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みんなで綴る物語  作者: サラサ
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新生児期

まだ性別、種族不明です。

突然快適空間が狭くなった。

微かに圧迫されていたのが、急に全体を締め上げるように強くなってきた。

身体中に感じる初めての痛みから逃れるように脱出した。

薄明かりの中、「経験値を獲得」「レベル1になりました」と獣の”意”と人の”思”が伝わってきた。

どうやらずっと見守っていたようだ。

何かサポートできないか考えた末に、補助機能を付けたようだ。

他にも何かあるか考えていたら、突然苦しくなった。

周囲も騒がしくなり、いきなり足を捕まれ逆さにされ、背中を叩かれた。

ゴホっと羊水を吐き出し、あまりの事に声を出して泣き出してしまった。

どうやら胎内と違い、呼吸をしないと死んでしまうようだ。

周囲から安堵した雰囲気が伝わってきた。

改めて周囲を見渡して見てもぼんやりとした灯りと母らしき顔の輪郭しか見えなかった。

母体と切り離され、栄養補給できなくなったせいで、不安になり、また声を出して泣いてしまった。

不意に唇に当たった出っ張りを口に含んだ。

本能に従い、胎内で行っていた指しゃぶりの要領で吸ってみた。

暖かい水分を飲み込むと、栄養補給ができる事を理解した。


父母は狩人と呼ばれ集団で生活していた。

母は我を産んで次の日には狩猟の為に移動を開始していた。

出産で大分出血したのに、【体調回復】の加護がある為、多少貧血になっているだけで歩くことはできるようだ。

しかし、だんだん母乳の出がわるくなり、栄養補給もままならなくなるのは生死に関わるので困る。

そこでそっと抱かれる腕の中から加護を足した。

【貧血予防】【血液増産】

これで安心して母乳を飲むことができる。


...体がフワフワする。

母が酒を飲みすぎたようだ。

多少なら大丈夫なのに、大量に摂取されると母乳に混ざる量も増えて成長阻害になりかねない。

我は迷わす【飲酒制限】【喫煙制限】【不眠解消】と母乳の質と量を確保する為、加護を追加した。


母の体調を観察しつつ、聞こえる音の羅列から意味を推察する日々が続いた。

どうやら我はミズとよばれているようだった。

次回更新で性別・種族を記載したいと思います。

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