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僕のたび 第1章 -I go alone-   作者: 城間 奇成
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1部より 第5幕 「ほうふく」 

 それから医者は驚いた顔で僕を診察した。昨日あの畑の砦で怪我人が出ていいように待機していて物影に隠れながら袋だたきされている僕を見ていたからである。もう明らかにダメかと思っていたが診察してみるとかすり傷程度しかケガをしていなかった。しかし殴られ方が以上なのでいちよう入院していた。それから

「ハンマーで叩かれたのにこんなにケガをしていないなんて奇跡だ」

と奇跡だを何度も繰り返した。だが僕がペンダントをしていたからケガをせずにすんだと気付かなかった。

それと昨日は別動部隊が遺跡を攻撃していてそのおかげでトカゲ達が引き上げたという。

複数の奇跡で助かった。医者に言うとそうらしい。

 そして一通り診断して問題がないとわかるとそのまま退院した。治療費もなにも治療していないので取られなかった。ただ最後にコウが遺跡で発見してここに運ばれたがもう遅かったといわれた。

病院を出た僕は、村長の家に行くことにした。ラサを助けに行くため鞄を取りに行くわけだ。村長の家には、すぐ着き、ベルを鳴らした。

「えっ!本当に旅人さんかい?」

村長は、まるで久々家に来たように驚いた。当然だトカゲに殴られている所を見てその後倒れた僕を運んでくれたという。

僕は、村長に鞄を返してほしいと事象を話したが昨日の遠征と会合の結果、村のほとんどの男達でトカゲの巣を駆除することが決まりそれに参加してほしいといわれた。また、ラサも探すそうだ。僕は、

「はいわかりました。」

と受諾した。

そして正午頃借りている家に着いた。そこには、見知らぬ人がいて僕の服を干してくた。最初わけがわからないでいた。

「旅人さんお帰りなさい。」

見知らぬ人が僕に声をかけて来た。見覚えある前のこの家の住人だ。

「ごめんなさいね勝手に干しちゃて」

「えあ−ありがとうございます。」

僕は、どう理解すればいいのかわからないでいた。ただ僕の服を洗ってもらい干してくれたので感謝の気持ちを伝えた。

「いいのよ。昨日村のために戦ってくれたのだから」

「えぇまぁ」

本当に活躍したかどうかわからないが・・

「服は、昨日鬼が来る前に洗ったからもう乾いているけれど着る?」

今僕が着ている服は、借り物それにいつまでも借りているわけにはいかない。

「はい」

「そうわかった。じゃその服はあとで洗濯の所に置いといて洗っといてあげるから」

今着ている服まで頭が回らなかった。

「すみません。ありがとうごさいます。」

優しい人だとおもった。僕は、優しいおばさん言われたとおり始めに来た服に着替えた。今まで来ていた服は、綺麗に折り畳んで古い洗濯機の隣においといた。この村には、ずいしょに古く壊れな電化製品がある。自動井戸掘削汲み上げ機にソーラー電灯、そして洗濯機みな作られて何十年もしくは何百年するものばかりだ。本当に壊れないから買い替えや故障もしない。そのため作る会社も直す技術者が先にいなくなってしまった。まだ首都に伝統技術であるから問題がないというけど・・・

ぐっ〜、お腹がなった。病院で朝ごはんを食べたがコウのことを聞いてあまり食欲がわかなかった。家の中には、人が住んでいないから食べ物がない。とりあえずポケットにあった残りわずかな保存食を食べた。一緒に洗われていたがたべた。借り物に服にしまっていた財布とナイフを身にまとい、ラサ探しする村の集合場所へ出掛けた。それから僕は、2度とこの家に戻ることはなかった。

村長に言われたとおり集合場所、祭の広場につくとたくさんの武装した男達がいた。

「村人よ。今こそ報復の時だ」

舞台の上に村長が声高らかにさけんだ。

「今まで鬼によって多くの被害が出た−」

男達が黙って村長を見る。

「現に昨日鬼によって畑が燃やされ、とうとう非難場所である学校にも攻めて来た。我々

はこれを押し切った。だがこのままでいいのだろうか?そんなはずない!そうだろ!!」

「そうだ−」誰かが叫ぶ。

「先日に決めたとおりここに集まった義勇軍を組織し鬼らを駆除するぞ!いくぞー!!」

「オォォ−−−−ッ!!!!」

広場にいた男達が一斉にいった。僕は、その声の圧力に潰されそうになった。そして、声が止み

「進軍!開始!!」

その声に合わせて班ごと遺跡に進軍を始めた。

 周りを見回すかぎり、義勇軍というが村のハタチを越える男、よぼよぼのおじいちゃんや意気込んでいる若者と立つことが出来ない一部を除く全員が集まっていた。僕は、どこの班に入ればいいのかと迷っていると見知らぬおじさんが

