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みんなで綴る物語  作者: サラサ
33/73

年長期3

風邪を引いてしまい体調不良の為、執筆中断していました。

まだ体調不良なので少しペースが落ちます。

第四宿場町に着く前に色々あったせいで、自炊する時間もないので、高級宿に泊まることにした。


高級だけあって部屋にお風呂が付いていた。

風呂に入りたい時は、水の張ってある浴槽に焼いた石を放り込んで使うようだった。

すぐにお風呂に入りたかったので、水の温度を書き換えようと風呂場に行ったら、イワナガが魔力操作で適温まで上げていた。


部屋割りは、キサラギ兄さんとウツキ兄さんと我で一部屋、ムツキ姉さんとゲンブとウマー母さんで一部屋、ヤヨイ姉さんとサツキ姉さんとカーリー母さんとチャンディ母さんで一部屋、我の母と三人娘で一部屋にしたのだが、各部屋のお風呂の準備をしてくれているらしい。


「ありがとう。自分達の部屋のお風呂の準備は終わってるの?」

「ええ、お母様がすでに入っています。」

「そっか、じゃあ出るまで暇だね。何かゲームでもする?」

「そうですね。コノハナもサクヤもそろそろ戻って来るでしょうし、私達の部屋でゲームでもしましょうか。」

「分かった。じやあ中兄と小兄に先にお風呂に入ってって言ってくる」

「はい、では私は部屋で準備をしていますね。」


我は汗を拭いて、着替えだけ済ませて三人娘の部屋に行った。


「お邪魔しまーす。何のゲームする?」

「「「いらっしゃい!」」」

「順番にお風呂に抜けるから早く終わるのがいいかな?」

「それではカードで魔人抜きしましょう。」

「いいよー。」

「賛成ー。」


魔人抜きは、順繰りに各自のカードを抜き抜かせ、同位のカードが二枚揃う毎に捨てていき、最後まで魔人カードを持っていたものの負けという簡単なゲームだ。


「ただゲームするだけじゃつまらないから、負けたら罰もつけましょう。」

「えー。どんな罰にするの?」

「わー。面白そう!」

「賛成ー。」


気が乗らないのは我だけだった。

結局、負けたらおかずを一品提供することになった。

途中、交代で母が参加したのだが、母は強かった。

我がお風呂の順番で呼ばれて抜けている間もずっと一番に抜けていたそうだ。


高級宿だけあって夕飯も豪華だった。

ゲームに負けた我と三人娘達は、母に一品づつおかずを提供した。

我は魚が苦手なので魚の塩焼きを、イワナガは何かの煮凝りを、コノハナは煮物を、サクヤは漬物を提供していた。

皆嫌いなものを食べてもらおうとしている気がする。

勝たなくて良かった。


食後にもう一勝負してみたが、やはり母には勝てなかった。

【ステータス】を使えばカードの柄位分かるかと思ったのに、分かるのは素材だった。

...使えない。


朝になった。

今日は朝食の支度をしなくても良いので、早起きしなくてもいいのだが、日が昇るとどうも寝ていられない。

のんびり朝の鍛練をしていたら、兄姉もやって来た。


「おはよう!ミズ、相変わらず早いな。」

「おはよう、中兄。今日も稽古つけてね。」

「ミズちゃん!、今日は私の番だよ?」


うっかり忘れていた。

今日はヤヨイ姉さんとの打ち合いだった。

ヤヨイ姉さんとサツキ姉さんは手加減するから余り稽古にならない。

一番厳しく強いのはムツキ姉さんなのだが、今はゲンブの夜泣きで睡眠不足だろうからお願いしていない。

次に強いキサラギ兄さんとの稽古が良いのだが、我の相手は兄姉が順番を作って勝手に決められてしまった。

王都に着くまでの約束なので、王都に着いたらムツキ姉さんかキサラギ兄さんか母に相手をお願いするつもりだ。

軽く汗をかく程度の打ち合いで終了し、朝風呂に入ってから朝食を食べに行った。

朝は色々な料理が並んでいるテーブルから、好きなものを選んで食べる形式だった。

我が肉ばかり選んでいたら、母に野菜も取りなさいと皿に盛られてしまった。

まあ、魚じゃなければ大丈夫なので、美味しく頂いた。


ゆっくりできた第四宿場町を出発した。

第三宿場町へ向かう街道はここから暫く山道になるらしい。

