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みんなで綴る物語  作者: サラサ
35/73

年長期5

王都に着いた。

王都までの色々な経験で、レベルが8に上がっていた。


王都に一番近い第一宿場町からの街道は整備されているので快適だった。

王都とアイン町は直線ならすぐ隣だから近いのだが、険しい山々に囲まれた王都への街道は山肌をぐるっと回り込むので国の端から端に移動するようなものだった。

山にトンネルでも作るべきだろうか。

楽に行き来出来るようになると宿場町が廃れてしまう可能性があるから、高い通行税を取って人数を絞れば大丈夫かな。


色々考えていたら城まで連れていかれていた。

コクヨウ兄さんとムツキ姉さんは城に住むのでもいいかもしれないが、臣下になる身分の父や侍従長をしている母達は城に近い住居を用意して通うのだと思っていた。

昼夜交代で警備兵や侍従達がうろついている城に住むのは自由に動き回れないのでちょっと困る。

遮音や遮熱や遮光の結界を張れば大丈夫かな?

色々と対策を考えながら馬車から荷物を下ろしていると、父さんがやって来た。


「おお、無事に着いたか。心配はしていなかったが、久しぶりに顔が見れて嬉しいぞ。元気にしてるか?ゲンブも元気か?」

「今着いたとこだよ。僕もゲンブも元気だよ。父さんこそ元気だった?」


抱き締められて頭をグリグリ撫でられながらなんとか返事した。


「旦那様ー!」

「物凄く会いたかったよ。」

「もう一人寝は嫌です。」

「早く抱いてくださいまし。」

「ただいま戻りました。全員無事に連れて参りました。皆欲求不満で大変ですので、早急に対処願います。」


母達が父さんに抱きつきながら各々の欲求を話していた。

話を聞いていた父さんが、子供達がいるにも関わらず、ウマー母さんを抱き締めて接吻した。

すると、何がどうなったのか、父さんに接吻されただけなのにウマー母さんは地面にへたり込んでいた。

カーリー母さんもチャンディ母さんもパールバティ母さんも、みんな同じように接吻されただけでへたり込んでいた。


前に腰が砕けると言っていたのはこの事か???

