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みんなで綴る物語  作者: サラサ
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小弐期9

 人間の出入りが多すぎて只の親子か誘拐犯かの区別がつかない。


「面倒だから大陸の移動は禁止にするか。」


 つい呟いてしまったら、いつの間にか大陸間の船の渡航が禁止されていた。

 風精霊達が獣人達に伝えてしまっていたらしい。


 出国禁止にした時から今までの間に入国してきた人間には全て光精霊(極小)と風精霊(極小)を付けたので、行動を監視してもらっている。

 ついでにここの共和国にいる全ての人間にも付けた。

 光精霊(極小)と風精霊(極小)からの情報はその地域にいる光精霊(中)と風精霊(中)にまとめてもらって、別の地域同士の精霊が一緒に行動することになったら怪しいから、我に報告が来ることになっている。


「はぁ、絞っても多すぎる。もっと分かりやすく区別が出来ればいいのに。」


 ぼやいて溜め息ついていたら新しい精霊が顕現した。

 鑑定精霊って何?!


『※※※※※※、※※※※。』


 やはり最初は聞き取れないのでレベルを上げた。


『ハジメマシテ、ミズサマ。』

『あぁ、初めまして。早速だが、鑑定で親子関係が判るか?』

『ソノテイドハ、カンタンデス。』

『ふむ。ではそこの三人娘達の親を当ててもらおう。ちょうどこれから一緒に観戦しに行く予定だし。』


 三人娘達と合流して商会に向かった。


「お久しぶりです。ミナツキ様。何かまた新しい商品があれば私共にお教えください。」

「こんにちは。お久しぶりです。」


『鑑定精霊、ここにいる人間達の親子関係を示せ。』

『ハイ。ミズサマ。』

『コチラノ、ジョセイハ、ソコノ、オンナノコノ、ハハデス。』

『ソチラノ、ジョセイハ、ソコノ、オンナノコフタリノ、ハハデス。』

『コチラノ、ダンセイハ、サンニンノ、チチデス。』


 ふむ。

 本当に分かるようだからレベルを上げて分霊してもらうことにした。


「ミズっち、何してるの?おいてくよ~?」

「ミズ、行きましょう。」

「で、誰を応援する~?みんな場所がバラバラだよ~?」


 そうだった。

 全員違う会場で出場時間がほぼ同じだから誰か一人しか応援出来ない。

 光精霊に映像を送ってもらえば全員観れるから船で見た方がいい気がしてきた。


「映像は後で見ればいいじゃん♪」

「実際に応援に来てくれた方が喜ぶと思うよ?」

「お兄様やお姉様達の一人を応援するより、お母様かお父様の応援をされる方がいいかと。」

「そうだね。僕は母さんの応援に行くよ。皆はどうするの?」


「私達はウツキ様の応援に行くの~♪」

「うん!いっぱい応援する~♪」

「私はキサラギ様です。」

「うん、そうなるよね。分かってた。」


 コノハナとサクラは両親と一緒にウツキ兄さんの応援に行くらしい。

 イワナガは母親と一緒にキサラギ兄さんの応援に行くらしい。

 イワナガはもう成人扱いなので来年にも結婚するつもりらしく、着々と計画が進んでいるらしい。

 コノハナとサクラも、来年には成人の義を迎えるだろうから、そうしたら直ぐに結婚できるようにするために根回し中らしい。


『来年には三人娘達と家族になりそうだな。』

『そうですね。また子供が増えそうですね。』


 寿命が獣人に比べて短いとはいえ、人間達はまだまだ子供の時期に結婚出産するから、子育てが上手くいかず乳幼児の死亡率が高かった。

 最近は愛児園も作ったし、育児精霊もいるので皆健康に育って人口が増えている。

