プハンタシアワールド1071〜洗濯機の使い方〜
美来がプハンタシアワールド1071の異空次元警備学校に入学してから二日目……
美来はあることを聞きにバムの部屋へ来た。
「バム!」
「うわっ!? 美来ちゃん! ノックして……」
「ご、ごめん……それよりえっと、あれ? 何しに来たか忘れちゃった」
「えっ……美来ちゃん……」
美来は部屋から出て行き食堂で水を飲む。
「何でバムの部屋に行ったんだっけ?」
「ん? 美来どうしたのかな?」
向かいにカクランが座った。
肘をついてニコニコしながら美来を見ていてさすがの美来も引いていた。
「そう言えばカクランいつも同じ服……」
「へ? ぁあ、僕は破れた時用のストック何枚もあるしね」
「何がしたいの!? でも破れた時だけ?」
カクランは美来が何を聞きたいのかようやく理解し頬杖を止める。
「うん、今着てるのも昨日着てたものだよ」
「えっ!? 洗ってよ!?」
「洗ってるよ!! この世界の洗濯機は五分で洗浄から乾燥まで終わらせれるんだよ」
美来はそれを聞いて顔を赤くして固まった。
「み、美来? もしかして洗濯機使い方分からなくて……服洗ってないとか?」
「ふぇ!? えっと忘れちゃったかな?」
「美来……諦めろ、いくら忘れやすくても誤魔化せないよ」
カクランは美来を連れて美来の部屋の脱衣所へ行き洗濯機の操作の仕方を教えた。
「えっとはじめにこのボタン?」
「うっ……違う……」
何度確認しても美来が間違えるので紙に操作方法を分かりやすく書いて洗濯機の上の壁に貼り付けた。
「カクランありがとう……そう言えばお手洗いとかって?」
「……僕に聞くの!? 答えたくないな……しかも二日経って聞くのが凄いよ……」
「ん?」
「ん? って……トイレとかない理由は必要無いからで……全部エネルギーとして吸収されるんだよ、まぁ全て元をたどると想像源だから想像源の高い人ほど使えばよく食べる」
「えっ、でも女の子だと困ったり」
美来の質問にカクランはしゃがみこんで落ち込んでしまった。
「ううっ……僕が答える質問じゃないよ……大丈夫……この世界でそういうの起きないから……僕のこと絞め殺して……」
精神的苦痛に耐えかねている。
「じゃあ、洗濯機早速使ってみよ!」
美来はブラウスの上に来ていた上着を入れスカートを脱いで入れ下着に手をかけたところでカクランに止められた。
「やめろー!! 美来! 気を確かにして!? 僕いるんだけど! 女じゃなく男だからね!?」
「あ、ごめんなさい、忘れてた」
「忘れてたで済まされないところだったんだけど……」
カクランはこの世界をまだ知らない美来に関わってこの先も苦労しそうだと心が折れそうになった。