「旅人さん、旅人さんあんたは、10班に入れ、そこのほうがいいぞ」

といわれたので村長のいる10班に入ることになった。

ラサは、遺跡にいるのだろうかもしかしたらこの辺の森で隠れているか最悪まだ戦っているのだろうか。焦りと不安が入り乱れながら僕は、遺跡に目指した。

遺跡に着くまで前に来たときと変わりはなかった。まるで前日の鬼の行進がないぐらい。

まるでラサと初めて遺跡に行くかの如く・・・

キューキュー

聞こえる。何かの泣き声、聞き覚えのある声・・・

タッタッ、ザクッ

男が森にはいり泣き声のするほうへ走って行き何かを刺した。トカゲの子供だ。

周りを見回しても仲間の気配がしない。

「危ないところでした。このまま放置していたら何しでかすかわかりませんからね」

隣にいた村長がいった。刺されたトカゲはひっくり返って動かなかった。

「ここが戦場か」

「何かいいました?」

「いえ何も」

僕は、軽く会釈した。

遺跡に着いた。黒い煙が見える。トカゲが焚火でもしているのだろうか?でも火を使うのかな・・・

ヒャーダンッダンッ、発行信号赤二つ

「戦闘信号だ。総員戦闘用意!トカゲ達が来るぞ!」

まだ後方の10班では敵が見当たらないが先頭にいる1班が戦闘を始めたらしい。

「旅人さん昨日は、何体も倒したらいしが油断はするなよ」

「ハイッ」

「よし進軍開始!!」

人間とトカゲの全面戦争が始まった。敵の数は聞いていないからわからない。だがここまで来て逃げるわけにも行かない。倒し続けるのみだ。ラサにまた会うために

ナイフを鞘からだし振り回し続ける。敵は、前回同様防水具というものを付けてない。

当たりさえすれば倒せた。

敵は、予想外奇襲を受け一斉にビルへと逃げ出した。思わず僕それを逃さないばかりに追い掛けた。ビルの中に入り階段を駆け上がる。ひどく肉が腐るニオイがする。鼻が曲がる思いだ。部屋からうめき声ががするのでその部屋を覗いた。薄暗い部屋に怪我をして横たわっているトカゲ達だ。どれもが立つことも出来ないらしい。

「しまった」

周りに村の仲間がいない。ビルの中まで単独で来てしまったらしい。トカゲが僕の存在に気付き一層にうめきはじめた。このままでいたら敵が集まる。しかし幸にも一人も立てないようだ。今の僕なら行ける。行くしかない行け、

 一体づつ確実にナイフで指していった。

我に帰ったとき、最後の一匹が命ごいをしていた。ナイフは赤い血でべっとりしていた。その時なぜか血でナイフの切れ味が悪いだろうなと思った。刺すとそれが致命的な攻撃になったのか死んでしまった。そして思い出した。あのトカゲは、昨日畑で殺したはずの一人だと、なぜなら傷が同じだった。

「ふぅ制圧完了と」

何となくどこかの映画で聞いたことがあるフレーズを言ってみた。虚しさだけがのこった。

「早くラサを探さないと」

ここには用がない。部屋を出ると小ぶりのトカゲがいた。トカゲは、僕に目もくれず部屋にはいっていった。手に比較的きれいな布をもっていたのでおそらく看護士かなと ギャース、ギャース、なかに入ったトカゲが叫びはじめた。もしかしたら顔染みりでもいたかな