 そのせいで他の大陸から誘拐犯が多いのだが。


 あぁ、誘拐犯の事をまた思い出してしまった。

 やはり観戦してる場合じゃない。

 ゲンブもホタルもクジャクもフミツキもハツキも母さん達と育児精霊達に連れられて観戦に出掛けたけど、誘拐されたらと心配だ。

 三人娘達と別れて港に向かうことにした。


『ミズ様。渡航禁止で混乱中ですが、何処の港から回りますか?』

『とりあえず、まずはこの国の港街フィーアからかな。』


 港街に飛んで街の様子を見てみたが、他の大陸からの旅行客は余りいなかった。

 港を管理している人間に話を聞いたら、ここと他の大陸と行き来する航海路はないので、余り影響はなかったらしい。

 この大陸の他の国との航行はあるが、大陸間の航行はないので、いつも通り平穏だそうだ。


『ミズ様。とりあえず、誘拐の疑いがある報告が上がっているので、そちらに向かいましょう。』

『あぁ。ここは十組位だったかな。鑑定精霊、一緒に来てくれ。』

『ハイ。ミズサマ。』


 監視中の家族をそれとなく見る。

 子供と父親らしき人間はあまり似ていない。

 母親らしき人間はおらず、兄と思われる人間が子供と手を繋いで歩いていた。


『父親と若い男性と子供に付いている精霊がそれぞれ別地域の精霊になります。』

『鑑定精霊、どうだ?』

『ハイ。ミズサヤ。サンニンハ、オヤコデス。』


 出稼ぎでそれぞれ違う国にでも行っていて、お祭りだから帰ってきたということだろうか。


『オプト、三人に付けている精霊をこの地域の精霊に付け替えておいてくれ。』

『はい。ミズ様。次に参りましょう。』


 この街で報告が上がっていた十組全部見てまわったが、誘拐された子供はいなかった。


『次の港に向かおう』

『はい。ミズ様。どちらの国の港になさいますか?』

『オラーンジュ国の港からかな。時間があればムツキ姉さんの観戦もしたい。』




 結局、各国の港街を回る際に兄姉達をチラ見することしか出来なかったが、何人か誘拐犯を捕まえることができた。

 各国の首都はお祭り期間中だから報告が多すぎて逮捕するのが大変なので、出国する際に鑑定&逮捕することにした。

 渡航禁止で混乱していたが、鑑定精霊を常駐させて、入国出国の監視をすることで禁止を解除してきた。


「今日も疲れた。」

「お帰り~♪」

「お疲れ~♪ウツキ様、凄かったよ~♪」

「お帰りなさい。どこに行っていたのですか?お父様もパールお母様もお兄様お姉様もお帰りになってますよ?」


「ちょっと誘拐犯対策を頑張ってきました。」

「ミズ、殴り込みなら任せろ。何処を潰せばいいんだ?」

「父さん、本拠地が分かったらお願いするかもだけど、今は水際対策で精一杯だから。」

「おう。楽しみに待ってるわ。」


「ミズちゃん、ハツキちゃん達知らない?まだ帰って来ないのだけど。」

「え?母さん達と一緒に父さんの観戦に出掛けてたよ?」


「ゲンブとホタルとクジャクは育児精霊達と帰って来たのだけど、フミツキとハツキと母さん達がまだなの」

「大姉、それ本当?ハツキ達にも育児精霊付けてたはずだけど、連絡ない?」


『ミズ様。フミツキ様とハツキ様に付けていた光精霊と風精霊は移動しているようです。』

『風精霊、近くにいる風精霊達に此方に連れてくるように伝えてくれ。』

『オプト、母さん達は近くにいない感じか?育児精霊達は?』

『今近くの光精霊達にリンクしましたが、回りにはいませんね。お子様達は眠らされて樽に隠されているようです。あ、第一宿場町の宿屋にお母様達が縛られています。シェーシャ様はお子様達を守ろうとしたのか抵抗されたようで重傷のようです。』

