1部より 第4幕 「トカゲの涙」
ドン、ドン、ドン何かをたたいている音がする。
目が覚めた。見たことない天井が見える。
「暖かい・・・」
布団の中にいることがわかった。ここはどこ?昨日丘の上で倒れて・・・・それからどうやって・・・
しだいに目が覚めて頭が冴えていく・・・・時計を見ると短針が7時を指していてとっくに日が昇っていた。
ドンドンドン、何かが近づいてくる。何かがわかる。動かないとでも頭が痛い・・・
ガタン、部屋のドアが開いた。
「起きないと」小声で言った。
グワン空を待った様な気がした。
ドス、床に落ちた。ベッドの片方を持ち上げられ、転げ落ちた。
「いたたた」
「早く起きろ、この変態」
昨日と同じ気がする。ただ今日は、ラサが怒っていること
「昨日何かしたっけ?」
ラサの目が鋭くなり、ベッドの反対に周り思いっきり足を回した。
ガッツ、勢いよくけられた。
「いたい」
「思い出した。」
「昨日お酒を飲んで倒れたことて運んでもらったこと?」
「それもよ。他に!」
キスされたことかな?それとも他に・・・
「え〜とー」
ラサの顔が見る見る赤くなり、そして
「この変態がーーーー」
ガッツーン右ストレートが僕の左頬に炸裂した。昨日トカゲに食らったどんな技より強い。
意識が・・・遠のいていく・・・
「ねるなーー」
続いて左ストレート、完全に目が覚めた。
「あー痛い」
昨日の記憶が少し飛んだ。
「行くよ!」
「どこへ?」
「そこまでぼけていると、本当に殺すよ」
「は、はい」
死の恐怖を感じた。とりあえずついて行くことにした。服は、昨日のまま寝てしまい、よれよれだけど仕方がない。父さんからもらったナイフを腰に差してか歩く髪を整えてた。
「早くして」
ラサにせかされたので細かいところを直さないで一緒に家を出た。今日ラサは、本当に機嫌が悪いみたいだ。
村の来るとき来た、入り口につれられた。多くの人がいた。
「この村には、どれくらいの人がいるの?」
「ざっと300人ほどよ」
「ふ〜ん」
僕の村では、80人ほどだからこの村は、僕の村の3倍以上となるわけだがその300人全員がここに集まったきがした。昨日の祭りでは、暗くて遠くまで見えなかったが今日、晴れて見晴らしがいいからか多く見える。やはり15以上20以下の男を見付けられなかった。
車が来た。軍用車・・・徴兵徴集用の
僕は、車が嫌いだ。村に車はなく自家用車という言葉がないそもそも村には燃料がない。たまに物資を運びに来るが、たいていは、徴兵のために来ることが多い。来るたびに人が減っていく・・・だから車は嫌いだ。それに排ガスもくさいから乗りたくもない。これが本当に徴兵をやめた原因かもしれない・・・・
「今日の主役のお出ましだーー」
誰かが叫んだ。みんなが見るほうを見るとコウがいた。軍服を身にまとい、畏怖堂々としながらこちらに車に近づいていく。そして、車に乗る寸前みんなのほうに向きを変えた。
「私、村上幸樹は、名前のとおり幸せの樹になるべく戦場に行き村の恥にならないように戦ってきます。みなさん今までありがとうございました。絶対に戻ってきます。」
車に乗るとすぐに車は、戦場へと走り去っていった。
「かっこよかった。」
ラサは、惚れ惚れしていた。
「そうかな?」
戦場に行き事を拒んだ僕は、戦場に行く行為がかっこいのかどおうか判らないでいた。
「戦場に行かない人には、わからないよ」
冷たい目でこちらを見た。視線がいたい。
「さぁ、これから狩りに行くよ」
「今から?まだ朝ごはん食べてないけど」
「働かざるもの食うべからず」
「だけど・・・」
「だけどもこうのない」
「あっ、かばん返して」
「かばん?」
「昨日村に来たとき持っていたかばん」
「あーああれね」
「返して」
かばんが帰ってくれば、記憶が戻りそうだし、何より食料もあり、朝ごはんが食べられる。
「ダメ」
「なんで」
「かばんを返したら今にもこの村から出ていちゃうでしょう?」
「出で行かないから」
「やだ」
「じゃ村長に頼んで」
