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みんなで綴る物語  作者: サラサ
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幼児期3

家事の手伝いが少しできるようになった。


といっても、木の実拾いくらいしかできないのだけどね。

今日は一番上の大兄さんが護衛がてら一緒についてきてくれた。

まだ小さい我は山の肉食動物によく狙われる。

今も狼の群れから狙われている。

周囲を警戒しながら一緒に木の実拾いをしていた兄は、すぐに我を抱えて逃げ出した。

我に食らいつこうと飛びかかってきた狼の頭を切り飛ばし、周囲の狼を剣で払いながら我を抱えて両親達がいるテントまで走っている。


「大兄、まだついてきてる。」

「ああ、分かってる。父さん達の、所まで行けば、安全だ。心配するな。」


少し息をきらしながら返事をしつつ、たまに襲ってくる狼を切り伏せていく。

いつもならすぐに諦める狼達が今日はしつこく襲ってきていた。

不意に足に激痛が走った。

三匹同時に襲ってきた為、兄の攻撃を免れた一匹に噛みつかれた。


「痛い、痛いよ、大兄ー」

「このっ、よくも大事な弟にー」


兄は噛みついている狼の頭を剣の柄で殴るが、余計に食い込んで痛い。

ここぞとばかりに次々と襲ってくる狼達を蹴散らしながら、噛みついている狼の首を切り落とし、食い込んだ牙を外そうとしていた。

痛くて我慢できないので、早く外してもらえるように、兄に【握力強化】の加護をつけた。


狼の顎が砕かれて、バラバラになった。


いきなり力が増した兄は少しビックリした様子を見せた後、上着の裾を破いて止血してくれた。

狼達はまだ諦めていないのか、遠巻きに見ている。

普通に走っていてはまた噛みつかれてしまう。

今も傷がズキズキ痛いのに、また噛まれるのは勘弁してほしい。

早く家に帰って治療してもらいたいので、兄に【脚力強化】と【攻撃強化】をつけた。


手当てを終えた兄が我を抱えてまた走り出した。

前方にいた狼達を軽く切り飛ばし、ものすごい速さで駆け抜けていった。

【脚力強化】されている兄に狼達は追い付けず、後方に見えていた狼達はだんだん小さく見えなくなった。

安心したら一気に痛みが増した。


「大兄、痛い、痛いよー」

「もうちょっとの辛抱だ。すぐに家に着くから。」


痛さで意識を失いかけた頃にテントが見えた。

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