年少期3
我の両親は名の知られた人物のようだ。
色々聞かれても知らないことは答えられない。
しばらくすると先生が来た。
授業は読み書きからだった。
読むのも書くのも母達からだいぶ教わっていた。
しかし、読むことはできても書くのが難しい。
筆を上手く持てない上、細かく動かす繊細さも力も足りなかった。
しばらく上達するまで書き取りばかりになりそうだ。
「お前の字、下手すぎて読めないじゃん。」
「ミッキーはまだ小さいから仕方ないよ。」
両隣にいた二人から書き方のコツを教わりながら、だいぶましになってきた。
「ミナツキ君は手の力を上げる訓練からにしようか。文字は読めるようだから、午前中は手の訓練、午後は辞書引きで分からない言葉をどんどん引いてみてごらん。」
渡された小さな玉を2つ片手で持ち、手の中でクルクル回す・・・できなかった。
できるようになるまで毎日午前中は訓練することになった。
お昼ご飯を食べに一旦家に戻り、午後から辞書引きをつづけた。
子供向けの辞書だったので、午後の時間で全部読んでしまった。
先生は驚いていたが、明日は違う辞書を用意してくれるそうだ。
しかし字もそうだが、我は少し貧弱なのではないだろうか?
今日から逆立ちの練習をして、筋力アップすることにした。
壁に足をつける形で逆立ちをして、右手を少し外す。
バランスを崩す前にすぐ戻し、今度は左手を外す。
交互にやっていき100回できたところで終了した。
しばらく休んでいた剣の練習も再開した。
軽い木剣から重たい木刀に持ち変えてみたが、まだ力不足で振り上げるのも下げるのも難しかった。
フラフラになりながらも100回のノルマをこなして倒れた。
やはり重すぎたかな。
「158経験値獲得」
「次のレベルまで138です。」
久しぶりに人と獣の意思が頭に響いた。
「ミズ様、筋力を上げたいのでしたら【ステータス】で腕力の数値を上げてしまうのが早いですよ?スペシャルポイント使っていらっしゃらないようですし。」
...スペシャルポイントって初めて聞いた気がする。
さっそく自分を【ステータス】で見てみた。
色々見えるのを飛ばしていき最後の方に未振り100とあった。
これのことか。
変更したい項目を念じ、書き換えた。
...先程まで上手く扱えなかった木刀を振り回せるようになった。
やり過ぎたかも?
三歳児らしくない気がする。
まあ、英雄の息子らしいし、兄さん姉さん達は出来てたらしいから、問題ないかな。
明日はみんなびっくりするかな?少しワクワクした。