「無理だよ。かばんの件は、私に一任されているから私が持っているよ。」
「そんな・・・」
「ハイ、狩りにいくいく」
僕は、ラサに連れられて、昨日行った、遺跡にまた入ることになった。
しかし遺跡では、トカゲすら見つけることが出来ず、何も収穫がないまま村に帰ることになった。
「はぁ−疲れた。」
「何で昨日は、沢山いたのに今日にかぎっていないのよ−」
その後おそめの朝食をラサが食べさせてくれた。あのトカゲの干物だったが・・・・
御飯が食べ終わり一段落するとラサがまた遺跡に行こうと言い出した。断ろうとしたが、かばんを返さないと言うので行くことにした。
「コウ戦場で頑張っているかな〜」
「見送って2時間しかしていないから車だと思うよ。」と言いそうになったがラサの機嫌を損なうと思い言わないようにした。
また、遺跡へ目指した。
「今度こそ探してやる。」
後何回この道を通るのだろう・・・
「リュウキ聞いてるー」
「えっ?」
「ほら聞いてない。せっかく子に村でご飯食べさしてあげているのだからしっかり働いてね」
「わかってる」
ラサは、狩りに意欲的だが僕は、人間になりそこなったようなトカゲそれも子供を殺すなどしたくなかった・・・
「見て誰かが来た」
ラサが指をさしたところに人が怪我をしているのかおぼつかない足取りで村に向かっていた。
「怪我してるね」
「そうだね」
見てすぐ怪我をしていることがわかった。
「どうすって」
ラサは、僕が聞く前に向かっていた。だが僕は、助けに行くことにためらった。軍服を着ていたからだ。
「大丈夫ですか〜?」
ラサは、相手のことをお構いなしに近づき助けようとした。
助けるべきか、それとも軍人から逃げるべきか・・・
「リュウキー早く来て」
見捨てるなんて出来ない。僕も倒れている人のところへ走った。
「どうしんですか」
どこかで見たことのある顔だった。
「まもの、魔物が襲ったんだ。」
「まもの?どんな」
「見た事がねぇあんな鬼みたいな獰猛な・・・」
「ほかの仲間は、」
「わからねぇ俺は、新兵を運んでいただけなのに」
「新兵って」
「すぐそこの村のだ」
僕たちがいた村をさした。
「・・・コウキ・・もしかしてその新兵は、幸樹じゃないでしょうね」
ラサが軍人の胸ぐらをつかんだ。
「落ち着いて、相手はけが人だよ」
「そうだ確か名前がそうだ」
「・・・・・・・」
「とりあえず町まで行こう。怪我しているみたいだし」
「うそだ・・・ありえない」
僕は、軍人さんを村まで運ぶために腕を僕の肩に乗せ連れて行くことにした。
「魔物が多かった。単に出くわしたんじゃないおそらく村の畑だ。ほっとけないからここに来たんだがな。」
「なぜそこまでして?」
「やつらは、車にぶつかって車を倒したてそのまま俺たちを無視していきやがった。そんときは、新兵も元気だったんだけどな」
「じゃいつどこで別れたんですか?それにこんな怪我を」
「その後、鬼は来た道に村に向かっていることがわかったから走ってむらにもどることに、新兵のおかげで鬼より早く村にもどれそうだった、しかし今度は、変なトカゲに囲まれて」
「じゃ早く村に戻らないとラサ、村に戻ろう」
「・・・・・・・・」
「ラサさん!」
「・・・・・・・・」
「コウさんなら大丈夫だよ。トカゲなんかに・・・」
「早く行って」
「えっ?」
「鬼たちが来た」
遺跡で見たときより、3倍近い数で押し寄せてきた。
「あんな数無茶だ」
「早くこのことを村に知らせなさい!!」
「でも」
「解っているわよ!こんな数を相手しろなんて!!でもさここで止めないと村の準備が間に合わないからさ」
「・・・・・」
「早く行って!!」
「すぐ戻るから」
僕と軍人さんは、急いで村に戻ることにした。ラサは、僕たちが見えなくなるまで見守っていた。
「さーてやっと会えたね。久しぶり」
かばんから大きくない剣を取り、鞘を投げ、鬼なかへ走りこんだ。
僕は、出来るだけ早く歩いた。村まで20分もかからない距離だ。でもそれは、けが人を運んでないで一人で歩いてかかる・・・間に合うか・・・間に合え
