第四話 一人の時間
次の日、目覚ましを鳴らさずに眠りたいだけ眠り、完全に眠気が無くなった頃にはすでに十二時を過ぎていた。
寝過ぎて痛くなった身体をもぞもぞと動かして数秒……決心したのか、勢いよく布団をめくって起き上がる尚人。そのまま夜中に来ていたジャージに着替えて、身支度を調えてから財布を持って出かけた。
別に謹慎と言っても家から出るなとは言われていないし、自分の好きなことをしてもいいだろう。そう思いながら尚人は隣町のゲームセンターに自転車を走らせた。普段はもっと近くの大型アミューズメントパークに行くのだが、謹慎なのに遊んでいることがバレる可能性を考慮していつもとは別の所をした。入ってすぐにゲームセンターに来たら必ずやると決めているゲーム「スティール・ファイター」の筐体へ向かう。
さすがに平日の昼間とあって八台ある筐体の内二台しか埋まっておらず、その二つも大学生らしき人が暇つぶしにやっている感じが見られた。尚人も席に座ってICカードをかざしてプレイを始める。スティックを久しぶりに握り感触を確かめながら、ゲームを進めていく。
今思えば、こうやって一人でゲームセンターに来るのは久しぶりかも知れない。休日は紗夜といつも一緒にいるし、学校の帰りに寄ることもあるが殆ど柿崎やマサと一緒に来てワイワイ楽しくやるのが普通だった。
尚人自身、こうして一人で居る時間は嫌いではない。紗夜や柿崎達と居る時間も好きなのだが、何か考え事をしたいときや頭を空にして歩きたい時などは基本的に一人でいるようにする。紗夜達もそれがわかっているので、尚人が一人で外出している時や付き合いの悪い時などは無理に自分達に付き合わそうとはしない。
「たまには……いいな。一人の時間ってのも……あっ」
ポツリと呟いた時に気が抜けたのか、敵の攻撃を受けて自分のスーツがダウンする。慌てて救援要請を出すも、味方も敵に掛かりっきりでこちらに向かうことができず、そのままリスポーンになってしまった。一つため息をついて、再び敵に攻撃を仕掛けていく。
最近は高ランクに突入して、扱える武器やスーツも増えたが、それに比例して敵の攻撃も激しくなっている。ボーッとしていると物の数秒でダウンまで持って行かれるので、気が抜けなくなってきている。それでも、このゲームは楽しいのでしばらくやめる気はない。
それからさらに千円ほどプレイして、気分転換にプライスコーナーを見ていると入り口から見慣れた人物が入ってきた。
「おろ、尚人も来てたの?」
「お互い謹慎だっていうのに、出歩くなんて……考えることは一緒だな」
「謹慎中に出歩く学生二人……端から見たらまさに不良だな」
「おいおい……俺達は一般的に言う優等生だぜ?」
尚人の言葉に柿崎が吹き出し、二人はその場で大爆笑する。謹慎中にゲームセンターに出歩き、あまつさえその場で優等生ぶっても滑稽なだけに笑いが止まらない。
しばらく笑った後、そこから二人は普段はやらないレーシングゲームやエアホッケーなどして二時間ほど遊び、ゲームセンターを後にする。
すでに太陽は西に沈もうとして空を赤く染め上げ、道路には学校を終えた学生で溢れかえっている。
「ふ~、久しぶりに遊んだって感じだな」
「ゲーセンじゃ、いつも戦場の共鳴とスティール・ファイターの繰り返しだからな。ああやって他のゲームをやるのもたまにはいいな」
「ごく一般的な高校生ってか? 確かにあんなコアなゲームを……ん?」
二人が自転車を押しながら喋っていると、前に三人ほど栄高校の制服を着た男子生徒が二人を止めるように待っていた。三人とも違わず制服を着崩しており、二人は顔に絆創膏を貼っている。これらのことから尚人と柿崎は直感的に昨日のお礼参りだと悟る。
