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みんなで綴る物語  作者: サラサ
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小壱期B

 地面に擦れた跡を発見して、そちらの方向を探していると、また足跡の様なものを発見した。


「こっちの方向で間違い無いだろう。」

「中兄もそう思う?僕もそう思った。」

「そうですね。こちらに向かって移動しているようです。」


 ウツキ兄さんも同意見のようなので、一度家に戻って空から追跡してみることにした。


 家に戻ると、土精霊が大量の魔石を作成していた。

 この地は魔のエネルギーが大量に溜まっているから、いくらでも魔石にできるよくだった。


「すごーい。」

「魔石はなかなか作れないので、助かります。」

「わーい。これでまた実験し放題~~~。」


 三人娘が喜んで回収し始めた。


『ミズ様。お帰りなさいませ。この地は大分呪われておりますな。魔が濃すぎます。』

『ああ。魔物もこれに引き寄せられて、隣国から集まって来るくらいだからな。』

『左様ですか。それと、魔石はどの程度必要でしょうか?』

『色々な実験の材料だから、あればあるだけ欲しいな。あと、水晶も作ってくれ。魔力源も不足気味だから、出来るだけ溜めて持ち帰りたい。』

『畏まりました。』


 土精霊が分霊して個体数を増やし、作業効率を上げながら、魔石と魔力を溜めた水晶を作成し始めた。


「あ、すごーい。すぐに使える水晶だー。」

「あら、本当。もう魔力が取り出せるわね。」

「ミズっち、これどうやったのー?」

「土精霊が作ってくれたんだよ。」

「んー。私もやってみるー。精霊さん、お願ーい。」


 三人娘達はまだ念話は出来ないから、一方通行の伝達だけなのに、何故か精霊が集まって来ていた。


「コノハナ、サクヤ、イワナガ。なんで精霊を使役出来るの?」

「うーん。なんでだろ?」

「仲良くなりたいなーって接してるからかな?」

「ミナツキの仲間だと認識されているからだと思います。」


『そうなの?』

『ミズ様の身内の方々には光精霊と風精霊が常駐して通信に使用されてますよね?』

『ああ、便利だから、お願いしてるな。』

『他の精霊達も常にお役に立ちたいと考えているので、身近にいる方の呼び掛けには答えているようです。』

『なるほどな。』


 オプトに説明されたが、他の光精霊、風精霊、炎精霊、水精霊達も同意していた。

 役に立ちたいと言うなら光と風以外の精霊達も家族につけておこう。

 三人娘達には炎精霊(中)、水精霊(中)、氷精霊(中)、土精霊(中)をそれぞれ付けた。

 魔法(魔力を操作する方法)を使えるので、余り必要ないかもしれないが、精霊自体が魔力を溜める水晶代わりにもなるので、何かと便利だろう。

 母達と兄姉達は使わないだろうから、もしもの時の護衛代わりに各精霊(小)を付ける事にした。

 父の所在だけ分からないので、何もつけられていない。

 世界最強らしいのでたぶん必要無いだろうが、連絡を取り合える光精霊と風精霊だけはつけたいので、獣人達と光精霊達には捜索を続けてもらっている。


「ミズっち、たくさんできたよー。」

「私も~。」

「ここは負の感情が多かったようで、魔が大量に溜まっています。魔力に変えても全く無くなる気配がありません。」

「そうだね。最近魔力不足だったから、ここに調達用の小屋でも作っておこうかな?」


『ミズ様、私の分霊達に魔石と充填済みの水晶を作り続けさせます。』

『ミズサマ、ワタシタチガ、ハコビマス。』

『そうだな、土精霊達が作って、風精霊達は首都に運んでくれ。』

『畏まりました。』

『リョウカイデス。』


「イワナガ、コノハナ、サクヤ、精霊達が定期的に魔石と充填済みの水晶を運んでくれるそうだよ。」

「ほんとにー?」

「やったー。」

「助かります。」


 これでエネルギー問題は大分解消されるだろう。

 馬車鉄道の動力を馬から魔力に変えられるかもしれない。

 帰ったら早速実験用の動力車両を作ってみよう。


「おい、まだ出ないのか?」

「早くしないと、何処かに行ってしまいますよ?」


 追跡するのをすっかり忘れていた。


「ああ、そうだった。みんな、行くよ!」

「はーい。」

「えー、もうちょっとやりたかったー。」

「そうでしたね。」


 土精霊(中)と風精霊(中)をその場に残して、家を飛ばして第一王女の追跡を開始した。

 光精霊(小)に先行して形跡を追ってもらっていたので、とりあえず追い付くことから始めた。


 ブラウ王国の王都を中心に魔物の死体が大量に凍り付いているのだが、絶対零度の境界を越えても何もない荒野に点々と魔物の死体が転がっている。

 絶対零度の範囲外でも冷気は流れ出ているので、寒さに弱い魔物が死んでいるようだ。

 強い魔のエネルギーに引かれて、各国から集まってきている魔物達は、寒くても凍り付いても王都に進んで行くので、大量の屍がさらに魔を増やして魔物ホイホイになっている。

 絶対零度は解除してしまっているので、このままだとそのうち大量の魔物が動き出すかもしれない。

 少しなら対処できるが、これだけの魔物が一斉に動き始めた地上だけでなく、ら危険なので、氷を維持するために、氷精霊(中)に常駐してもらう事にした。



『ミズサマ、ココデ、アシアト、ナクナッタ』