ダーンッ、音がした。爆発もしくは花火みたいな、
「発光信号だ。急いで早く村に、うっ」
「大丈夫ですか?」
「あぁ、誰かが鬼の大群に気がついただろう。うちらの早く」
「はいっ」
「オーイ」
「ッ!」
人の声がした。声をしたほうを見ると狩人がいた。村のほうから聞こえたので村人だろう。
「鬼が近づいているが大丈夫だったか?」
村人が僕だとわかり来てくれた。
「えぇ、でもこの人が」
運んでいる軍人を見た。
「大丈夫か?」
「なんとかな、でも魔物が近づいてるあれは、何だ?」
「人食い鬼だ。最近収穫の時期だからそれを狙って村に下りてくる。とりあえずあんたを村へ運ぼう。」
「助かる。」
軍人さんが礼を言った。狩人さんは、僕より力があり、僕が運ぶより早く運べそうだ。「ラサさんがまだ遺跡にいるので向かいに行きます。」
「ラサちゃんがなんで一緒じゃなかったのかい?」
「足止めすると言って遺跡のほうへだから迎えに行きます。」
「何だって全くあの馬鹿は、思い上がって・・・」
「軍人さんをお願いします。」
「ヤッ待て」
「えっ?」
「今は、行くな。あぶないから」
「でも」
「でもじゃない。ラサちゃんのことだおそらく何か考えがあるのだろう。それに今行くと間違いなく死ぬぞ。」
「だとしても」
「いいやいくな。今村には、沢山子供がいる今は、その子供達のために村を助けてくれわかったな」
「・・・はい」
僕は、ラサを助けに行くことをやめ、いったん村の防衛の手伝いをした。
村では、男達の勇ましい声がした。
「子供達を早く学校へ」
「家財をまとめたらいったん学校へ」
「早くしろ
狩人にすすめられ僕も学校に行くことにした。小さな学校だがここだけ作りがしっかりしてまさに要塞にうってつけだ。
どこに行けばいいのかわからないので避難所の教室へ向かった。しかし避難所には、女性と子供しかいなくいずらい。またラサさんを置いて自分だけ安全なところにいるのも気が引ける。そこで村の防衛の指令部みたいな職員室ところヘいった。
ここに来たことはないが建物の作りが僕がいた村の学校と同じ作りになっていた。
そこでラサさんを助けに行きたいといったが案の定つまはじきされ校門の防衛に回された。
学校は、門一つしかなく周りをゆうに3メートルの高さのコンクリートで覆われていた。僕は、幼い頃からボールが外に行かないためだと聞いていたが防衛の要になることに気がついた。
ただ一つ気になることは、学校の門番が僕合わせて3人しかいないことだ。それが気になり門番に聞いてみると
「鬼は、たいてい畑に向かうからここを守る必要はあまりないけど万に一つがあるからね」
と笑ていた。
ダーン、ダーン、爆音がする。
「あれを見てごらん」
門番が指した。指すほうを見ると赤い煙が二つ見えた。
「一つ目は、適来襲だけどもう一つは、なんだ?」
横の人も「さぁ?」と首を降った。
遠くに鬼が見えた。数は、ゆうに50を越える。いつ見ても気色悪い。
「来ました!」
「えっ畑は、向こうだけど・・・なんじゃありゃあれは、鬼じゃない!」
横の人も慌ててみる。
「ホントだ。しかもみんなこちらを目指してるぞ」
「おいボウズ早く畑にいってみんなをこちらによこしてくれ」
「でも僕は、畑がどこにあるなんて知らないけど」
「あっちだよ。あの道を右に回って真っすぐ行けばある」
門番がさした。
「俺達は、早く本部に知らせてくる。早く行け」
「はっ、はい」
言われたとおり畑を目指し走った。道を曲がると鬼がいた。周り道している暇はない。
ナイフを鞘から出して突っ切った。
鬼は、前にあったときと同じで動きは大振りでかわしやすくナイフ、一回振るだけで十分に倒れていった。僕は、 鬼を倒すことが出来たが力の女性や子供だったら・・・考えたくなかった。だから倒した鬼には、目もくれず畑を目指した。
学校から離れるに連れて鬼に出くわさなくなった。今回攻めて来た魔物は、すべて学校を狙ったのだろうか?それとも・・・畑が見えた。
畑の回りを鉄条で囲んでいた。
「開けろ−大変だ−」