「やばい!!」

ダダダッザクッ、ギャー、トカゲの声が弱まっていく。

最後に殺した怪我したトカゲに重なるように倒れた。

「ハァハァハァ危ない危ないこのまま泣かれていたら仲間がごまんと来るところだ。殺してよかった・・・」

殺した?倒した?どっちだ?待てよここのトカゲ達は、怪我をしていたから戦えないよな。それを僕はどうした。もしこれが人間だったら間違えなく僕は・・・でもここは、人ではなくトカゲだからでだからこれは、でもやっていいのか?僕は軍人ではないからたとえ軍法に違反でもかからない。だからといって今した行為は・・・気にしちゃダメだ。今は、ラサを助けないと

僕は、小ぶりのトカゲが持ってきた布でナイフの血糊を拭き取り鞘にしまった。

 あの二人のトカゲの関係は、今ではわからない。後でラサを見つけてからトカゲ達のお墓を作ろう。そう思って僕は、ビルから出ることにした。

出る途中小型なトカゲが襲いかかってきた。ほとんどが子供のように弱く難無く倒すことが出来た。

外に出ると状況が一変した。トカゲの主力体に押されていた。あの女トカゲが人から奪った剣を振り回しながら次々と人間を切りそれに賛同する形でトカゲ達が辛うじて人間から奪った武器を持ち反撃していた。魔物が人間の武器をもつという予想外な戦いをしいたげられることになった。まるで人と人の戦いのように しかし村側が押されていることは確かだ。ここまで来たのに逃げるわけには行かない。

またナイフを持ち直して敵陣に突っ込んだ。それと同時に村人も陣形を組み直し反撃した。例え動きが早く攻撃が強くなったとしても使い慣れてない武器を使うことは、難しい。そのため動きが大きく隙がでかい。それを見逃さないように

ザクッと切り倒した。またトカゲを倒し拭いたばかりの剣が赤く染まった。

「くたばれ−ッ!!」

見えるかぎりの最後のトカゲを倒した。あの女トカゲが見当たらない。逃げた?

「オーイ旅人さ〜ん」

振り向くとそこには、村長がいた。

「いや君強いね〜後ろから指揮をしてから本当に強いよ。まるで鬼人のような働きだよ」

僕は、額に大粒の汗をかいていた。

「運が良かっただけです」

「そんな運だけじゃないよ。現に君は、生き残れだから」

「えっ?」

「2班が壊滅したよ。あそこは、最初にトカゲ本隊に奇襲されたからね。生き残ったのは、9人中2人だけだ。その二人も腕を骨折した上に武器を奪われたらしい。だから村にいったん帰った。」

「二人だけですか?もし武器を持てない二人が森で伏兵にあったら・・」

「彼等はもう戦えない。ここにいるだけ邪魔になるだけだよ。だから村に帰ってもらった。」

村長が冷たくいった。

「ところでラサは?」

「わからない。ここの鬼の領域を制圧しないかぎり探しようがない。」

「・・・・」

「まぁ君のおかげで大分片付いた。でもそれも長くは持たないかもな」

村長が遠くを見た。奥の遺跡から数え切れないぐらいの女トカゲを筆頭にこちらに向かっている。

「まだこんなにいたとは・・・」

「どうします?」

「ここまで来て尻尾を降って逃げられるかい?私は、戻ってもう一度陣を敷く旅人さんは、少しでも時間を稼いでくれ数は多いがさっきの精鋭とは違う。頼んだ」

村長は、後方に下がった。いくら弱いといえ数が多い昨日の悪夢がよみがえる。昨日は、ぎりぎりて引き上げたが今日はそんなことはない。だから今度ばかりは・・

「弱気になっちゃダメだ。」

自分に言い聞かせる。目の前に多くのトカゲが集まる。周りの村人も陣を形成するために引き始めた。戦場ただ一人の越されている状態だ。しかし今だからこそ出来る技がある。

敵の第一陣が目の前まで来た。

「スゥー舞え乱風!!」

声に合わせて胸のペンダントが光り、そして強風が起き地面の石や砂が舞始めた。ただなにもないところでやればただ強い風が吹くだけだが床に石や岩があればそれは凶器になる。しかもその凶器は、舞上げるときとそれが落ちるとの2回攻撃することができ、砂を巻き上げることで相手の視界を塞いだ。

