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みんなで綴る物語  作者: サラサ
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小弐期A

 ウマー母さんが寝込んでしまった。

 無事に救出したのただが、精神的に疲れてしまったらしい。


「私ももう歳だから寿命かしらね」


 気が弱っているからかそんな事を言っていたりする。

【ステータス】で見てもどこも悪くないので、どうすることも出来ない。


「ウマー母さんはまだまだ若いし美人だよ!元気出して!」


 我が言っても余り効果は無いが、少しでも気が強くなるようにと願って言った。

【ステータス】では変更出来ない生体エネルギーが弱っているので、自分で何とかしてもらわないと治らない。

 我には何とも出来ないが、生体エネルギーが溢れている父なら、何とか出来るかも知れないと思って呼んできた。


「父さん、気を分けるとか出来たりする?」

「何だそれは?気を当てる技ならあるが、それとは違う感じか?」


「う~ん。ウマー母さんに元気を分けてあげられないかと思って。」

「そんなこと出来るのか?聞いたことないぞ?」


「やっぱり無理かな?ちょっとウマー母さんを抱き締めてみて?」

「ああ、こうか?」


 父さんの溢れている生体エネルギーで包んでもらってみたけれど、ウマー母さんがエネルギーを取り込むことはなかった。


「やっぱり無理かな?う~ん。直接体内にエネルギー入れられないかな?キスしてみて?」

「ああ、いいぞ。」

「んっんー。あぁー。はぅ。」


 口から父さんの生体エネルギーを少し取り込んだようで、ウマー母さんの顔色が良くなって少し気が強くなっていた。

 ふむ。

 母さん達がいつもツヤツヤで元気なのは、父さんのおかげなのか。


「父さん、直接体内にエネルギーを入れるのは性的な接触が良いみたいだから、時間があるならウマー母さんを宜しく。もちろん中出しでね!」

「ミズもそんなことを言うようになったのか。大人になったなー。もちろんだ、任せろ!」

「ミズちゃんったら、もう。心配かけてごめんなさいね。ありがとう。」


 生体エネルギーの委譲は男性から女性には出来るが、逆はキスだけだから余り有効にならないということか。

 しかも父さんのように溢れ出る位の強い気を持った人間じゃないと無理そうだ。






 試合のない日は父さんと母さん達が部屋に籠るようになった。

 始めはウマー母さんだけだったのだが、他の母さん達が途中から参加するようになっていた。

 必然的に弟妹が我の部屋に来て寝るようになったのだが、今日は何故か甥っ子と姪っ子まで来てしまい、大きなベッドとはいえ子供六人はちょっと無理があった。


『ミズ様。ベッドをもうひとつ作りますか?』

『ああ、土精霊か木精霊に土台を作ってもらって、マットレスと布団を持ってきてもらおう。』


 家精霊に布団の準備をお願いして、土精霊に土台を作ってもらい、木精霊には細木を編み混んでマットレスを作ってもらった。


「すごい!弾力があって面白い!」

「「きゃー♪きゃー♪」」

「ゲンブ、ホタル、クジャク、余りはしゃぐと壊れるよ?」


「ごめんなさい。」

「「、、、さい。」」

「分かればいいよ。じゃあ皆で寝ようか。」

「「はーい。」」

「「「あい!」」」


 後で聞いたら父さん達が籠ってるのに触発されたコクヨク兄さんが姉さん達と部屋に籠るようになったらしい。

 もうしばらくはこの状態が続きそうだ。






 武闘大会も予選が終わり本戦が始まっていたが、また誘拐されると困るので精霊達を総動員して、飛空船の娯楽室に音声付きで映像を写し出してもらっている。