見張りが僕のことに気付き鉄条網のバリケードが少し開いた。僕は、その中に駆け込んだ。
「おいどうした。息を切らすほど走って?」
「ハァ、ハァ、鬼が学校のほうへ、ハァ、ハァ」
「何だって?」
「それは、本当か?」
「守り手が少ないので早く来て下さい。」
「いやちょっと待てあれは陽動かもしれない。今みんなで行けば今年も畑が壊滅するぞ!」
聞いたことのある声、幸樹のお父さんだ。
「だとしても行かないわけには行かないだろ」
「でも今年も畑がダメになったら」
「なんで食料を狙わない」
「家族が・・・」
「見ろ、学校のほうから救難信号」
学校から赤い煙を出しながら落ちる弾見たいのが見える。
「こいつの言っていることは正しいんだ。」
少し混乱状態になった。
“ピーっ、こちら学校司令部!鬼がこちらに向かっているすぐに支援を
ワッー“
学校からの救難信号とスピーカーの悲鳴に似た声だ。混乱した。
すぐにここを指揮している人が来た。たしか祭で村長と呼ばれていた人だ。
「全10班の内1から7班まで向かわせる。」
「そんなことしたらここの防衛が・・・」
「人がいて村が出来る。だからここを捨ててでもみんなを守れ。早く行動!」
命令が伝わるとすぐに人々に動き始めた。僕は、ここでラサのことを村長に言うべきか迷っていた。しかしその前に村に戻って鬼退治の手助けをすることに決めた。
村へ向かおうとするメンバーに僕が入っていると後ろからコウのお父さんの声が聞こえた。
「君は、いくな」
「なぜですか今村では」
「今は行くな。学校が戦場になるんだぞ」
「わかっています。でも」
「ところでラサちゃんは?いま学校?」
「ラサさんは今森の中です。」
「え?もしかして置いてきたの」
「けが人がいたから僕が運んでラサさんが足止めすると・・・」
パーン、左頬を叩かれた。痛い
「じゃまだラサは森で戦っているのか?」
「わかりません」
あの数の鬼だ。もしかしたら・・・
「バカ」
右頬に殴られ後ろにとんだ。
「痛い何するんですかー」
僕は、右頬をさすりながら立とうとした。
「おまえはよく女の子を一人にしてのこのこ帰れたな!」
「しかたがなかった」
「言い訳をするな」
殴られそうになり思わず目を伏せた。
しかし殴られなかった。別の人が助けてくれた。僕は、腰が力が抜けて立てなかった。
「ここで怒っても仕方がないだろ。今は、早く村に向かうべきだ。」
「そうだがな」
「怒ることは、後回しだ今は村に早く行くべきだ。」
「わかった。状況は?」
「1〜5班がもう向かった。うちら7班もすぐに出発するから早く来い」
「了解。おいおまえは、ここにいろわかったな!」
僕には、拒否権がない。
「わかりました」
小声で言うと聞こえたのかはわからないけど村に向かっていった。
「運が悪いな。おまえは、嘘でもつけば良かったのに」
誰かが慰めてくれた。声の主は、村長だ。さっきの声が違ったのですぐにはわからなかった。
「ラサは、気が強いからな一緒に担いでくれば良かったのに」
「・・・・・」
「鬼というのはトカゲではないのだろう?」
「はい」
「・・・そうか、それで」
僕は、言っている意味がわからなかったので村長の顔を見上げた。
「昔になその鬼に襲われたのだよ。それからラサが来た。そのことはラサに聞いただろ?」
「はい」
「そのことでラサは、責任を感じているのだよ。自分が鬼を呼んでしまったとだから鬼を退治したいと時々遺跡に入っては、救難信号だすんだよ。全くだ」
「だけどなんで僕を呼び止めたのですか?」
「・・・それは、多分昔ラサがいた村に弟がいてな、もし生きていたらおまえと同じ年だろう。その面影が重なった・・・これ以上は、よそう」
「えっ?」
「ラサは、あまり自分のことを話さない。もし本当に聞きたいなら自分で聞きなさい。」
「わかりました」
「あなたは西門、向こうのの防衛をお願いします。もしあなたがいう鬼が来たのなら教えてくださね。まぁあそこは、遺跡と村から離れているので安全ですが念のためです」
村長の顔が優しくなった。