強風でトカゲ達は身構え前進することが出来なかった。

「焼き尽くせ爆風来ッ!!」

指で土埃を指しながら叫ぶと胸のペンダントがさらに明るく光った。バーンッ、しばらくして50メートル先で砂埃をさらに巻き上げる爆発が起きた。

砂埃のせいで見えなくなる。足音が聞こえない。進攻は止まったようだ。肉が焼けたニオイがする。一昨日食べたトカゲ焼きのニオイがした。やな感じだ。これで進攻も止まると思い。村長のいる陣に向かうことにした。しかし後ろから複数の足音がする。トカゲ達はここまでは何がなんでも引き下がれないらしい。

「やむ得ないか・・」

体の向きを反転して再びあのフレーズを唱えた。

「焼き尽くせ爆風来ッ!!」

一度消えかけたペンダントがまた明るく光始めた。そしてまた爆風がおきた。爆発の勢いは、まるでダイナマイトでもほうり込んだ勢いがある。

これで引いてくれたらもう殺さなくてすむんだけどなふとそんなことを考えた。しかし現実はそう簡単なものではない。現にまた足音が聞こえて来た。それも数え切れないくらいのしかし諦めるわけにはいかない。また戦わないと村人に被害が出る。だが実は、魔法を使うといくらか体力を消費する。はとんどのエネルギー胸のペンダントから消費されるがその起動するためにいくらかのエネルギーを必要とする。むろん魔法が巨大になればなるほど求められるエネルギーが大きくなる。爆発系では、一度に数キロを走るくらいの体力が必要となる。命を取られることはないのだが体力がないと使いたくとも使えないことが多い。

もって後一回くらいだろうか?

ゾクッ、寒気がした。まるで蛇に睨まれた蛙のような・・・あの気配は、鬼!

ドーンダーン、大地が揺れた。上空で爆発し砂埃を吹き飛ばした。急に明るくなり視界が開けた。魔法じゃない。工学兵器だ!!

視界が開けて行き遠くまで敵が見渡せるようになった。しかし近すぎる!敵まで2、30メートルきっていた。魔法を使いすぎて走って逃げたりこれ以上使えない。

”もうだめだ”

そう思ったとき急に後ろの衿を掴まれてうしろに投げ飛ばされた。

「良く持ちこたえた。おまえはもう下がれ」

村人だ。準備がととのい反撃に出た後ろから次々に僕を追い抜いて戦闘を始めた。もう戦うほど体力がない僕は、一旦ここから引くことにした。だが目の前戦争から逃げてていいのだろうか?またラサに笑われる気がした。僕は、そんなどうでもいいプライドのためにしまっていたナイフを鞘からだし戦場へ駆け出した。自分の行為が正しいと思いながら 昼頃戦場が休戦状態になった。トカゲ達が急に撤退を始めたからだ。しかしトカゲにここ以外に住家はない。また、他のところへ行くこともない。今までに何度も逃げ出したくなるようなことを人間がしていたからだ。人間の見よう見真似で始めた畑をトカゲ嫌いな人間が燃やしたり、子供達を殺したり食べたり・・・

と村長が教えてくれた。敵のことだからおそらく体制を整える間昼休みらしい。

その間僕は、ナイフをまた戦えるように研いだり村の人から配布された食事を食べた。

トカゲが畑を耕したなんて驚きだった。しかし村が多くの水を使いすぎてしまった結果、この遺跡周辺には、水が出なくなった。そのためしばしば食料を奪いに来るそうだ。

もうこの村についてから何体のトカゲを殺したのだろうか?あまりにも殺しすぎて感性が麻痺していた。現に血をたくさん見てもどうってことないし、相手が武器がないからと手加減もしない。しまいには、疲れたので少し寝ることにした。

もし僕が本当の戦場だったらそんなことさえも考えなくなった。


・・・イツマデネテイル?・・・

誰の声?前に聞いたことがあるようなないような?でもここは、なんか温かいな

パチッ、目が覚めた。

遺跡の日が当たるとこり雑草が生えているところで目が覚めた。

「旅人さんは、気配で目が覚めるか」

聞いたことがあるでも夢の声とは全然違う。

かなり上の態度で話していた。確かこの人は、畑の頂上の砦で指揮をしていた。

「参謀さん?」

「名前は違うがまぁ覚えていたようだな。どうせ名前を教えたところでもう会うことはないだろう。旅人に話がある。すぐに支度してこい」

「はい」

胸のペンダントの光がゆっくりと消えた。僕にはそのことに気付かなかったがさっきの戦いの疲れが消えていることに気付いた。

支度しろといわれたが別に支度することもないのですぐに追いかけて声をかけた。参謀も始めすぐに来たので驚いていたが翌々考えてみると別旅用の荷物持っていなかったことを考えると早いわけではなかった。