「へへへっ……やっと出てきてくれたぜ」
「昨日はよくもやってくれたな。借りはきっちり返させてもらうぜ?」
「ここじゃ人目がつくし、謹慎中のあんた達が外に出ているなんて所見つかったらまずいだろ?」
「そりゃご親切に……じゃあ、場所を変えるか?」
茶化した態度を取った不良達は二人を人気のない場所に移動させる。その道中、ニヤニヤとこっちを見たりして笑っていたが二人は全く気にしない。
そうして連れてこられてのは、工場の倉庫だった。鍵が壊れているのか、出入り口から堂々と入り、中央の広い場所に二人を移動させる。
「ここなら誰も気づかないぜ? 思う存分やれるって事だ」
「はぁ……柿崎、水持ってる?」
「ああ、ほらよ」
柿崎は鞄からペットボトルを取り出して、尚人に渡す。喧嘩を売られているというのに、尚人は悠長にペットボトルの中身を口へ運ぶ。
その余裕ぶった態度に不良達は頭に来た。
「てめぇ、この状況がわかってんのか!?」
「喧嘩売ってんだろ? いつでもどうぞ?」
「ざけんなぁ! この野郎ぉっ!!」
不良の一人が勢い任せにパンチを繰り出すが、尚人は含んでいた水を思いっきり不良の顔にぶちまける。
不意打ちを食らった不良は目に水が入ったことに構わずパンチを続けるが、当然狙いが外れる。大きくバランスを崩したところを尚人が足を引っかけて倒し、思いっきり股間を踏みつける。不良は悶絶した後、白目を向けて気を失う。
「言っておくけど、俺達はあんた達のように喧嘩慣れはしてないぜ。だけど、勝つためにどんなことでもする……昔から紗夜の関係でこういった荒事が多かったからな」
「俺も聞かされた時はびっくりしたぜ? こいつ中学の時に川上が乱暴されかかっている所に助けに行って、相手のことを昨日の北条より酷い状態にまで追い込んだって聞かされたからな」
昨日の北条より酷い状態……それを想像するのは難しくないのか、残った二人は冷や汗を浮かべて喉を鳴らす。
これが抑止力に繋がればと思うが、そう物事はうまくいくことはないと尚人は思う。現に二人はまだいつでも飛びかかれるような体勢を取っている。
「それが……どうしたってんだよ!! 俺らをナメんじゃねぇ!」
「だったらさっさと来いよ。こっちは早く帰りてぇんだよ」
「クソがぁッ!?」
二人同時に尚人へ飛びかかるが、横から柿崎が鋭い蹴りを見舞う。一人はそれを食らって悶絶し、もう一人はそのまま尚人に飛びかかるが持っていたペットボトルをまたも顔にぶつける。ぶつけられて怯んだ隙に下からすくい上げるようにアッパーをぶちかます。
もろに喰らった相手は昨日の北条と同じように鼻から大量の血を流し、倒れる。あまりの激痛にこれ以上喧嘩をすることはできないと手を二人の前にかざす。
「ふぅ……だったら最初から突っかかってくるな。俺達はあんた達と関わりたくないんだから」
「これに懲りたら、もう来んなよ?」
尚人と柿崎は三人をそのままにして倉庫を去り、再び帰路につく。その間尚人は殴った方の手をさすりながら、ため息をつく。
「痛てて……」
「あんな無茶な殴り方するからだろ? それに俺と違って慣れていないんだから精神的にも辛いだろ?」
「まぁ……な。やっぱああいう奴らを相手にする時は強気にいかねぇと舐められるからな……疲れるよ」
「俺は慣れてるからいいけど、あんま無理すんなよ」
さっき何も考えずに顔を殴ってしまったせいで少し痛めたようだ。顔は案外硬いから殴るのは控えていたけど……結局この二日間でかなりの数殴ってるもんな。