まともに歩けなくなった母達を【ステータス】で見ても状態異常では無かった。

異常無いのに歩けない母達をどうやって運ぼうかと考えていたら、父さんがウマー母さんを横抱きに抱き上げて運んでいった。

キサラギ兄さんはチャンディ母さんを抱き上げて連れていった。

ウツキ兄さんはカーリー母さんを背負って連れていった。

我も母さんを背負おうとしたが、背が低いので母さんの足が地面についてしまって上手く背負えなかったので、ヤヨイ姉さんが代わりに運んでくれた。


父さんと兄姉達が母達四人を運んでいる間に、馬車の荷物を城に運ぶ事にした。

ムツキ姉さんはゲンブがいるので、先に部屋に案内されて行ってしまったので、我と三人娘とサツキ姉さんだけでせっせと運んでいたら、コクヨウ兄さんが手伝いに来た。

本当は父さんが手伝うはずだったのだろうけど、母達の相手をするのが先になってしまったようだ。


「ミズ、久しぶりだな、元気にしてたか?」

「大兄、久しぶり!皆元気だよ。それより、母さん達はどうしてああなったの?」

「ああ、あれな。まぁミズもそのうち分かると思うけど、父さんが凄いだけで普通は接吻しただけではああはならないから。」

「そうなんだ。どうやったらああなるのかな?」

「まあ、経験を積んだら出来るかもな。」


経験か、誰かと接吻したことはまだないな。

大人と認められる12歳までには経験してみたいと思いつつ荷物を城に運び入れた。


我が案内された部屋は個室で、作り付けの本棚がたくさんあった。

部屋続きの隣の小部屋には薬草棚と器具の置かれた棚と作業台があり、我専用の研究室のようだった。

他の兄姉達の部屋も気になって見に行ったら、筋トレ用の器具が部屋の隅に置かれているものの普通の広い部屋だった。

三人娘達の部屋は小さな客室だった。

今日はここに宿泊して、明日からは学校の女子寮にお世話になるそうだ。

コノハナとサクヤの父親が王都に建てたのは商館だけらしく、しばらくここで仕事をするので貸家を借りたようだが、父親と一緒に住むのはやはり気まずいということだろうか。

イワナガの両親は王都に家を建てたそうだが、血の繋がらない弟妹とその母達も一緒なので、当然女子寮なのだろう。

荷物はほとんど女子寮に送ってあるので、持ってきた着替えだけ整理していた。

これから洗濯するそうなので、我は自室に戻り明日から通う学校の準備をしつつ、我専用の作業部屋で薬草棚の中身の確認と実験用の器具の確認をした。

薬草や薬種を細かく砕く為の薬研(やげん)は、硬い木でできており、薬研は形が船形で内側の窪みに薬種を入れ、軸のついた円盤状の道具で押し砕くようになっている。

薬を調合する為の乳鉢乳棒は陶器でてきており、合成したり煮沸したりするためのものはガラスや金属でできたものがあった。

他にも、魔の研究をする為の色々な鉱石や実験動物であるネズミや鳥やウサギまで置かれていた。

我は早速道中で貯まってしまった魔力を帯びた水晶を使い、昼間でもうす暗い部屋の明かりをともせないか実験することにした。

獣人の国にあった明かりは発光ダイオードとか言っていたが、作り方が分からないので洞窟等にある光水晶が作れないか色々試してみることにした。


...何をどうしてそうなったのか分からない。

気がつけば、我の回りを不思議生物が飛んでいた。

我は今は人間だから、創造する力はないはずだった。

ステータスで多少生物を変質させることは可能だが、この世界にいない生物は作れない。

絶滅した動植物の再生は今いる動植物の遺伝子を書きかえれば簡単にできるが、構造からして違うこの謎の生物は作れない。

くるくると我の回りを飛び回る光る生物は、大人の親指位の大きさで、姿は人間に似ているが、光でできたキラキラ光る羽を生やしていた。

とりあえず話しかけてみた。


「こんにちは。」

『※※※※※』


なんらかの意思はあるようだが、何を言っているのか分からないので、【ステータス】で見てみたところ、いくつか判明した。


・光精霊(新種)

・レベル1

・光の波長を操作する能力有

・他のエネルギーを光に変換する能力有

・光を他のエネルギーに変換する能力有

・光と水晶と高濃度の魔力と創造主の意思により誕生


我の創造の力は制限されているが、媒体と変換するエネルギーと意思があれば創造可能らしい。

明かりをともしたい一心で明かりを操る生命を創造してしまったようだ。


『こんにちは。こちらの意思は分かりますか?』

『※※※※※』

『分かるようなら我の手のひらで止まって。』


我の回りをくるくると回っていた光精霊は我の手のひらに来るとちょこんと座った。

どうやらこちらの意思は分かるらしい。

生まれたてなので、念話する力が弱いのかもしれない。

レベルを5に書き換えてみた。


『コンニチハ。ソウゾウシュサマ。キコエマスカ?』

『ああ、やっと聞こえたよ。初めまして、我は創造主ではあるが、今は人間のミナツキという。光精霊は名はあるかい?』

『ワタシニ ナハ アリマセン。ソウゾウシュサマガ ヨビタイヨウニ ヨンデクダサイ』

『そうか、では始祖精霊オプトと呼ぼう。』

『ハイ イマカラ ワタシハ オプトデス。』

『オプト、早速だがこの部屋を明るく照らしてくれ。』

『ハイ、ソウゾウシュサマ』

『それから我の事はミズと呼んでくれ。』

『ハイ、ミズサマ。』


オプトのおかげで部屋が明るくなった。

主寝室である隣の部屋にも明かりが欲しいので、二部屋明るくできないか聞いてみたら、オプトが分裂して更に小さいオプトもどきが生まれた。

小さいオプトもどきは簡単な意思しか持たず、『光』で明かりを点け、『闇』で明かりを消すことしかできないようだった。

【ステータス】で見ると、オプトと全く同じ状態だが、書き換えは不可だった。


『この光精霊は成長すれば話すようになるのか?』

『イイエ ミズサマ。コノコハ セイチョウ シナイノデ コノママデス。』

『ワタシガ セイチョウシテカラ ウミダセバ ハナシノデキル セイレイガ ウマレマス。』


成長すれば話せる精霊を産み出せるならと、またレベルを書き換えた。

レベル50にしたところ、親指程度の大きさだったのが、我の母位に大きくなっていた。


『これでどうだ?』

『はい、ミズ様。これなら無限に分霊することが出来ます。意思の持たない子から先程の私の様な精霊まで産み出せます。どうなさいますか?』

『さっきのオプト位の精霊が見たい。』

『畏まりました。』


オプトが先程よりも強烈に輝きだし、一体の小さなオプトもどきが生まれた。


『コンニチハ。アナタガ ソウゾウシュ?』

『初めまして。ミズと呼んでくれ。』

『ミズ、ヨロシク。』

『これ、創造主様を呼び捨てにしてはいけません。ミズ様と呼びなさい。ミズ様、申し訳ありません。』

『ゴメンナサイ ミズサマ コレデイイ?』


オプトから別れた小、極小の光精霊は我の回りをくるくると回っていた。

そろそろ夕飯時なのだが、これらをどうするか悩んでいたら、光の波長を変えて不可視にできるとのことだったので、呼ぶまで消えていてもらうことにした。


久しぶりに家族全員での食事は楽しかった。

我の母は普段通りだったが、他三人がまだ少しフラフラしているのが気になったが、とても機嫌が良さそうだった。

夕食の後で母に弟か妹ができるかもと言われたので見てみたが、特に妊娠してはいなかった。

我が母に告げるとまだ分かるわけないでしょと笑われた。

【ステータス】で見たのに分からないとは、昼間のことといい、納得できないことばかりだ。

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