「話って何ですか?」

参謀は、少し考えて

「これから行う作戦に参加してもらいたい。」

「ラサの探索ですか?」

参謀は、目付きを鋭くして冷たく言った。

「いや、まだだ。ラサの捜索よりもまずトカゲをこの遺跡から追い出すことのほうが先決だ。」

「何故です。まだどこかに生きて助けを求めているかもしれないのに」

「どこに?それに生きている保証は一体どこにある?そんな不確定なものに人を割いていたらトカゲに反撃され村全体が危険な目に会うかもしれないんだぞ!」

「しかし」

「じゃ貴様一人で探せ!!」

「落ち着け 」

村長が見る見兼ねて来た。

「今ここで旅人さんという重要な戦力を失うことは惜しい」

「はぁっ何を言ってんだ戦いたくない人をここに入れても邪魔になるだけだ!」

「戦場ならね。しかしここは、弱肉強食だ。少しでも早く勝ちそれから探すべきだ。」

「さっきからいってるだろ!」

「そんなことより凶がここまで来ているらしい。」

「どうしてそんなことがわかる」

「敵の動きがさっきからおかしい。指揮が急に上がっている。」

事態がかわったらしい。

「キョウって何ですか?」

「トカゲの固体名だ。トカゲのなかで特別変異をお越し周りに比べて人並みの知識を持ってる。しかしやっと出て来たか。」

「じゃ話し合いは出来ないんですか?」

「何を甘いことを言っているんだ!」

「昔に彼に畑と火の使い方を教えたことがある。しかし誰かがふざけて畑を潰したことを気に完全に人間の敵だ。もうどちらかがいなくなるまで戦い続ける。話し合いなんて余地はない」

「そうですか」

「そこでだ。君に凶の討伐をお願いしたい。」

村長がとんでもないことを言い出した。あまり内容を聞いていない周りにいた人もどよめいた。

「正気か貴様は!!」

「君には、このまま私の隊で戦ってもらいたい」

大声ではなす参謀に比べ村長は冷静に続けた。

「旅人にいきなり強敵を頼むのか?昨日今日に来たやつに!」

「旅人さんは、2日前に来たよ。そうだよね旅人さん?」

「えぇまぁはい」

「日付の問題じゃない。旅人にそんな大役を勤まるのかと聞きたい」

「勿論一人でやれとは頼んでない。3個小隊出来るのであれば5個小隊ほしい」

「そんなこと聞いていないぞ!」

「伝えようと思って探したからな」

「開始時刻は?」

「昼食休憩が終わり次第に凶の捜索し見つけ次第除去だ」

「次から先に伝えてほしいものだ」

「探していたら時間が遅れる。実行していいな?」

「しかたない。決行だ!」

その言葉を合図に慌ただしくなった。

僕あることが気になり村長に尋ねた。何故トカゲと戦争をしているのにのんびり昼休みがあるのかとすると村長は

「ここにいるみんなは、軍人じゃないからだよ」

と笑顔で答えた。

「早く終わればその後ラサを探せるからね」

「はいっ!」

そして僕は、村長から作戦について説明された。だがその作戦は名ばかりで凶が見つかるまでトカゲを倒し続けるというものだ。

のんびりしていたら周りをトカゲが囲まれた。そしてジャスト1時戦闘が始まった。あたかも時間を合わせたように戦争が始まった。敵は、乱れのない動きをした。おそらく女トカゲがこの近くにいるのか?