 両親と兄姉達は順調に勝ち上がり、残りが家族だけになった所で父さんに呼ばれた。


「ミズ、折角だから本気で戦ってみたいんだが、今のままだと舞台が持たないし観客席にも被害が及びそうなんだ。なんとかならないか?」

「えーっと、舞台と客席の間は結界で防御してたはずだけど?あと舞台は一応大陸最強の固さのはずだけど?」

「んー。ちょっと見てろ。」


 父が軽く剣を振るうと客席の一部が破壊された。


「えぇー?」

「な?ダメだろ?何とかならないか?」

「そんな恐い攻撃、誰にするの!危ないよ!死んじゃうよ!」


「んー。平気だろ。キサ!ちょっと来い!」

「何?父さん。」


 キサラギ兄さんが近づいて来ると、父さんがいきなり剣を振るった。


「っちょ。危ないなー。ミズに当たったらどうするんだよ。」

「お前の返しが下手なだけだろ。」


 気がつけば我の足元に亀裂が出来ていた。


『ミズ様。風の結界を突破されてます。もっと層を厚くしてください。』

『あぁ。自分に加護は付けられないから厳しいな。空間精霊に結界に沿って別の空間に繋げてもらおう。』


「悪いな。ミズ。大丈夫だったか?」

「ミズ。こんな感じでみんなそこそこ強いから大丈夫だ。それより、良い機会だから全力を出してみたい。なんとかならないか?」

「うん。今ちょっと精霊にお願いしてる。準備出来たら言うから、もうちょっと待ってて。」


『ミズ様。どこに繋げれば良いでしょうか?』

『来たか、空間精霊。中央大陸の魔法試験地に繋いでくれ。魔法試験地は立ち入り禁止にしておく。』

『土精霊、魔法試験地を壁で囲っておいてくれ。』

『風精霊、魔法試験地の壁に沿って結界を貼って

 誰も入れないようにしておいてくれ。』

『『『はい。ミズ様。』』』


 三人娘達が時々魔法の実験をするので、船に被害が出ないように中央大陸に魔法試験地を作っていたのが幸いした。


「父さん、お待たせ。もう一回やってみて。」

「あぁ。よっと!」


 軽く振るっているのに結界を切り裂いて斬撃が飛んで消えた。


「うん。大丈夫そうだね。」

「おぉ?消えた???」

「キサラギ兄さんもやってみて。」

「あぁ。本気で打ち込むぞ?」


 キサラギ兄さんが一撃を放つと余波で空気が震えていた。


『ミズ様。試験地が崩壊しました。整地しますか?』

『!!!』


 どうなったか転移して見てみると、大きな地割れが出来て、割れ目に向かって土地が崩れ落ちていた。

 試験地を囲っている壁には届いておらず、とりあえず大会が終わってから整地することにした。


『どうせまた崩れるだろうから、大会が終わってから整地しよう。』

『はい。ミズ様。』


 試験地を確認して急いで戻った。


「キサラギ兄さん。さっきのが限界?まだ強い攻撃ある?父さんはどのくらい?やってみて。」

「んー。実際に戦闘になればもっといくかなぁー?」

「あぁ。どれ、俺も本気で打ち込んでみるかぁ。...ふっ。...どうだ?大丈夫か?」


『ミズ様。地下の獣人の国まで穴が開きました。どうしますか?』

『はぁ?規格外にもほどがある。...穴は塞いでおけ。後、少し早いが地下の獣人達には中央大陸に移住してもらおう。』


「父さん、その本気は困ります。大陸が割れました。封印してください。」

「ああ。さすがにこれはダメだったか。まぁこんな攻撃は家族にはしないから大丈夫だ。」


「誰に使うの?何に使うの?過剰だよね?」

「まぁまぁ、ミズ。父さんだって魔人にしか使わないよ。最強魔人相手には必要になることもあるから。たぶん。」


「そんなに防御力高い魔人がいるの?今まで見たことないよ?封印しよう?」

「そうだなぁ。まあ考えとく。ところで、舞台の方の防御はどうするんだ?このままだと確実に崩れるぞ?」