「はい」
「私は本陣に戻ります。日が暮れたらおそらく鬼も帰るでしょうそれからラサを探しますか。ラサのことだから多分遺跡で隠れているから安全でしょう。」
言葉では優しいことを言っていたが実際に聞いていると今にも助けに行きたい気持ちでいっぱいであった。
それから日が落ちるまで西門の前にいた。とうとう鬼は畑まで来なかった。
ヒューッ、夕日になるにつれ風が吹いた。また季節が2月だから木枯らしかな?と思っていたら、後ろで慌ただしくなった。
振り向くと黒い煙が見えた。
「火事か?」
「火事だ−」
本陣が慌ただしくなる。
「一体誰が・・・」
本陣から一人駆け降りてく来た。
「大変だ。トカゲが西から畑に火を放ちやがった。消火を手伝ってくれ」
「わかりました」
畑に向かう直前後ろから気配がした。目の前にシルエット前に飛ぶ。
ガスッ、教えに来た男が倒れる。あいつはァ
「トガゲ」
トカゲは、僕を倒そうと斧を持ち上げた。すかさずナイフを鞘から出しながら近づきトカゲの腕を切り落とした。
「ハァハァ」
「ギャー−ス」
腕を切り落とされた、トカゲは、呻き声を上げながら騒ぎ出した。当然のことだ。腕を切り落とされたのだから・・・
「ギャー−」
トカゲは、怒りに任して歯を剥き出しにし噛み殺そうとした。
ザクッ・・・ガサッ、思わずナイフを持っている手を上げたとたんナイフの矛先がトカゲの喉を貫き脳にたっして絶命した。
「ハァハァ」
ナイフの刃が20センチを越えていて助かった。もしこれが剣だったら間に合わないし刃が短ければ致命的な攻撃にならず死んでいたかもしれない。
ガサッカサカサ、カサカサササ、カサカサ、複数の足音がする。この時期ここで育てているものは冬小麦!品種改良の結果冬の間しか育たない。そしてその冬小麦は、今1メートルに成長しトカゲたちは、腰を落し走り本陣を目指していた。
「トガゲだ−たくさん来ているゾー−」
本陣は、燃えている畑の消火で手が回らない。
「まずいな」
もしかしたらあの火災は、陽動かそれなら学校を目指したのは何だ?だがここで考えて
いても仕方がない。
ナイフを持ちながら僕は、本陣を目指すトカゲを追いかけた。今見えるだけでたくさんいる。みんな殺さないと行けないのか?
トカゲは、姿を隠すため畑を走るので早く走れないが畑の溝を走る僕は、容易に追い付くことが出来た。途中畑に入りトカゲに追い付きナイフで刺した。ガスッ倒れた。
思っていたより弱い。よく見ると大きさは、僕と同じくらいもしくは小さい。これが戦場に行っていたであろう自分に重なって見えた。
「ハァハァ・・・ここは戦場か?ハァハァ」
呼吸が落ち着かない。まだまだ敵がいる。
「急がないと大変なことにハァハァ・・くそぉ〜」
残りのトカゲを追い掛ける。
ザクッ、タッタタタ、ザクッ、もう何体倒しただろうか?ここが戦場なら英雄かもしれない。ガツッ、ナイフの切れ味が悪い。刃が先を見ると赤い血がべっとりついていた。
「刃を研がないといけないなぁ」
!、目の前に僕ぐらいの大きさのトカゲが倒れている。もしかしたら本当は、僕と同じ歳かもしれない。殺したんだ、殺す殺される弱肉強食だから仕方がない?相手は、ハンマーや金づちなどの鈍器それに対してこっちは刃・・・
「割り切れ!」
自分に言い聞かせても拭い切れない気持ち・・・
門には、多くのトカゲが一斉にバリケード破り攻めて来た。
「あれが本陣!?だとしたらこいつらは」
周りは、トカゲの血で赤く染める。
ヒュ、ドサッ、
「ここにもか!」
後ろからトカゲが飛び乗って来た。重さに耐え切られず倒れた。馬乗り状態にされ上に乗っているトカゲに首を閉められた。
「苦しい」
「キサマ・セイダ、キサマニコロサレタ」
苦しい助けて・・・
意識が遠のいていく見えるのは、トカゲの涙・・・泣いている?泣かれて当然のことをしたんだ。自然とナイフをもつ手に力がゆるむ・・・
「どうすればよかったんだろう?」
かろうじて声が出た。
「?」
首を絞めていた手がゆるむ。ゴホッゴホ、やっと息が出来て咳込んだ。