それから1時間ぐらい僕は、落ちついて敵を倒し続けた。戦闘はこちらが優位だ。トカゲ達が逃げ出したからだ。いくらトカゲの動きがよくとも武器を持つ人に勝つことができずに次々に逃げ出した。

戦いも終わりに近ずいていた。

「やっと終わった〜」

思わずそんなことを口から漏らした。

「いや、まだだ。凶と蘭がまだ倒してない。」

 隣で一緒に戦った狩人が言った。

「ラン?」

「あの女トカゲだよ。蘭の花が好きだったから蘭、もう一匹は凶暴だから凶」

「二人を倒すまでこの戦争は、続きますか?」

「戦争か・・・そうかもしれないな。今まで害獸駆除しかおもってなかったからさ」

「害獸ですか・・・」

「あぉあいつは、害獸だよ。農作物を奪いここの遺跡を占領しているな。だからさ」

「わかりました」

蘭と凶を倒さないとラサを探せことが出来ないことがわかった。だが僕は、蘭に会いたくはなかった。前に会って敵とは思わないからだ。

こちら側は昨日襲撃にあい、相手は午前に襲撃にあった。そしてお互いのほうふくが始まった。

戦闘が始まった。戦闘が激しくなるにつれて僕は、前線から離れた。怖いから離れたわけではない。昨日後先を考えずに戦った結果力尽きたのでまた同じことを繰り替えさないためだ。しかしやみくもに離れていてはまわりで戦っている大人達に悪いので戦場の周りにいる小数の遊撃部隊を叩いた。敵はさほど強くはない。しかし凶には一抹の不安があった。

敵は、僕に会うたびに怯えたようだ。中には逃げるものさえいた。だが僕に怯えているわけではなく思わない方角から攻められ驚いているようだ。それとなにかに心配してそれが気にかかっているように見えた。

戦闘が始まってしばらくしてまわりが静かになった。どうやら本当に戦場から離れてしまった。本当の戦争だったら戦争逃亡で死刑かもしれない。そんなことを思い出したら急に背筋が凍えて来た。なにか戦果を出せば別かもしれないが、とりあえず来た通を戻ることが先決だ。

「キュー」

トカゲの子供がなく声、放置していたら仲間を呼ばれ大変なことになる。

比較的に新しい小さなビルにちょこんとこちらを見ていた。こちらが気付いたことに気付き首を引っ込めた。するとそのビルから別の子供トカゲが足元までやって来た。僕は、ナイフを鞘から出せない。

「キュー、キュー」

子供トカゲは、必死に僕の腕を引っ張りなにかを言いたそうだった。子供トカゲ力は以外に強くそのままビルの中へ連れ込まれた。ビルの前に入ったビルに比べ綺麗に掃除され病院のように清潔だった。

また子供トカゲは沢山いて僕をもの珍しそうに見ていたが大人は全くいなかった。

僕は、成すがままに階段上がって日の当たる部屋に連れられた。そこの部屋にはまだ小柄な二つ足で立つ大トカゲがいて僕を部屋に入れずに威嚇をした。子供トカゲはそれに目もくれず布団の上で座っているトカゲになにか話した。

