


魔「君いても意味ないんでしょ?だったら殺しても意味ないじゃん。……やっぱ世界征服なんて言わなきゃ良かった」


姫「えーと、どういうことでしょうか?」


魔「いやねえ、僕、魔王を継いでからまだ日が浅いんだけど、大臣たちが、王の威厳を示すためにもぜひ世界征服を!!とかうるさくて。それでしょうがないから君をさらったの。」


姫「貴方はもともとそんな性格だったんですね……」


魔「そうだよ、父親が魔王になったから魔王になっただけの腑抜け野郎だよ。笑いたいなら笑えよ」


姫、前の台詞からすでに吹き出しかけている


姫「あははははははは!」


魔「本当に笑ったなあ!!」


姫「だって……だって……はは。貴方って……素敵な人ね」


魔「…………はあ?」


姫「決めた!(深呼吸)ねえ、魔王様。私と一緒に世界征服しません?」


魔「君と?」


姫「私が世界征服の頭脳になって、貴方が実行しましょう。ではそうとなったら早速考えましょう、新しい作戦は……」


魔「ちょっと待ってくれよ。君は人間の姫だろ?家族とか、国民達を裏切ることになるんだぞ!?」


姫「裏切るような絆なんて始めからありません」


魔「君は誰からもかしずかれる姫だろう?」


姫「私は他国の王家とつながるため、王家を守るための道具としかみられたことはありません。誰も彼も皆嘘つきだし。家族も、私に興味を持ってくれた人なんていなかったわ」


魔「なんというかその……人間族の関係性というのは、複雑なんだね」


姫「複雑です。……でも貴方は違う!私初めてよ。こんなにはっきり利用してやるって言われたり、いらないって言われたり、思ったことそのまま言われるの」


魔「あー、なんか……ごめん」


姫「いいのよ。だって心を開いてくれたってことでしょ!それがすごい嬉しいの。ねえ、いいでしょう?私、王家よりも貴方に人生を捧げたいの」


魔ナレ「僕の腕を取り、キラキラした瞳で僕に語りかける姫を見ながら僕は思った。やっちまったなあと。しかし同時に僕は気づいてもいた。彼女からはもう逃げられないと。……覚悟を決めた僕は……」


魔「じゃあ、よろしく頼むよ」


魔ナレ「彼女の手を取った。……これが、後の世にうたわれる、世界のすべてを手にいれた最強の魔王と、その魔王を手にいれた最強の魔女の夫婦の、出会いの物語……かっこいい伝説なんて、蓋を開ければ案外こんなもんだよ」




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