紗夜には言っていないが実は昨日北条を殴った際も右手を痛めている。今日はその右手を使わずに左手で殴ったのだが、結局殴り慣れていないせいで両方痛めた。
「やっぱ俺もお前みたいに何か格闘技やろうかな?」
「やめとけっと……川上から聞いているけど、あいつだってそこまでして守ってもらいたくないって言ってるんだろ? だったら、今まで通り勝つために何でもするっていう喧嘩の仕方でいいじゃん。俺達は面子を賭けて喧嘩するわけでもないからさ」
「そうだけどよ……」
手元にある物で勝つ……家に置いてあるある漫画の登場人物が言っていた事だが、実際はそんなになりふり構っていられない。一度中学時代に紗夜を助ける際手元に持っていた物はもちろん、そばにあった箒などで相手を完膚無きまで打ちのめした事があった。無論その事は学校中に知れ渡り、教師陣からも謹慎などは免れたが印象が最悪なことになり、同級生からはガッツのある奴とかと言われたがそれは一部で、大半は怒らせたら怖いというイメージを植え付けてしまい、殆ど近寄ってこなくなった。
元々群れるのがそこまで好きではなかったし、かといってぼっちでいられるほど心は強くない。幸い柿崎や紗夜達がいてくれたからよかったけど、やっぱり辛い時もあった。
だからこそ、大切な友人や想い人だけはどんな汚い手を使っても守ろうと思った。
「あんまり考えんな。喧嘩なんて年に数回するかどうかもわからないのに、そのやり方や面子の有る無しを考えるなんてばからしいぞ」
「……だな。お前ってこういう時は誰よりもしっかりしてるよな?」
「それが俺ってもんだ。さ、早く帰らねぇと嫁にどやされるぞ」
「紗夜は嫁じゃねぇって……」
そう言いながら、二人は再び帰路につく。途中で自分達の家に帰るために別れ、尚人は家に帰るなりため息をつく。
父も母もいないこの家に明かりが付いているのだ。犯人はもちろん……
「お帰り~」
「ただいまっと……勝手に鍵開けて入るなよ?」
「いいじゃん。勝手知ったるナオくんの家なんだから」
紗夜がソファに寝転がってテレビを見ながら家に置いてあったお菓子をつまんでいる。それ、とっておきだったのに……
制服の上着を抗議の意味を含めて紗夜の上に放り投げ、尚人もソファに座る。
「わぷっ、なにするかー」
「人の菓子を勝手に食った罰だ。それ、とっておきのクッキーだったのに……」
「ごめんごめん、おいしそうだったからつい……」
「部活で腹が減ってるんだろ? それに今日はこっちで食べるつもりで鍵まで使って入ったんだろ?」
「うん。私、お肉が食べたい~」
「肉か……なんかストックあったけな?」
冷蔵庫の中身を調べてみると、幸いにも豚肉のブロックが少々残っていた。他は調味料と加工品が少々、試しに作った手作りソースが大量に残っていた。野菜室の中は結構な種類の野菜がある。冷蔵庫を開けて数秒思案した後、豚肉と野菜に手作りソースを取り出して野菜を洗い始める。
「紗夜、俺がおかずを作るからご飯を炊いてくれ」
「断らぬ~」
「どっちつかずの返事だが、やってくれるんだな?」
「いいですとも~」
ソファに寝転がっていた紗夜がご飯を炊くために洗い物置き場に置いてあったジャーの釜を手に取るが……思い直して冷凍室からご飯を三つ取り出して茶碗に入れ、電子レンジで解凍し始めた。
「……おい」
「いいじゃん、今日はご飯炊かなくても。それともナオくんは女の子に手が荒れる水仕事をやらせるって言うの?」
「……じゃあ、そこの豚肉を厚切りにしてくれ」
「了解~」