「そこの人を入れさせなさい。」

聞き覚えがあるがラサではない。

若い大トカゲは不安な顔で反対したが布団に座っていたトカゲがなにか「あったらお願いね」と言い。部屋にはいれた。

そこには前に会った女トカゲが布団の上に座っていた。

「門番さん。外の状況を教えてちょうだい」

その声には以前会ったときと明らかに違った。

門番が女トカゲに近づき耳元になにか囁き、女トカゲが礼を言うと部屋から出ていった。

「あなたは、ただ部隊から離れて道に迷ってようね。だから私を殺すために探して来たわけではない。そうでしょう?」

一瞬女トカゲを殺すかためらった。

「はい」

だが例え殺したところでまわりの門番に勝てる自信はない。現状維持が賢明か・・・

「トカゲは話せるのか?」

 唐突に聞いたので女トカゲが驚いたが、落ち着いた声で

「少しだけ、旅人さんには聞こえないかもしれないけど」

「話せたのか」

 トカゲ達がここまで進化していたのに驚いた。

「よく私がここにいると気付いたわね。それと門番と戦いもせずにどうやって?」

「・・・・・・」

なんて答えればいいんだ?子トカゲに連れられてとは言っても信じてくれないだろう。

「キュー」

後ろからすごい期待された眼差しで子トカゲがみていた。

「こいつに連れられた。」

僕は、仕方がないのでつれて着た子トカゲを指で指した。

「なるほど・・・何となく察しが着いた。」

「?」

「私はね。実はもう歳なのよ。多分このままでは明日にはもう」

「えっなぜ、だって前に会ったときあんなに元気だったのに」

「あの時は、あのときで結構大変だったのよ、ゲッホゲッホ、仕方がないことよ。こればかりは、誰にも止められないから」

「どうして」

「・・・・・・」

暫くの沈黙が流れた。

「歳なんだよ。認めたくないけどさ」

小さく淡々としかし、力がこもっている口調で言った。

「本当なの?」

「嘘言ってなんになるのよ。まぁ人が信じるとは思わないけどさ」

「前に会った時と・・・・」

「時計さっ体のね。生き物はみんな時間が違うんだよ。私の場合トカゲと人間のごちゃまぜだけどトカゲよりの体だから旅人さんみたいに長生きできないんだよ」

言っていることが難しくすぐには理解できないが何が言いたいのかは理解できた。

「だとしてなんで僕がここに呼ばれたですか?」

「う〜ん。おそらくあの子トカゲが君を連れてくれば助かると思ったんだろ、あの強が生まれた時、人間の医者に助けられて無事に産まれたからね。だから、こいつは、誰か人を呼べば私を助けてくれると思ったんだろ」

 蘭は、僕をここまで呼んだ子トカゲを指で差した。

「凶?」

凶の名前を聞いて僕は、凶と蘭を倒さないといけないことを思い出した。

「私の弟さ強いから強、でも最近は、人間にとって凶器だから凶と呼ばれているけどね。」

「・・・・・」

凶は、前に強と呼ばれていたことがわかった。

「ねぁ、旅人さん?」

「はいっ」

蘭の声が前に会ったと気のように変わった。

「強には、もう会った?」

「いいえ、まだ・・・」

「そうならひとつお願いしていい?」

「僕ができることなら」

 僕はとんでもない事を言ってしまった。敵であるトカゲに約束をしようとしたのだから

「じゃあ、もし強に会うことができたら逃げるように伝えてくれない?そうすれば人間の戦いは終わるは」

「えっ?」

「今日は動けない私のために戦おうとしている。だけど、私は長く生きれないから強だけでも逃げて生き延びてほしいの私の願いといえばわかってもらえる。」

 口調が変わっていた。今までトカゲたちを束ねている女性から弟思いの優しい女性に変わっていた。

「でも僕が言って信じる?人のことを信じないと思うけど・・・」

「わかってる。だからこれを持って行って」

 蘭は、首につけていた。ペンダントを僕に渡した。それは、古くくすんでいたが、かすかに小さな蘭が描かれていた。

「これを見れば強も信じてくれるでしょう。」

「そんな・・・」

「私が人間だったらお互いにこんな思いなんてしなくてすんだかもしれないのにね」

 欄の声がしだいに弱くなった。このわずかな時間にものすごく年をとっていった。目もしだいに虚ろな感じだ。

「欄さん、大丈夫?」

「凶、これから強になって・私たち・を導いて・・・旅人さん・・・・おねがい」

 ランは、次第に僕の声が届かなくなっていた。

「ランさんっ!!」

西日が窓から入る。逆行で眩しくなったとき、手が差し出ないと見れなくなったとき蘭は静かに息を引き取った。目の前でトカゲが寿命で死んだ。

「ギャース、ギャース」

「ギャーー」

 部屋の多くの子トカゲが入り込んできた。このままここにいると自分の危険を感じたので僕は、すぐに建物を出ることにした。

急いで建物を出たとき、部屋は静かに静まり返っていた。

これから僕がすることは、凶が人と戦闘をする前に探して、事情を話して逃げてもらう。それが自分を信頼して蘭が頼んだのだから・・・

しかし、探す手間はすぐに省けた。凶が、仲間を連れてビル一棟はなれたところにいた。

「なぜ、人間がここいる?誰がここまで連れてこさせた?蘭をどうした!!」

最後にすごい威圧を感じた。

「君を探していたら、たまたまここに辿りついた。そして、蘭から君へ伝言を頼まれた。」

「ギャース、ランガ・シンダ」

 後ろの建物からトカゲが叫んだ。瞬間的に何かまずい感じがした。あきらかに勘違いされる表現、僕は、蘭の約束を果たせないかもしれない。

「奴を生かして帰すな!!」

周りにいた仲間が一斉に襲い出した。敵に囲まれているにもかかわらず僕は、逃げるか凶に蘭のことを伝えるか迷っていた。

呑気なことを考えているなそんな気がした。

シュッ、敵のハンマーをかわしたが髪に少しかすった。

決心した。僕は、後ろに飛び、すぐに反転し逃げ時折振り向きざまにナイフで風を斬った。このまま話しても伝わらないだろうから逃げて村の人達に合流してから凶が一人になってから蘭の伝言を伝えることにした。