「舞台は最強の硬度にしてあるから、これ以上変えられないよ?舞台が崩壊しても戦闘出来るでしょ?1試合毎に壊れたら直すことにしたら?」

「そうだな、足場が悪くても戦えなくては意味がないからちょうど良いか。」

「客席に被害が及ばなければ問題無いだろ。戦闘力で危険なのは俺と父さんとパール母さん位か。後はそこそこだから、この程度でいいだろ。」




 結局、一回毎に舞台の作り直しが発生し、3日に一回の開催になってしまった。


 準々決勝一戦目のコクヨウ対ムツキ戦は、結界を越える程の攻撃は無く、舞台な亀裂があちこちに走る程度で、ムツキ姉さんが勝利した。


 試合の翌日に舞台を直し、2日後に舞台の安全確認が行われ、3日後に次の試合が開催された。


 準々決勝二戦目のキサラギ対ウツキ戦は、一部結界を越える攻撃があったものの、試験地にはそれほどの被害はなく、舞台は半壊でキサラギ兄さんが勝利した。


 準々決勝三戦目の父対ヤヨイ戦は、結界には届かなかったが舞台が全壊し、地響きも凄く客席まで振動したため、会場全体に細かな亀裂が出来ていた。

 被害の確認と修理に一週間かかってしまった。

 当然、父が勝利した。


 準々決勝四戦目の母対サツキ戦は、瞬殺で母が勝利した。

 舞台の被害も客席の被害も結界の被害もなく、平和に終了したのだが、見ている観客達にはあっけなさ過ぎて不評だった。


 珍しく修理がないので次の日に準決勝が開催された。


 準決勝一戦目の父対ムツキ戦は、父が手加減しているからか午後になっても勝負がつかなかった。

 舞台は全壊し、結界を越えた攻撃の余波で試験地は抉られ、地面の振動で群発地震のように周囲の家々にも被害が出始めていた。


 ミ:「もう引き分けで良いんじゃない?」

 ウ:「それは駄目でしょう。」

 キ:「ぶっ続けで戦闘だと、持久力のある父さんに有利だな。」

 ヤ:「ムツキ姉さんも持久力あるわよ?」

 サ:「去年は一週間寝ないで魔獣退治とかしてたね。」

 パ:「シバは昨夜もあまり寝てないわよ?ここの所ずっと夜は私達の相手をしているから、少しは弱ってるはずなんだけどねー。」


 絶倫な父さんは毎晩母さん達を抱き潰しているそうだ。

 子供に聞かせて良い話なんだろうか????


 雑談している間に父さんの重い一撃を受けたムツキ姉さんが倒れた。

 父さんと戦闘するから念のため【絶対防御】の加護をつけておいたのだが、意識不明になる程の攻撃ってなんなんだ。

 こっそり舞台の橋に近づいて、【ステータス】で見ると脳を揺さぶられたせいで脳震盪(のうしんとう)になっているようだった。

 ムツキ姉さんが担架で運び出され、父さんが勝利した。


 準決勝二戦目の母対キサラギ戦は、キサラギ兄さんが勝利した。

 何故か最初から足元がフラフラの母だった。

 後で聞いたら、父さんに抱き潰されたせいだと怒っていた。

「前日はしないって言ってたのにー!!!」と怒りまくっていた。


 そして決勝戦の父対キサラギ戦は、凄まじいことになっていた。

 試験地は崩壊し、獣人国が良く見える大穴が開き、崩落した岩盤で下の家々は全壊して廃墟になっていた。

 引っ越しさせていて正解だった。

 空気も地面も振動し、近所の窓は割れ、振動のせいで武闘場の壁に亀裂が入り崩れ始め、客を避難させるため試合を中断した。


「父さん、キサラギ兄さん。やり過ぎです。縛りをつけさせてもらいます。」

【筋力低下】の加護を二人に付けて、土精霊に武闘場を修理&補強してもらい、運営に安全確認をしてもらった。


 安全が確認されると、客を戻して試合再開した。

 死闘の末、父さんが勝利した。


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