2部より 第1幕「海の臨む町」
旅をして5日目
川を下ると次第に塩のかおりがした。
「塩のかおりがする」
「海が近いからだカー」
「なんで塩なの?」
「それは、海には沢山の塩が入っているからカー」
「どうして海に塩が沢山あるの?」
コクハは、あまり常識を知らない旅人に不安を感じた。
「それは、岩石に含まれている岩塩が雨が降って水に溶けそれが集まり君の横に流れている川となり、最後に海に永遠と流れて次第に濃くなったカー」
「そういえば前に学校でそんなことを言っていったけな。海の近くだと塩のかおりがするからその辺は塩だと」
「なんか漢字間違っているカー」
クロハ、地面に立ち足で字を書いた。「潮」
「この字を書くカ−」
「えっ?しょっぱい塩だと」
「違うカー」
コクハは、これから世間で恥をかくのではないか不安になった。
「あっ村だ。」
そんな心配をよそに二人は、村に着いた。村に着くなりコクハは、僕の肩に乗った。コクハが言うには、このほうが絵になると言った。
この村の建物は、木と石(多分コンクリート)の半々だ。また、前に来たより村は、大きくなっていた。時間は、ちょうど正午を過ぎていた。
「ネーもしかして今は、昼休みだから毛皮を買ってくれる店なんかないよ」
今日取った毛皮を指した。
「そうかもしれないカーでもここのお金を持っているか?なんでもいいからお金にしないと何も食べないカー」
そうだ。例え同じ国の村だとしても文化が違ったり、その村の通貨が違うこともある。ただ魔法は使わず機械を使うこと、それらが同じだけだ。
「じゃ昼休みが終わるまでここで待てということ?」
「そういうことになるカー」
「えー−−」
これが初めての村でそこで昼休みが終わるまで待たされる。今までの疲れがどっと出た。
「仕方ないカー♪」
コクハは、慰めなのか明るく言った。僕は、疲れた目でコクハを見続けた。
「じゃもしかしたらまだ営業しているかもしれないから一様、店だけ行ってみるカー?」
「そうしよう」
疲れて重くなった鞄を背負いながら村を歩き回った。
”質”という大きな看板を見つけた。僕たち旅人は、ギルドと呼んでいる。ギルドは、魔物の毛皮や骨等を専門に買い取ってくれる。昔は、お金がないときものを預けお金をもらい。返してもらうとき預かり料と一緒にお金を返すところだったらしいが、最近では、工場等に資材提供場所となっている。
門の前で愕然とした。PM2:00からPM3:00間で昼休み
「ねぇ今何時かわかる?」
「時計持ってないのカー?」
「うん」
「・・・・いま2時5分カー」
つまり村に来てすぐに話さず探せば間に合ったわけだ。
「昼休み遅いね。」
「そういう店もあるカー」
「あーくそー」
「時間が来るまでどこかで待つしないカー」
疲れている僕に対して、コクハは、いつでも冷静だ。
「何だね!やかましい」
店の中から人が出て来た。店員でかなり地位の高い人、店主かな?