しかし、一つ問題が出た。敵の動きが思っていたより多く動きに統率がとれていたことだ。このままに逃げ切れるか不安になった。前みたいにばてたらまず助かる自信がない。

裏路地に入り敵を撒こうとしたが土地勘のない僕にとって不可能だ。いづれ先回りされ囲まれることが目に見えていた。

だとしても僕は、逃げ続けた。蘭の約束を守るために!

ドンッダーン!、出合い頭に誰かにぶつかった。

「名無三!」

思わず目をつぶった。もう先を読まれた上に囲まれた。どうしよう。

「大丈夫か?!」

運よくぶつかったのは、村人だ。

「えぇ、それより凶が出ました。」

「何だって!本当かい?」

「はいっ今その凶の親衛隊に・・・」

「ところで君は、凶にあったことが今までにあるのか?」

そういえば、今まで聞いたことがあるけどあったことがないのにすぐに凶だとわかった。どうしてっ!!

ドン!ドスッ、足元に鋭利な槍があった。

「ボサッとするな敵を考え事は後でやれ、」

「すみません・・」

トカゲ達が次々に目の前に集結していた。

「二人でこの数を相手にするのは無理そうだな。一旦引き上げるぞ。」

「はい」

僕と村人は、仲間のところまで逃げ体勢を立て直すことにした。

「戦闘は、どうなりましたか?」

「急に敵がいなくなったから残党狩りだ。人数確認したらおまえさんがいないからみんなで手分けして探したんだ。あのビルを右に曲がるぞ」

「はい」

「次はこっちだ。」

「ハァはハァハァ」

「何とか撒いたようだな。でおまえさんはなにか敵の動きを掴めたのか?」

 村人は、全然息を切らしていないのに対し僕は、かなり息を切らしていた。

「ハァハァえぇ蘭に会いました。」

「本当か?で倒せたのか?」

「会ったんですがその時はもう寿命で・・・」

 ピュー−−、誰かの口笛がビルの合間を駆け抜けた。

トカゲが、目の前で吹いた。

「やばい!集まってくる。逃げるぞ!」

僕は、すかさずトカゲに走り寄り首元を切り倒した。

「ハァハァハァ・・・」

「早く行くぞ。この道を行けば仲間に合流出来るぞ」

村人は、僕の腕を引っ張って走った。

「君は、トカゲを殺すときに躊躇しているみたいだね。」

「・・・そうかもしれません。」

走りながら答えたがその答えに偽りはなかった。

「そうなら逃げろ!それが君の答えだ。自分に嘘をつくな」

「・・・・・!」

僕は、走るのをやめた。

「どうした?仲間は、目の前だぞ。ここにいたらトカゲと戦うことになるぞ」

「僕は、蘭との約束があるから凶に会いに行きます。」

その言葉に村人の顔が歪んだ。

「はぁ?おまえ何を言い出すんだよ。凶に会ったとして何が変わるんだよ。今行ったとしても凶の親衛隊に殺されるのがオチだぞ」

「いえ。行きます。今行けばこの戦闘を終わらせます。」

僕には、蘭のペンダントを凶に見せればこの戦争を終わらせる自信があった。そしてラサにあえると自信があった。

「私は、例え旅人さんを行かせたとしてなにかあったら俺に責任が取れないしこれが後悔になる。」

「自分に偽りを持つなといったのは、あなたです。」

「だとしてもいくな。私は、旅人さんに戦ってほしくないから言ったわけでだって逃亡者だろ」

「はい。戦いたくないから徴兵から逃げました。もし戦争を僕が戦争をやめられるのならば、それを実行するためです。」

「なら行け!!」

村人は、熱くなりついにいってはいけないことを言ってしまった。それから人型のトカゲを斬ることはなかった。

そして僕は、凶に会うために来た道を戻った。


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