3部 「ハイ・ノォウ 師と呼べる人」
久しぶりの投稿です。
お時間あればぜひ読んでください。
今から、何世紀いや何十世紀先だかわからないくらい先の時代、人類は、何度も発展と滅びを繰り返した。そんな時代のお話・・・
僕は、逃亡兵であり、旅人である。
この世界では、僕が住む機械(物理学)の国と、魔法(化学)の国が、長い間、戦争していて、年齢が15歳から20歳の男の子は、徴兵で戦争に参加しないといけない。15歳になって自分の生まれた村にいると半ば強制に戦場へと駆り出される。
しかし、戦争に行かなくてすむ方法がある。それは、簡単である。徴兵にきた軍人が来る前に逃げればいいのである。
わざわざ戦いたくない人を軍人にすることは、一苦労だし、国中を逃げ回る人を捕まえるほど、軍もヒマではない。ただある一定の場所に長くいると徴兵されるかもしれないが・・・
普通の町では、たいていの人が戦場に行き、行かない人を脱走兵とよぶ。しかし、僕の村では、脱走兵と呼ばないで旅人と呼んだ。だから、僕は、逃亡兵であり、旅人である。
今僕は、喋るカラスのコクハと一緒に国中を旅している。まだ始まったばっかりだけど
「コクハ−今どこ歩いているの?」
深い森の中を先に飛び回るカラスを旅人が、追い掛けている。
「何を言っているカー?それを決めるのは、君カー」
カラスは、語尾に「カ−」を付け加えていった。
「えっ?!てっきり、先に飛ぶから道案内しているかと・・・」
「私は、ただ君が進むかなと思った道の先を飛んでいるに過ぎないカー」
「そうなの・・・?」
旅人は、困惑した。
「今は、君の旅だから行き先は、君が決めるべきカー」
「そうだよね」
今まで無駄に歩いているようで少し疲れた。僕は、背中にリュックサックからGPSと地図を取り出した。これで今の位置と一番近い町までの距離がわかる。
「すぐに取り出せないと旅人失格カー」
「そんなことわかってるよ」
コクハは、僕のことを君や旅人と呼ぶ。それ以前に僕の名前を知っているかどうかわからない。
「あったあった」
鞄からGPSと地図を取り出した。GPSは、高性能のアンテナとソーラ−パネルが、着いているハイテクなものだ。周りに木がおおい繁っていても誤差の少なく、光がある限り電池切れがないスグレモノだ。
「ようやく見つけたみたいカー」
「コクハうるさい」
僕は、手慣れた作業でGPSに電源を入れるとその表示した数値から地図で今現在いる場所を見つけた。前にいた村から西へ3キロ歩いたところだ。
「これからの行き先は、決まったカー」
「今探しているところ!」
僕が、強くいうとコクハは、すねたように僕から離れた。これでも辺りを見回り始めたようだ。
「それにしてもどこへ行こう」
小声でつぶやいた。国中を回ろうと考えたが、どうのように進むかは、全く考えていなかった。
3キロ続く岬の町を目指して、進みそして、引き換えした。コクハの進む先には、森があって何もない。岬の次に近い町は、僕の村で今帰ったら村中の笑い者だ。そして、直ぐさまに戦場行きだ。それこそゲームオーバーだ。
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り」
別に行きたいところがない。それに、まだ食料と飲み水がある。そうとなれば、近くの村を指で指しながらそれが止まったところにした。
「よし、いや待てよ・・・」
最後に指が止まったのは、ここから一番遠いところになった。半径30キロもある地図の端から端までを横断する勢いだ。
「・・・・・・・」
「決まったカー?」
「一様・・・・」
いくら神様の言う通だといえ、さすがに1週間分の食料と3日分の水で約60キロを走破するきには、なれない。それに他にも町や村は、あった。
「ッ!」
何かの気配がした。
「いまさら気付いたカー」
コクハが、ここに戻って来たのがわかった。獣に追われてきたようだ。
「なに、何がきているの?」
「それは、まだわからないカーただ準備は、したほうがいいみたいカー」
僕は、GPSと地図を乱暴に鞄にしまうと腰から刃渡り40センチ近いナイフを取り出した。
「数は?」
「それくらい自分で見極めるカー」
「そんな〜先に見つけたのは、コクハなのに?」
僕が、弱気になるのを見てコクハは、ため息をした。
「数は、5、匂いと声でここに来ている」
コクハの語尾に「カー」が、きえた。そろそろ来るのだろう。僕は、そんなことを考えながら気が抜けた。
「いつも通り、いつも通りにすれば大丈夫カー」
いつも通りは、どんな感じまだ僕は、まだ旅を初めて月日が、たってないよ。言おうとして気を緩めた瞬間目の前の草が、僅かに動いた。
来る!と思い体が、固まった。目の前から大きな獣が飛び込んで来た。
「うわっ」
幸にも身を固めたときナイフを顔の位置まで上げて飛んで来た獣を勢いよく弾いた。
もしナイフで視界を防ぐように上げなければ今頃顔に獣傷がついていたかもしれない。
「また次が来るカー」
僕は、今弾き飛ばした獣を見るのをやめてすぐに突きさせるように構えた。すると次に来た獣が、慌てたように飛び込むのをやめた。