「えっまっ?」
いきなり店から人が出て来たので声がでない。
「なんだ。旅人かなにか売りに来たのか?」
「はい、そうです。」
「そうか、早く入れ」
店の人が手招きした。
あたふたしている僕の横でコクハが、答えた。それも語尾の「カー」を忘れて
「さぁ早く皮を売るカー」
「あ、うん」
店は、外同様豪華な作りだ。」
「さっ早く売りたいものをだしな、鑑定するから」
店主が、カウンターの奥に座り言った。見た限り頑固ものだ。
「はいっ」
僕は、慌てて鞄から皮を出した。
「きたないな」
店主が呆れたように言った。
「初めてなもので」
何も言えないで僕の代わりにコクハが答えた。
「言葉を使うカラスか、珍しいな」
店主が、眉をひそめた。
そっかやっぱり話すカラスは、珍しいんだ。
「早く他の物もだしな」
「あっはい」
ここに来るまで集めた、骨や肉、皮を出した。
「まぁ、こんなものか。全部で3500銅だな」
この国の金の単価は、高い額から〜金、〜銀、〜銅という。
最後にもらったお小遣の3ヶ月分か
店主やコクハに聞こえないようにいった。
「安い!もっと上げろ」
コクハが、叫んだ。
「何をいう?これでもこんな血まみれな毛皮を高く買うといってんだよ」
「隣の村で最近毛皮不足で単価が上がってんだろ?」
「ッ!!」
「何で知ってんの?」
店主の代わりに僕が聞いた。
「君は、新聞を読んだほうがいい」
「わかったよ。倍の7000銅だ」
「まだ低い」
「7500」
コクハが、目を鋭くした。
「8000」
「骨や肉の分は?」
「このカラスは、なんでもお見通しか」
「2銀だ!それ以上は、無理だ」
「わかった。それで手を打とう」
1万銅は、1銀だ。
そして店を出た。
「すごいね!コクハ最初の金額から僅かな交渉で6倍近く上げて」
「君が世間を知らなさすぎなんだよカー」
コクハが、誇らしげにいった。もう少し粘れたがそうすると店の出入り禁止になるから
止めた。と付け加えた。
「これで何処に泊まろうか?コクハ?」
「いや無理だカー」
「えっ?」
「宿に泊まるには、最低でもあとこれの倍4銀が必要だカー」
「本当に?・・・」
「なら恥をかくつもりで聴きに行くカー?」
「ハー・・・世界は、そんなに楽じゃないか」
「旅は、そんなものだカー」
「でもコクハがいればギルドは大丈夫だね」
「そんなことないカー」
「なんで?」
「本来は、君に世界を知るために黙っているつもりだが店の店主があまりにも横暴だから少し言っただけカーそれに・・・」
「それに?」
「何でもないカーまた後で話すカー」
「・・・・気になる」
「そんなことより早く森にいって魔物を刈るカー早くしないと夜になるまでにギルドが閉まるカー」
「わかった」
僕たちは、森に戻り魔物を倒しに行くことにした。
だがあることを忘れていた。ドスッ、僕は、倒れた。
「どうしたカー?」
「お腹空いた」
「働かざる者食う可からずカ−」
「鬼−」
「なんでも言うカー生きたければがんばるカー」
僕は、それから飢えという地獄を見た。
森にはいるなりチーターの群れに遭遇した。というより群れを作らない彼等に運よく立て続けに遭遇した。
始めは、戦闘に没頭してお腹空いていることを忘れていたが、それが続くに連れ空腹の度がました。
「そろそろ村に戻ろうよ」
「何言っているカーまだ3匹しか倒してないカー」
「もう十分じゃない?」
「このまま村に戻ったらまた野宿カー」
「〜〜〜ッ!」
確かに野宿はやだ。だけどお腹空いた体に狩った革や肉の重みは、体にこたえた。
「仕方ないカーあと、3匹倒したら村に帰るカー」
「そんなに〜」
「これでも村の宿に泊まれるかどうかわからないぎりぎりカー」
世界は厳しいと思った。夢に逃げたくなった。この前の村跡で見た夢で目が覚める。
「さぁ、新たにまた来たカー」
今までに見た中で大きい。2Mを越えていた。
「なんか強そうなんだけど・・・」
「うん。この辺のボスかもしれないカー」
「じゃこいつを倒せたば3匹分かな?」
コクハは、急に怯えていた。
「何をのんきな事を言っている!」
「えっ!?」
「あれは、この辺の主か突然変移だ。すぐに逃げるカー」