意気揚々と包丁で豚肉のブロックを厚めに何枚も切っていく。その隣で尚人も野菜を切り始めていく。こうして二人が並んでキッチンに立つと、あたかも新婚の夫婦に見えなくもない。
あらかた野菜を切り終えたら、フライパンを熱し始める。紗夜も冷蔵庫からソースを取り出して切った豚肉を漬け込んでいく。この手作りソース、漫画に載っていたレシピを自分で再現した物で、単体を味見した限りではそれほど悪くはないと思う。
肉を漬け込んでいる間にキャベツ、ナス、ほうれん草を油代わりのマヨネーズと合わせ味噌と醤油で炒めていく。一通り火が通ったら大皿に移して、そのまま漬け込んだ肉を焼いていく。するとたちまちソースの匂いがキッチン中に充満して、胃袋が鳴る。
「結構いい匂いしてるね」
「さて、素材と合わせて初めて真価がわかるわけだが……正直不安しかない」
「大丈夫だよ。味見した限りじゃまずくはないし、ナオくん結構自炊してるじゃん。自信持って!」
「どうだかね……さ、できたぞ。ご飯の方は?」
「オッケーよ。茶碗に入れて完成!」
レンジで解凍したご飯を尚人の茶碗に二つ、自分の茶碗に一つ入れてテーブルの方に持って行く。尚人も肉を皿に盛りつけてテーブルに持って行き、席に着く。
「いただきま~す」
「おあがりよ。味は保障できんけどな」
「はむっ……ん~、おいしい! ナオくんの料理は久しぶりだから余計だ!」
紗夜が肉を一囓りして悶えながら褒める。とりあえずソースの出来はいいみたいで尚人も一口肉を囓ると、ソースの味と肉の旨味がうまくまとまっていると思い、ご飯を進めていく。野菜炒めも同様においしく、今回の料理は成功だったと安堵する。
「野菜炒めもおいしいね。でもこれって付け合わせにするつもりだったんでしょ?」
「気にすんな。うまく食えりゃなんでもいい」
「たしかにそうね。今日は学校中でナオくんと柿崎の話で持ちきりだったよ。みんな私に質問してくるから大変だったよ~」
「だろうな。あの類の話はすぐに広まる。お前の方は大丈夫だったのか?」
「うん。友達や先生達がよくしてくれたから何とか頑張れそう。ナオくんや柿崎達以外の男の人と話すのはまだ怖いけど……」
「そうか……」
紗夜はこういった荒事が起こった後には必ず長期の男性不信に駆られる。その間は中学の時から尚人と柿崎が二人で時間を掛けてケアしていき、ようやく治るものである。
どうした物かと思案するが、今考えることではないと割り切り、別の話を振る。
「そういや紗夜、今度の大会どうなんだ? もうすぐ最後の大会なんだろ?」
「う~ん……わかんない。調子はいいと思うけど、東海まで行けるかは組み合わせ次第かな?」
「弱気だな。もっと上昇志向を持って行こうぜ?」
「いいの。元々興味本位で始めた物だし、体型維持できればそれでいいと思ってるの」
「さよか。まぁ三年間よく続けられたな。俺だったら無理だわ」
「そんなことないじゃん。ナオくんだって中学の時は野球部で頑張っていたじゃん」
「あの頃はな。やっていてもよかったけど、紗夜と一緒にいる時間の方が楽しいってわかったからやめた」
「もう、そんなこと言っても何も出ないよ?」
しばらくは雑談を交えながらご飯を進めていき、二つの皿がほとんど空になりかけてきた頃に紗夜がふと切り出した。
「そういえばナオくん、何で出かけていたの?」
「ゲーセンに行ってたんだよ。謹慎って言っても内申に書かれないから実質休みみたいなものだしな。だから外出したのさ」
「それでも謹慎なんだから外出とか駄目だよ~。で、何で私より遅くなったわけ?」
「柿崎も同じ事考えて来ていたからな。二人で遊んでいたんだよ」