次々に獣が草むらから出て来て足を止めた。そして、お互いに対峙してようやくその獣が、何なのかわかった。
「オオカミ!?」
「そのようカー」
僕は、オオカミに囲まれて動揺しているが、それに比べコクハは、冷静を保っていた。
「どうすればいい?コクハ・・・・」
「どうすればいいって、逃げようにも追い掛けるから逃げ切れる相手ではないカー」
これで相手が、逃げてくれるか、倒すしか選択権がなくなった。
後ろには、ナイフで飛ばしたオオカミが、牙を出して威嚇した。逃げ帰ることは、なさそうだ。
それ以前にオオカミに囲まれることが、珍しい。
「動物は、火に弱い。火の魔法だ!」
僕は、思い出したように口走った。
「あれか?あれをやるのか?やめておいたほうがいいカー」
「今なら出来る気がする!!」
僕は、ナイフを腰の鞘にしまい、なにかを唱えた。途中で、コクハは、首を傾けたが僕には、気がつかなかった。
僕は、両手を前と後ろに開いて叫んだ。
「焼き尽くせ!」
空間が、僅かに歪み始めまだ、2月上旬で気温が、20度以下の気温が、勢いよく上がり始めた。
グルルルッ、グルルッ、周りのオオカミが、一斉に唸り出した。何かの違和感、感じたようだ。気温がみるみる上がり
「アツっっ」
周りの気温が下がり始めた。
「またカーだからやめとけと言ったカー」
「痛、ててて・・・」
両手にやけどの痣が、出来た。炎系の魔法をしようとして失敗した。以前にも同じことをしようとして失敗したことがある。
目の前のオオカミが、急に飛び込んで来た。
「ワ−−!」
オオカミは、首を噛んで塞ごうとするのにたいして僕は、両手で押さえた。鋭い牙が、指に刺さり血がにじんだ。痛くて離しそうだが、そんなことをしたら首を塞がれてしまう。
「大丈夫カー」
コクハは、慌てて僕を助けようとしたが他のオオカミに邪魔されて近づけない。
別のオオカミが、僕の足に噛み付いた。痛さで、叫んで手を離しそうになったが何とか持ちこたえた。
急にオオカミの噛む力が、弱まり離れた。その時、また噛み付いてくると思った瞬間!
「凍れ」
思わずつぶやいた。僕には、炎の魔法以外にもう一つの魔法が、使えたことを思い出した。
また、噛み付こうとしたオオカミの動きが、止まった。そして、力を無くしたように倒れた。頭には、2本の穴が開いていて、そこから勢いよく血がでてきた。
僕は、すぐに体を上げ2本の針みたいのを足に噛み付いているオオカミの首に刺した。急に何が起きたのかわからないオオカミは、痛みを感じながらはいずり回った。
「危なかった・・・ハァハァ」
もう一つの力は、液体を一瞬に鋭い固体に変える魔法だ。オオカミが、離れた瞬間に手から流れる血を固体の2本の針に変えた。
「ぐわっ」
2匹のオオカミを倒して油断した瞬間に後ろから別のオオカミから首を噛まれた。その噛まれた勢いで僕は、地面に四つん這いににった。コクハは、別のオオカミと戦っていて助けてくれない。もうダメだ、食われるのかと感じた。
「動かないで!!」
女の人の声が、した途端背中になにか強烈ななにかが、通った。それは、そのままコクハと残りの2匹のオオカミに飛んで行き、コクハの片羽とオオカミの耳と別のオオカミの尻尾を切り落とした。
「カァァァァ」
コクハは、羽が切られた途端叫びながら飛び去った。尻尾と耳を切り落とされたオオカミ達も慌てて逃げ出した。
僕の首に噛み付いているオオカミは、今田に噛み付いたままだ。首筋になにか垂れていた汗ではない。ふと噛みつく力が弱くなって来た。
「大丈夫〜?えいっ」
女の人が、僕の横で軽く蹴るとオオカミの顔がゴロンッと転がった。
「うわっ」
僕は、慌てて立ち上がると背中のオオカミの胴体が反対に現れた。
「・・・・・・」
思わず声を無くした。
「風で切り落としたのよ。でも惜しかったな〜うまくすればあのしゃべるカラスも落とせたのに」
動揺して何も話せない僕のためにいろいろ説明した。
「魔法?」
風で切り落とすなんて武器を、聞いたことがない。出来るとしたら空間を圧縮して送り出す風系統と称される魔法くらいだ。
「何でわかったの?」
女の人が、急に鋭い目付きに代わった。
「うっっ」
普通なら睨まれたら何かそわそわするものだが、僕は、急な眠気に襲われた。
「どうした?大丈夫?」
女の人の声よりも怪我をしたコクハのことが、気になった。だが、それを上回る眠気にどうすることも出来ずに意識を失った。
約1年ぶりの投稿です。
半年前の書いた内容を投稿します。
1年近く前にブログやめましたw
変な書き込み(出会い系)を毎日毎日消すのが面倒なので
あと、出会い系サイトが嫌いになりました。
しかしまぁ書き込みするのも仕事なのかね
2部最後まで読みきった人が140人なりました。
(2009/04/22現在)
少年(僕)の旅をここまで付き合っていただきありがとうございます。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
と一応書いておきます。
それにしてもこんな旅話をここまでよく読んだなw
もし自分だったらまず読まないな(笑)
どんな人が読んでいるのか気になったりします。