サッ、僕は、背を向けて走り出した。
チーターも飛び軽々と僕の前に飛んだ。僕は、思わず尻餅を着いた。チーターは、僕に対しなにか哀れんだ目で見た。
「君が弱いから哀れんでいるカー」
「なんで!」
「君が弱いからカーとりあえずどこでもいいから逃げて」
「うん」
走った。だが逃げるたびに僕を飛び越えて数メートル先におりた。
「遊ばれているカー」
「−−ッ!」
「よし照明弾を打ち込むカー」
「なんで?」
「いいから」
何か策があるみたいだ。
「うん」
腰に下げている。緊急用の救難信号を打つことが出来る。小型大砲から救難信号用の球を取り出しすぐに照明弾を装填した。
チーターは、僕の不振な動きに気付き威嚇した。たが僕は、それに気がつかなく弾を変える作業を続けた。
「よし出来た」
「早く打つカー」
チーターは、威嚇しても無駄だとわかり飛び込んで来た。
「わかってる」
ダーンッ、銃から放たれた弾丸は、チーターの頭に当たり眩しい光をはなった。
チーターは、まともに光を見てしまい目を押さえて騒いでいる。
「良し効いているカー今のうちに逃げるカー」
「いや今、目をやられたから倒すのは、今がチャンスだ」
「まて今は逃げることが優先だ!」
「大丈夫だって」
「まっ待て」
僕は、ナイフで首を切り、意図も簡単にボスのチーターを狩った。そしてすぐに絶命した。
「すごいカー」
「危なかった」
「革を剥ぐならすぐしたほうがいいカーここには」
「大丈夫、僕ならどんな敵でも負けないよ」
コクハの言葉を遮った。僕は、そのまま革やらを剥ぐことにした。
「いいやそういうことではなくてここには、」
フォォォ、フォォォ、不気味な泣き声がした。
「剥ぐなら早くしろカー」
「何の声?」
フォォォ、フォォォ、ざわざわなにかが近くにいる。
「ハイエナだなカー」
「ハイエナ?ハイエナは、サバンナじゃないの」
「種は違うけど似たような動物だカー」
フォォ、フォォォ、数が増えている。
「逃げるカー」
「まだ剥ぎ終わってない」
「今は、そんなことをしている場合ではないカー」
「あれ?」
「どうしたカー?」
「こいつ僕が、刺したところと別のところを怪我してる」
腰に小さな(歯形)があり、その辺りが紫に変色していた。
「ハイエナの歯形カー雑菌が入った見たいカー」
ガサガサ、目の前の草が揺れた。
「もしかして目の前まできてる?」
「そう考えるのが賢明カー」
「逃げないと」
「さっきからいってるカー」
僕は、チーターも担いだ。
「死骸をもつな−」
コクハが、叫ぶなりハイエナ達が一斉草から出て来た。グルルル、グルルル、明らかに威嚇していた。
「囲まれた」
「落ち着け数は、たかが7匹、肉を投げればみんな気を取られ逃げれるカー」
「せっかくこの森の主をやっつけたのに?」
「死ぬ気カー?今この森の主は、ハイエナに代わったカーここは、落ち着いて肉を置いて逃げるべきカー」
「・・・そうだね」
コクハのいうことに一理あった。僕は、チーターの死骸を置き、そのまま後づ去りした。
「そうだカー背を向けたら君もやられるカー」
ハイエナは、下ろした死骸にたかり出した。
「そのまま、そのまま後ずさりして全てのハイエナが、肉に食らい付いたらすぐに全速力で逃げるカー」
ガサガサ、ガサガサ、後ろから音がした。
「後ろからもなにか音がするんですけど・・・」
後ずさりしているから後ろが見えない。
「だから早くしろといったカー」
「ワンッ!」
思わず腰が抜けた。
「おやおやこの辺は、ハイエナではなく狼でしたカー」
「えっ夜行性じゃないの?」
そういえばまだ日がある。
「何故夜行性の動物がこの時間活動しているか判らないカーたが一つだけ言えることがあるカー」
「僕たちの命が危ないということ?・・・」
「僕たちではないカー」
「えっ?」
「僕は、羽があるから万が一のときは、真上に飛べばいいカーでも君は、出来ない。だから君だけ危ないカー」
「そんな〜」
「だから早く逃げようといったカー」
「そんな〜」
「まだ諦めるなだからこそ落ち着けカー」
「うっうん」
後ろを振り向くとハイエナ達も狼を威嚇して前は、狼も威嚇した。