 やっと先行していた光精霊に追い付いたところ、ここで消息が途絶えているとの事だった。

 とりあえず前方に散らばって探しに行ってもらっているようだが、まだこれといった情報がないようだ。

 王都から進んでいた方角だと、空を飛ぶ魔物が多い地域に向かっているので、もしかしたら空を飛べるようになっているかもしれない。

 光精霊達に地上だけでなく、空も捜索してもらうように指示した。



「見つからないねー。」

「うん、暇だねー。」

「二人とも、暇ならミズの手伝いしませんか?」


 捜索は精霊任せなので、鉄道の車両を引く動力車両を設計していたら、イワナガが参加表明して、ついでに暇そうな二人を誘っていた。


「ミズ、これはどうなっているのですか?」


 我が歯車を組み合わせて車輪を回す装置を書いていたら、イワナガに聞かれたので手を止めてひとつひとつ構造を説明した。


「でもそれだと余り馬力がでないのでわ?」

「そうかなー。うーん。もうちょっと考えてみる。」

「ミズっち、設計ばかりしててもつまらないよ?」

「適当に作りながら考えようよー。」


 コノハナとサクヤは実験しながら発明するタイプで、イワナガは机上である程度練ってから実験するタイプで、我は頭の中で色々考えてから紙に書いて、実験するタイプだった。


「うーん。進め方も違うし、それぞれ作って誰が一番か競争しようか。」

「賛成~♪」

「いいね!」

「負けません!」


 ああでもない、こうでもないと考えながら紙に書きだしては没にして、気がつけば大分時間が経っていた。


「ミズ、まだ見つからないみたいだが、そろそろ帰らないか?」

「そろそろ帰らないと、夕飯に間に合いません。」

「え?もうそんな時間?うーん。食料はある程度あるしベットもついてるから、このままここで待機してちゃダメ?」

「まあいいけど、母さん達には連絡入れとくよ。」

「こんなことなら、もう少し本を持って来るんでした。」

「えーと、小兄、本を届けてもらおうか?」

「頼めるかい?。できれば十冊位届けてもらいたい。」

「うん。母さん達に連絡して、風精霊に運んでもらうよ。」

「ミズ、ついでに俺の鍛練用の器具も届けてくれ。」

「え?どのくらい?中兄の部屋に置いてあるやつ全部じゃないよね?」

「できれば全部でよろしく!」

「あ、じゃあ僕も本棚の本を全部でお願いします。」

「ええ~?」


 思いの外荷物が多くて準備だけでも大変そうだ。

 母さん達に荷造りしてもらうのも申し訳ない量になりそうだった。


「ホントに全部運んでくるの?荷造りだけでも時間がかかるから、届くの夜中になっちゃうよ?」

「それもそうか、じゃあ母さん達に適当に五個位見繕ってもらってくれ。」

「僕も未読の棚の本だけ送って貰えればいいです。30冊くらいでしょうか。」

「うん。そのくらいなら大丈夫かな。連絡してみるよ。」


 光精霊に伝達をお願いして、夜営の準備を始めた。

 といっても家ごと移動しているので、テントを張ることもないし、風呂トイレ完備だし、主に食事の支度をするだけなのだが。


「ミズ、ここに数日滞在するなら、野菜が足りません。」

「水は出せるし、火も問題ないし、肉は魔物を狩ればいいけど、お野菜がねー。」

「困っちゃうねー。」

「そっか、野菜も届けてもらうように連絡しておくよ。」

「「よろしくー。」」

「よろしくお願いします。」


「ミズ、結界があるのは分かるが、落ち着かないから、防御用の柵と堀を作っていいか?」

「え?あぁ、じゃあ土精霊にお願いしてみて。」

「あー。どれが土か分からん。話も出来ないから困るんだが。」

「精霊達は人間の言葉が聞き取れるから、適当に言っても大丈夫だよ?でも、見分けたいなら、土色っぽいのが土精霊で、炎っぽいのが炎精霊で、水っぽいのが水精霊だよ?」

「全然分からん!」

「えー。なんとなく分かるのにー。ねぇ?」

「ええ、分かります。」

「「分かるよね~♪」」

「分かります。」

「ウツキ、お前もか!分からないのは俺だけか。」


 ガックリしながらキサラギ兄さんが外に出ていった。


「ミズっち、お皿がたりないよー。」

「え?来るときに使ったやつは?」

「「洗ってなーい」」

「...ごめんなさい。洗うのは苦手で。」


 洗い場は子供にはちょっと背の高さが合わないので難しい。

 つけおきした食器も腕が短いせいで、底の方にある食器やスプーンやフォークなどは拾い上げられない。

「中兄、洗い物は...」

「やりたくありません。女性の仕事です。」


 料理はしてくれるけど、洗い物はみんなやりたがらない。

 仕方がないので食器は使い捨てにして、土精霊にその都度作成してもらうことにした。

 三人娘達とウツキ兄さんが夕食作りをしているので、我は特にすることもなくなった。



『ミズ様、そろそろ創造の力が飽和します。何かに消費しないとまた精霊が勝手に生まれてしまいます。』

『もう溜まったのか。厄介だな。』


 今までは危険回避のためにちょこちょこ使っていたので、満タンになることは無かったのだが、平和になったら消費しない上、子供の体では器が小さいので、すぐに満タンになってしまう。

 何に使うか考えているうちに、その辺に転がっていた魔石から家精霊が誕生してしまった。

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