「ドウシテ」
シュッザクッ、急にトカゲが倒れた。僕は、起き上がり見るとトカゲは頭に矢が刺さっていた。
「泣いていたの?」
トカゲに話し掛けても返事がない。
「オーイ、大丈夫か立てるなら早く本陣へ」
さっき畑の火事を教えてくれた人だ。
「大丈夫ですか?」
「あぁさっきは、油断したがもう大丈夫だ」
頭にこぶが出来ていた。
「早く本陣へトカゲの野郎火で誘導しやがって、あいつらになんも得なんかないのにそんなことを後回しで早く」
「はいっ」
落ちていた僕のナイフをと利血を拭き取って鞘にしまい本陣へ向かった。
畑は、かなり緩やかな坂に作られていてその一番高いところに本陣が築かれていた。
「そろそろ頭を下げたほうがいいぞ」
「えっ?」
ピュ−
「頭を下げろ」
前から20本近い矢が頭の上を通り過ぎていった。
「良し走れ」
「みんな消火に向かったんじゃ無いんですか?」
「9班は、みんな矢なんだ。あと消火に8班と本陣の10班の半分が向かっている。そこで人集めに君を呼んだ。あと俺は、9班なんだ」
「学校に向かった人は?」
「連絡手段がないからわからないな。」
「そうですか」
本陣に着いた。本陣は、野外テントの簡単な作りになっていた。そして、弓矢の第二攻撃が始まった。
「参謀、命令通り西門の撤退完了しました。」
「それにしては、時間がかかったな」
「はっ途中トカゲの待ち伏せに合い。その殲滅に時間がかかりました。」
「わかった。もう下がって隊に復帰応戦しろ」
「ハイッ」
そういうと敬礼して自分のいたところへ帰っていった。
「監視部今の畑の被害状況は!」
「畑の1割7部を焼き今ほとんど消火完了しました。」
「そうか消火終わり次第本陣に引き上げさせろ」
「ハッ!」
「で君は、これからどうする。あまり強くは、見えないが」
参謀は、僕を見た。僕は、なんて答えればいいのかわからなかった。
「彼は何も問題ない。本陣の防衛に回すべきた」
優しく力がある声、村長だ。
「貴様が7班も学校に向かわせるからこんな事態になったんだぞ。」
「仕方がない。人がいて村なのだから」
「だからといってこんな子供しかも旅人にも戦わせるのか」
「大丈夫彼は、ここに来るまでかなりのトカゲを倒した。それに学校も頭のキレる参謀がいるから大丈夫だよ」
「だとしてもここはどうするんだ。ここの遺跡のほうが重要なんだぞ!」
「ここの遺跡?」
トントン
「ここのなだらかな丘に昔の遺跡があるんだよ。たしか地下水汲み上げ装置、トカゲは、それを狙って来るんだ。あれは、地下何百メートルも掘って水を探してくれるし壊れないからね」
後ろにいた人が教えてくれた。
「なるほどね」
「そんなことよりいかにここを守るかだ!」
村長と参謀は、犬猿のなからしい。
「まぁ部下をたくさん送ってしまったことは仕方ない。やむえない。そこの餓鬼!」
「!!」
「戦場に行ってないだろ。」
ボン
「そういうおまえも行ってないだろ」
「・・・・っ」
参謀は、何も言わず出ていった。
「ラサから君のことは聞いた。魔法が使えるらしいがここで魔法は使うなよ」
「!」
「畑が燃えたらしゃれにならないからな、それとここを守る矢以外の人は、全員で6人しかないからがんばって」
と笑いながら僕を送り出した。
テントを出ると弓矢の人達が絶え間無く矢を打ち出しとていた。周りを見回しても矢を持っていない人は、僕以外6人しかいなく。この人数で矢をうちもらしたトカゲを相手にすることは、無理だ。しかし、人手がないからしょうがないし、逃げるわけにも行かない。
僕は、決心して戦うことにした。
「来るぞ!」
弓兵が叫んだ。弓陣を飛び越え1体入って来た。敵を前にしたとたん急に体が固まった。あのナイフが真っ赤に染まることを思い出す。
ザクッ、トカゲの首が飛んだ。
「何してんだ。ボサッとしていると死ぬぞ!!」
我に帰ったときには、立っていたトカゲは首がなく倒れていた。そして助けてくれた人の剣は、赤く染まっていた。
「戦え守りたい人がいるなら!」
守りたい人?そんな人この村にいるのか?
