第7話 [ダンジョン]
村の入り口の前に立つ二人組の姿がある。
そう、二人組とは慶一とシスのことである。
何かコソコソと喋っている。
正しく言えば、慶一が一方的に喋っているのだが。
「おい、シス。 ここが、俺達二人が旅をして最初の村なんだ」
そんなことはどうでも良いとシスが話し始めた。
「早く宿屋に行って、お風呂に入りた〜い!! だって、臭いんだもん!!!」
「そうだな、じゃあ村に入るか。」
そう言って慶一は一歩を踏み出す。
ゆっくり、ゆっくりと……。
「何やってるの? 早く入って来なよ。」
そんなことを言って、先に村に入ったシスが感動の第一歩をぶち壊した。
「うん……わかった」と言いながら 、スッと村に入った。
感動の第一歩も何も無く。
#
村に入ると、周りからジロジロと目線を感じる。
そして村人達が言い出した。
「あぁ、冒険者様だ!」
慶一達の周りに村人達が集まる。
そしてその人混みを掻き分けて、一人の老人が出て来た。
「旅でお疲れなのに、騒がしくてすみません。」
そう言って頭を下げ、続けて喋り出す老人。
「名乗り遅れました。私はこの村の村長の"ヒゲマル"といいます。」
「そして今この村ではとても大変な事が起こっているのです。」
唐突にそんな事を言われて困る慶一にヒゲマルはさらに話し始めた。
「オォ、その目。そなた、勇者様ではないか!?」
ヒゲマルは後ろを振り返り、村人達に慶一が勇者だと言い出した。
それを聞いた村人達は喜んでこう叫んだ。
「勇者様が、あのダンジョンを攻略してくれるらしいぞ!」
そういった感じで、ダンジョンに行くことになった。
#
宿屋で泣く慶一に風呂から上がって来たシスがこう言った。
「ダンジョンを全て攻略する! それが私の夢なの!」
慶一はその言葉を聞いてもっと激しく泣き出した。
そんな事をしていると、「ガチャリ」と扉が開いた。
そう、村人達がお迎えに来たのだ。
だが、村人達はすぐに扉を閉めた。
シスが服を着ていなかったからだ。
シスは急いで服を着て、泣き出す。
そんな様子をこっそり扉を開けて見た村人達は本当に大丈夫か? と心配になった。
#
ダンジョンの前に来た慶一は、こんな村に来るんじゃなかったと後悔している。
そんな慶一に対して、シスは「ダンジョン! ダンジョン!」とはしゃいでいる。
ダンジョンの見た目は神殿のような形で、入り口には蜃気楼のようなものがたっていて中が全く見え無い。
ダンジョンの見た目に圧倒された慶一が「一回戻ろう」と言おうとした瞬間、ヒゲマルが「それでは、頼みますぞ」と言った。
すると、シスは慶一の手を引っ張り走ってダンジョンに入って行った。
慶一は「イヤァアアアア〜〜!!!!」と叫びながらダンジョンに消えて行った。
自分が書きたかった“ダンジョン攻略”がようやく書けました。(まだ、攻略していないけど…。
これからもまだまだ書きたいストーリーがたくさんあります。
頑張って書きますので、皆様応援をよろしくお願いします。
そして「勇者がパーティーから外されたそうです」を読んでくださりまして、ありがとうございます。
評価や感想、待ってます。