魔物に変化してしまった動物達は、大概山に逃げ込んで棲息しているので、山道は注意深く進まなければならない。

暫く進むと、山道の中間位で魔物の群れに出会った。

我らより先に出発していた数人の旅人が襲われた直後のようだった。

無惨に引き裂かれた死体の腸を数匹の魔物が食べていた。

食事中の魔物は襲ってこない。

十分な量の死体があるので、こちらに向かってくる魔物はいなかった。

このまま通りすぎることもできるのだが、放置するとまた被害が出るので、魔物は見つけたら皆殺しが我が家の教訓だった。


元は可愛い兎だっただろう魔物と元は猫だっただろう魔物と元は犬だっただろう魔物達を駆除していった。

全滅させた後で、旅人の死体と一緒に焼こうとしたら、一体の首のない旅人の死体が動き出した。


「やばい!魔屍になるぞ!」

「えぇ?近くに魔人でもいるの?全滅させたのに?」


キサラギ兄さんの言葉が信じられず、質問した。

どうやら旅人の中に妊婦がいたようで、胎児が魔人化したらしい。

旅人達の死の恐怖や痛みの負のエネルギーの大量の濃い魔力を、母体を通して取り込んでしまったようだ。

母体が死亡しているので、自分が生き残る為に母体を生ける屍にしたようだった。

かわいそうだが、母体が死んでいる以上まともに育つことは出来ないので、下腹部を切り裂いて焼いた。

母達も兄姉達も躊躇していたので、我が殺した。

後味の悪いモヤモヤとした気分になった。

このモヤモヤが魔力なので、魔力を使って他の魔物と旅人の死体に火をつけた。


第三宿場町に着いた。

途中死亡していた旅人達の事を役人に報告して、自炊の出来る宿に向かった。

ここでも普通にお風呂を作り、ご飯を作った。

我はまだ昼間の件でモヤモヤしていて、魔力がすぐ貯まってしまうので、水晶を手放せなかった。

回りに撒き散らすと、どこかで魔物が生まれてしまいそうなので、何かあれば水晶に蓄積することにしていた。


「うわー。大分貯まったねー。こちらもお願いー。」

「ミナツキは魔力が大きいよね!」

「感情豊かなのですね。あまり気にしない方が良いですよ?昼間のようなことは良くありますし、きちんと終わらせてあげる方が優しいと思います。」

「気遣い有り難う。もう少ししたら、復活するからそれまで放っておいて。」


それだけ言うと我は部屋に戻ってベットに潜り込んだ。

死体は【ステータス】で書き換えて生き返らせることは出来ない。

胎児は【ステータス】で書き換えれば助けられたはず。

でも父も母もいない赤ちゃんは遅かれ早かれ死ぬしかない。

一人前の年齢まで一気に書き換えることも出来るが、それをしても中身は人生経験のない赤ちゃんのままだから、やはり長生きできない。

我はどうすれば良かったのだろうか。

モヤモヤが晴れる気がしなかった。


「ミズちゃん、今いいかしら?」

「母さん...僕は何も出来ない役立たずだね。誰も救うことが出来なかった。」

「ミズちゃんはお母さんの子と思えないくらい、とーっても良い子よ。強くて優しくて気配り上手なとーっても良い子。」


抱き締められ、頭を優しく撫でられていたら少し落ち着いた。

母は偉大だ。


「ありがとう。母さん。もう大丈夫だよ。」

「ミズちゃんはいつもしっかりしすぎてて、お母さんらしいことをさせてもらえないから、こういうチャンスは逃せません。」


更にぎゅっと抱き締められた。

いつの間にか姉達もやって来ていて皆で我を抱き締めたり、頭を撫で回していた。

部屋の隅では兄達が暖かい目で我を見ていた。

三人娘達も参加したそうに側に来てはいたのだが、母と姉達に包囲されている我に近づけずにいた。


「イワナガちゃんもコノハナちゃんもサクヤちゃんもおいで、一緒に撫でましょ!」

「「「いいんですか♪」」」


結局、三人娘にも兄達にも母達にも撫で回され、揉みくちゃにされた。

元気がでてきたら、お腹が空いた。

皆、我が回復するのを待っていてまだ夕飯を食べていなかったので、大分遅い夕飯になってしまった。


我はこの家族に生まれて本当に良かった。

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