年中期7
午後の授業を開始した。
午後は普通にこの世界の物理現象について学んだ。
細かい調整ができれば、物理現象に干渉することができそうだ。
試しに体を浮かせてみた。
無事に浮いたので、今度は浮いたまま前後左右に移動してみた。
『お見事です。さすがはミズ様です。科学を学べば水を生成したり、炎を生成したりもできそうですね。』
『ほう、それも興味深い。科学が学べれば料理の旨味の解析に役立ちそうだ。』
明日は科学を学ぶことにして、今日の授業は終了した。
コクヨウ兄さんが帰ってきた。
早速ムツキ姉さんとの事を聞いてみた。
「大兄、ムツキ姉が好きなの?」
「突然何を言うんだ?ムツキは普通に好きだぞ。ミズも好きだぞ?」
「そうじゃなくて、赤ちゃんできるくらい好きなの?」
「???何を言って...まさか!」
「ムツキ姉、赤ちゃんできたらしいよ」
「なんでミズが知っているんだ!?」
「教会経由で先生から聞いた。」
「...そうか。」
コクヨウ兄さんは何か考え込んでいた。
次の日、コクヨウ兄さんが公務で出掛けた後、先生が来た。
午前は科学について色々と学んだ。
午後には実践できるか試行錯誤した。
結論から言うと、原子や電子を見ることができないので、【ステータス】での改変が難しい。
浮遊は自分にかかる重力の方向を変えることで可能だったのだが、見えないものを見えるようできないと難しい。
この部屋の空間を部屋として見れば、学んだ科学物質の含有量が見えるから、空気の清浄位なら可能だった。
あとはコップ一杯分位の水なら取れるかも?
その後に酸素がなくなって酸欠になるかもしれないけど。
炎はまだ無理そうだった。
とりあえず、毎日色々と挑戦してみる事にした。
木片の温度を変えることで燃やすことができた。
他にも物質の分解なら簡単にできた。
数日科学の勉強をして、料理から旨味の成分の分離に成功した。
グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムという。
これからの料理に使ってみるつもりだ。
さらに数日後、大事件がおこった。
治療に応じない教会を王都から排除すると通達があり、この国は神人を神とする宗教を起こした。
馬鹿なことを。
この国はもう滅亡しかない。
コクヨウ兄さんを連れて逃げる事にした。
夜中にそっと窓から兄さんを支えながら飛んだ。
そのまま世闇に紛れて教会の屋根に降りた。
非常識なことをしているのに、兄はあまり驚くこともなく、我に従っていた。
屋根裏部屋の窓からそっと中に入り、先生と合流した。
「こちらです。明日の朝には教会に兵が入ってきて司教を拘束するでしょう。その前に皆で脱出します。」
「お世話になります。よろしくお願いします。」
「先生、急ごう!」
秘密の部屋の入り口は神獣の像の裏にあった。
中に入ると自動で明かりが点いた。
司教と先生と兄と我の四人で一杯になる程度の狭い部屋だった。
急に浮遊感があった。
部屋自体が動いていた。
しばらくすると扉が開いて外に出た。
...そこは獣人の国だった。