『育児精霊達はどうした?』

『育児精霊達はおりませんね。あぁ、道中で五体バラバラにされ廃棄されたようです。』


 オプトから次々とリンクした光精霊達からの情報が上がってきた。

 シェーシャ母さんはすぐに治療した方が良さそうなので、我が直接飛ぶことにして妹と弟は風精霊達に任せることにした。


「うん。見つけたから迎えに行ってくる。えーと、父さんも来て?」

「お、殴り込みか?」

「母さん達が拐われてシェーシャ母さんが重傷」

「すぐ行くぞ!ぐずぐずするな!」

「で、第一宿場町の宿屋にいるらしい。」


 話途中に連れ去られ、第一宿場町まで一緒に飛んだ。

 降りた途端、物凄い勢いで宿屋に突撃し、一般の宿泊客とどう区別したのか、我が着く頃には犯人達が壁から生えてたり床にめり込んでいた。

 とりあえず虫の息の犯人達を素通りして母さん達を解放し、シェーシャ母さんを【ステータス】で書き換えて傷を治した。

 ついでにちょっとお肌の調子も整えた。


「母さん達、大丈夫?フミツキとハツキは確保したから安心して?」

「ミズちゃん、ごめんね?ありがとう。母さん達が弱いから子供達を守れなかったし、シェーシャの足手まといになっちゃって。」


 ウマー母さんが縛られていた腕を擦りながら近くにやってきた。


「いえ、私も弱いので、パールさんのように守れませんでした。本当にフミは無事ですか?」

「うん。それは大丈夫。風精霊達に結界で守って連れてくるように言ったから。誘拐犯達は真空刃でバラバラになってしまったようだから、話は聞けないけどね。こっちの男達ならまだ生きてるから話は聞けるかな~?」


 風精霊達に確保を頼んだが、犯人達の取扱いを指示していなかったので、連れてくるのに邪魔をしたから吹き飛ばしたそうだ。

 それでも食いついて来たから切り刻んで、それでも奪おうとしたからバラバラにしたそうだ。


「こいつらは誘拐犯とは別の犯罪組織だよ。女性専門の人身売買組織で、私達はここで売り払われたのよ。」

「もっと若ければ子供を産ませる為に連れて行くつもりだったみたいだけど、唯一若いシェーシャさんが重傷で私達はもう子供を産めないから。」


 シェーシャ母さんとウマー母さんからの話から、この国も闇組織があるようだった。

 我が子供なので詳しい話は聞けなかったが、拷問して殺すのが好きな人間に女性を提供する組織だそうだ。


「そんな組織、いらないよね?潰そう!」

「あぁ、俺の女に手を出した奴は皆殺しだな!」

「こいつらにはまだ手を出されてないわよ?」

「そうね、私の怪我も誘拐犯の奴等のせいだしね。もうミズちゃんがミンチにしたみたいだけど。」


 僕が怒って言ったら、父さんはもっと怒っているようでさらに過激な発言をした。

 父さんの逆鱗は母さん達の事らしかったが、ここの男達は見張ってただけで何もしていなかったらしい。

 そしてさりげに我が誘拐犯をミンチにしたことになっていた。


「僕は何もしてないよ?風精霊達がやったんだよ?」

「精霊達はミズちゃんの力の一部でしょ?だから同じよ?」


 精霊達の行いは我の行いになってしまうのか。

 命令されなければ動かないのも面倒だが、独自の判断で動かれると責任が我に返ってくるのか。

 オプト並みに出来る大精霊が何体か欲しい。

 風精霊と土精霊もそこそこ頭が回るから側に置いているが、オプトには及ばない。

 レベルは同じなのに何が違うのだろうか?


 とりあえず母さん達と一緒に飛空船に戻った。

 闇組織は光精霊達と風精霊達に調査してもらって、武闘大会が終わったら皆で一斉に潰すことにした。


 無事に送り届けられた弟妹の状態を【ステータス】で見たが、特に異常はなかったので、皆で夕飯を食べながら兄姉達の武闘大会の映像を見て楽しんだ。

 寝る前に何か忘れている気がして考えていると、育児精霊達の事を思い出した。


『育児精霊、いるか?』

『ハイ、ミズサマ。』

『器を壊された育児精霊達を集めてくれ。また造る。』

『ハイ。ミズサマ。』


 精霊達は消滅しない限り我の力で顕現し続けるから、器を壊されてもなんてことはない。

 新しい器があればまた人間のように働けるからとても便利だ。

 今日も疲れた。

 明日も疲れる気がするが、もう寝る。


『お休み。』


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