乳幼児期
離乳食が始まっていた。
父が鳥型の魔物の頭を切り飛ばしていき、血まみれのまま走り回る魔物を母が捕まえ軽く茹でていく。
その後羽をむしり、肉を細かくしてすりつぶし、団子にしていた。
まだよく見えない目では細かいところは分からないが、聞こえてくる音で感じる事ができた。
「ミズちゃん、ご飯もうすぐできるからもうちょっとだけ待っててねー」
母が料理をしながら話しかけてきた。
最初の頃は顔を動かすのもままならなかったが、最近はハイハイできるようになっていた。
今日の昼食は鳥の団子汁のようだ。
ハイハイしてご飯の場所に向かう途中、下り坂だった為に転がってしまった。
...ちょっと痛い。
泣きそうなのを体を固くして我慢していたら、過保護な獣と人の意思が響いた。
「94経験値獲得」
「次のレベルまであと6です。大丈夫ですか?」
前にも響いた事があったが、どんな機能か人に問う事にした。
「経験値は色々な経験を積むことで上がり、レベルは経験値がある程度たまると上がります。レベルが上がると死ににくくなります。」
「この世界はちょっと厳しくて、寿命を迎えて死ぬよりも魔物に襲われて死ぬ確率が高いんです。」
「しかも意思様は人間の男ですから、人間同士の戦いに巻き込まれて死ぬ確率が高いんです。」
「そこで私達は意思様かご自分の状態を常に確認できるように、私達が世界を管理する為に見ているのと同じ情報を見ることができるように、【ステータス】という加護を付けさせていただきました。」
「意思様は他者に加護を付けることはできますが、ご自身に付けることはできないご様子だったので、勝手ながら付けさせていただきました。」
大量の人の思が頭に響いた。
とりあえず我はミズと命名されているので、そのように呼ぶように伝えた後、【ステータス】を使おうとしたら、使えなかった。
まだしばらくほのぼの家族ライフです。