喧嘩したことを隠しながら今日していたことを話す。紗夜は鋭いので嘘をつくとすぐにばれる。だからあくまで今日あった事を話していく。
ゲーセンに行った事も柿崎と遊んだことも本当のことだ。俺は何も嘘を言っていない。ただ不要な事実を排除して紗夜に伝えているだけ。
そんな風に考えている尚人をジッと見据えながら紗夜はカマを掛けてみる。
「……ナオくん、今日も喧嘩したんでしょ?」
「ん? なんでそう思うんだ?」
「だって……左手、腫れてるよ?」
腫れていることを言われた時、尚人の目線が一瞬左手に行ったのを紗夜は見逃さず、喧嘩したことを確信する。
「やっぱり……北条達と連んでいる仲間と喧嘩したんでしょ?」
「これは昨日の喧嘩で腫れたんだよ。今日は特に―」
「ダウト。私が覚えている限り、昨日北条を殴ったのは右手でだけ、その前に使っていると思うけど昨日手当した時は右手しか腫れてなかったわ。それが今日になったら両手が腫れているっておかしくない?」
「……紗夜の鋭さにはいつも驚かされるよ」
両手を挙げて降参の意志を示し、今日あった本当のことを話していく。
「ゲーセンの帰りに北条の仲間に絡まれてよ。まぁその後はいつもの流れ……」
「もう、最初っからそういえばいいじゃん」
「言うと紗夜に心配かけるから。できる限りは言いたくない」
「……ナオくん、私のために黙るなら大間違いだよ。むしろ気を遣われる方が辛いよ……」
「……悪いな。だけど、女に無用な心配を掛けまいとするのが男ってもんだ」
「バ~カ、かっこつけて身体痛めている人がそんなこと言っても説得力ありませ~ん」
ケラケラと笑って紗夜は尚人をバカにし始めるが、尚人はそれを許してもらったと解釈し、甘んじてそれを受け入れる。
紗夜自身も今日何があったかいちいち報告されるのも面倒で、ただ自分が関わっていることに関してはしっかり報告してして欲しいという事でああいった慣れもしないカマかけをして来たんだろう。
そうして夕食も終わり、紗夜が洗い物をしている間、テレビを見ていると突如首筋に冷たい感触が走る。驚きながら振り向くと、紗夜は氷嚢を首筋に当てていた。
「ほら、左手冷やしなよ? 冷やしたら湿布も貼るんだよ?」
「できればもっと穏やかに渡して欲しかったけど……ありがとよ」
「無茶する人にはこれぐらいがちょうどいいのよ」
一緒に渡されたタオルに氷嚢を巻いて、左手の腫れている部分に当てる。熱を持っていたので氷嚢の冷たさが心地よくため息を吐く。
洗い物が終わった紗夜も隣に座ってテレビを見始める。特に何とも面白くはないバラエティ番組だったが、二人は何も言わずにそれを見続ける。
しばらくして、紗夜が目をテレビの方に向けたまま尚人に話しかける。
「……ねぇ、ナオくん?」
「ん?」
「こういう時間って、なんかいいね」
ポツリと紗夜が呟いて来たので頭をゆっくり撫でてやる。確かにこうやって二人でゆっくりする時間は意外に少ない。尚人はインドア派であるが、外に出ることも嫌いではないし、紗夜は元々活発な性格であるため、外に出ていることの方が多い。基本的に紗夜が尚人を誘ってそれに付いていくというパターンが多いので、このように二人が家でゆっくりすることは少ない。だから、紗夜はこんな事を呟いたのだ。
「……紗夜の髪って、いいな。撫でていると落ち着く」
「そりゃ毎日しっかり手入れしていますからね。好きなだけ撫でて……私もナオくんに撫でられるの好きだから」
なんてことないちょっとした幸せを二人で噛みしめながら過ごす夜はゆっくりと更けていった。