スッ、助けてくれた人は、僕のナイフを取りそれを僕に渡した。
「さぁこれを取って戦え!」
僕は、ナイフをもつとそれは前に持った時よりも重かった。
「また来るぞ!おおすぎてまかなえない」
一体どれくらい来るかわからない。でも・・・戦う
トカゲたちは、狭い本陣の入口を目指しては行ってきた。ナイフを鞘にしまった。別に出しっぱなしにしていいが出したいときいつでも出せるからしまった。
もしかしたらくせかもしれないそんな気がした。
周りを見回すと本陣は、昔の砦ににている。全体を木かレンガににたものでしっかり壁を作り出入口も狭く、簡単に侵入できないしかしこれがどれくらいも持つのかわからない。
「門を抑えろ−」
弓兵がさけび
男達が門に集まり門を押さえる。僕も門が壊れないように押さえようとした。しかし押さえる前にトカゲ達の行進でこわれた。
「鬼は全部で100体ぐらいだ落ち着いて対処すればどうにかなるぞ−」
「100かよ」
弱気になるが戦わないわけには行かない。ナイフを鞘にからだして戦う、ナイフを振り回すだけで敵は倒れた。相手が弱いだけではない単に盾も防具を着けていなかった。だが相手が弱くても数が多ければそんなことは関係なく体力が徐々に奪われた。
次第に単調した作業が僕の緊張感を無くした。油断した。後ろがおろそかになり石のハンマーで叩かれた。疲れと痛みで遅くなった体をトカゲ達は見逃さなかった。
頭、肩、腹、足・・・前進をハンマーで殴られた。トカゲ達も疲れていて致命的な攻撃にはつながらない。周りの男達も手一杯で助けてはくれない。風吹いている。顔面にハンマーが飛んで来た。もうこれが最後の一撃だ。
スッ、ハンマーが顔面すれすれで止まる。トカゲ達が一斉に遺跡方へ顔を向けた。するとそのトカゲ達がにげはじめた。
男達は、目的地寸前で逃げたトカゲに始め驚き顔を合わせて追いかけなかった。どうやら学校に向かった部隊が戻ってきたらしい。
僕は、自分の弱さを実感しながら意識が消えた・・・胸の青い光とともに
ハッと目が覚めた。起き上がろうとするが全身痛い。あれほどの攻撃を受けたが別に体は骨折などの怪我をしていなかった。ただ筋肉痛ににた痛みがあった。何とか上半身だけ上げると真っ白な部屋ここは病院で外はもうくらい。
ラサを助けに行かないと・・・そう思い起き上がることにした。今までにないくらい動いた感じた。何十キロ何百キロとはしったような。
病室を出るとドアに面会拒絶と書いてある。いったいどれほどの攻撃を受けたのか思い出せない。しかし骨折もしてなかったことは良かった。
僕は、一度部屋にもどり支度をし病院を出ることにした。部屋を出て病院を出ようとした。しかし外には出られない、正面玄関が開かなかった。外はゆっくり明るくなる。待合室の時計を見ると朝方の5時半、昨日からどれくらいの時間寝ていたのだろうか?
「後で迎えに来てよ」
ラサの言葉が頭をよぎる。すぐに行きたいと思うけどすぐに行けない。他の人に流されてばかりいる。本来どっちを優先するべきなのかわからない。このままでいいのか・・・
もう一度部屋に戻って日が昇ってから本当にラサを探しに行こう。
僕は、さっきまで寝ていた部屋に戻ることにした。だが自分は、どの部屋から来たのか覚えていない。
「本当にダメだな−」
待合室の椅子に座った。目をつむり時がたつことを待つ。しかし12時間も寝た体はこれ以上求めない。もっと家で長く寝ていればすぐに眠ることが出来たかもしれないと無駄な贅沢を願った。しかしこれ以上ここにいることは無駄だと悟り。今すぐここを出ることにした。僕は、他に出られそうな扉を探した。
それから病院の中をぐるりと歩いた。しかしあるところで足が止まった。手術室の明かりがまだついていた。外では家族が心配な面持ちで待っていた。一晩中手術をして入るのかと疑問になった。すぐに手術中の明かりが消えた。医師が出て来て家族になにか小声で伝えた。
家族は、それを聞くなり泣き崩れた。その家族が誰だかわかった。コウの家族だ。




