第6話 [ゆったりと行こうよ]
騒がしい。
そう思い目を覚ますと、そこには「お腹空いた〜」と泣き喚きながら足をバタつかせるシスがいた。
空を見上げる。……もう夕方か。
そんな事を考え、二度寝をしようとした瞬間、
『ボカッ!』
シスが殴ってきた。
「何するんだよ、急に殴りやがって! てかお前、回復専門じゃないの!?」
シスは無言で慶一を殴り続ける。
『ポカポカ』だったらまだ良いが『ボカボカ』とだ!
「痛い、痛い、痛い!!」
ーーーしばらくすると、シスは殴るのをやめて呟いた。
「もう、起きた?」
もう殴られるのは嫌だと慶一は「もう起きた、起きた!」と猛アピールした。
そして、即座に土下座した。
もう一人じゃないからな、旅は集団行動だからな、謝るのは当たり前だ。
そんな慶一にシスはポツリと一言。
「早くご飯作れや」
慶一は「はい」と言い縮こまった。
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「プハぁアア〜〜〜、満腹、満腹!!」
シスはそう言うとニコニコしながら歩き出しカバンを手に取り慶一に質問した。
「早く、レヴィンチに行かないの?」
その言葉に冷や汗をかき焦り出す。
実はレヴィンチに早く行かなければならない用事など全く無いのだ。
本当は、森には虫が多かったので早く出たかっただけなのだ。
「........うん、もう行くか!」
ヤバイ、多分バレるのは時間の問題だ。
出来るだけ、もうこの話題にはならないようにしようとする慶一。
「うん! じゃあ、行こう!!」
何なの? 早く行かないとダメな理由って何なの〜!
よし、今日はこの話題をフリ続けようと心に決めるシス。
ーーーかくして、二人の一日が始まった。....….もう夕方だか。
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「ねぇ、ねぇ、慶一! もう夕方だよ、急がなきゃ!」
「 うん 、そうだな」と言い、急ぎ足になる慶一。
「そういえば、何で急いでいるの?」
攻めるシス。
「...........。 言わなきゃダメか?」
「別に言わなくても良いよ〜」
この会話がかれこれ2時間も続いている。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバァァーーイ!! いつまで続くんだよ! この会話!!
外から見たら隠しきれているが、 心の中では焦りを隠しきれていない慶一。
「うぅ、吐きそう……。」とポツリと呟く慶一に「大丈夫!?」と急いで寄り添うシス。
そして心配そうに「じゃあ、急いで近くにある村に行こう!」と言ってからの「そういえば、何で急いでいるの?」と質問するシスに「ウゼェェェーー!」と思う慶一。
「何で、何で、」と身体を揺らすシスの所為で酔って本当に吐きそうになる。
その結果、「ゔっ、オェェェェェェェェェェェ」と吐いてしまった。
口から色々出てくる。しかし、地面を見ても汚物はどこにもない。
そして、目の前で泣き喚くシス。
そう、シスに全て掛かってしまったのだ。
そんなシスに「シス、お前臭いから こっちに寄るな!」と言って走り出す。
「慶一〜、何でそんなに急ぐのぉ〜〜?」と走って慶一を追いかける。
「お前が臭いからだ〜!」
その言葉でシスはもっと激しく泣き出した。
「早く、次の村に行くぞ〜〜!」
シスは頷き慶一に着いて行く。
このお陰でシスが質問しなくなったので良かったとニッコリと慶一は笑った。……急ぐ理由も出来たし。
~急ぐ理由:シスが臭いから。~
うぅ、第6話を書き終え投稿しようと思ったら
なんと‼︎ 消えてしまいました。
そして書き直そうとする自分。
…やる気が出無い。(やり込んだゲームのデータが消え、やり直す感じ)
まぁ、そんな感じで「勇者がパーティーから外されたそうです」を読んでくださった方。
ありがとうございます。
出来れば、感想や評価などをしてくれれば嬉しいです。