「ここは、まず・・・」
「うんっわかった。炎で吹き飛ばす」
あの夢でトカゲを吹き飛ばしたように
「えっ何を」
「吹き飛べっ!」
僕は、狼に手のひりを見せ唱えた。胸のペンダントが光るとたちまち辺りが暑くなり、砂漠のような風が吹き、
「あちっ」
止んだ。
「ばかったいして使えもしない魔法を使うな!」
狼とハイエナは、僕の行動かたずと見ていた。
「前の村だと・・・」
ワンワンワンッ、ワンワン、一斉に狼がほえだした。ハイエナも負けないといわんばかりに吠える。
僕の魔法は、辺りを温かくして自分の手を軽く火傷しておわった。
「逃げるカー発光弾で目くらましするカー」
「わかった」
僕は、腰から照明弾を装填して狼に向けた。
「おいそれは、照明弾じゃないカー」
ダンッ、弾は、狼の横にそれ木に当たり破裂した。小さく光ると異様な音を出した。
音が止んだ。やけに静かだ。何の音もしない静寂だ。
「静かだ」
目の前には、狼が倒れている。中には、盛んに口を開けたり閉じたりしてまるで吠えているようだ。振り向く前にカラスが、僕の袖を引っ張っている。
「コクハ!大丈夫だったんだ」
「・・・・・・・」
コクハも盛んに口を開けたり閉じたりしている。
「なにかいいたいの?」
コクハは、また僕の袖を引っ張った。
「えっ何?」
僕は、コクハに引っ張られながらその場を後にした。そこには、もうハイエナの姿はない。
「ねぇどうしたの?」
コクハは、飛び僕もその後を追った。いつもと違うことに気付いた。
「ねぇコクハ・・・なにも・何も聞こえない。どうして」
僕は、走るのをやめた。
「コクハ・・・」
コクハは、すぐに旋回して戻って来た。
「コクハどうしよう。何も聞こえないんだ」
コクハは、頷いた。
「これからどうしよう。どうすればいいんだ?」
コクハは、翼を広げ足で自分の指した。
「え何?」
コクハ、軽く飛び僕を突き飛ばした。僕は、後ろに倒れた。そしてコクハは、僕の胸の上で何かを言った。繰り返し言った。僕は、何となくその意味がわかった。
「オ・チ・ツ・ケ・・・オ・チ・ツ・ケ・」(落ち着け)
「わかった」
コクハは、僕の上から下りた。そして、コクハは、また飛び僕は、それを追いかけた。
ガヤ・ガヤガヤ・ギャ−ギャ−
「あっ」
次第に音が聞こえるようになった。・タッ・・タッ・タッタッ、自分の足音も聞こえる。しかし辺りがやけに騒がしい。
「コクハ−」
コクハは、また反転して下りた。そして、目の前で逃げるそぶりを見せた。ギャギャ、ギャ−ス鳥の泣き声がする。
「なんか周りが騒がしいど」
「騒がしいカー?あっ!聞こえるようになったカー」
「うん」
コクハは、急に悩んだ。
「ん−やっぱり同様してパニック状態カーとりあえず村に戻るカー」
「なんでこんなに騒がしいの?」
「君が、間違って使った音響弾で今寝ていた動物がみんな起きたみたいだカー」
「みんな?」
「この辺の動物はみんな夜行性だカー」
「だってこの辺のチータは起きてたよ」
「それは、君の気配を感じてたまたま起きただけだけカー」
「じゃあの音響弾でどれぐらいの動物が起きたかな」
「細かい数はさすがにわからないカーだけど音が聞こえたところまでは、起きたカー」
「何でそんなことがわかるの」
「辺りが騒がしいカー」
ウォーンウォーン、狼かな?聴力が、どこまで戻ったかわからないが鳥の泣き声や狼の遠吠えで辺りが騒がしい。
「さぁ村に逃げるカー」
「うんっ」
バサッバサッ、バサッ、異様な数の鳥が集まって来た。
「鳥が〜」
「ハゲタカ!止まるなカー」
「わかってるけど〜」
コクハは、僕が追いつけるように行ったり戻ったりしながら飛んでくれた。だけど一斉に集まって来たハゲタカから逃げるなんて走っては無理だ。
「コクハ!コクハだけでも先に逃げて!」
コクハは、反転して僕の肩に留まった。
「私は、どこまでも君と友に行動するカー」
「命が危険にさらされても?」
「当たり前カー」
僕は、少しその言葉に感動した。
「そうするように私は、インプットされているカー」
「そう」
僕は、今の一言を聞きたくはなかった。辺りが黄昏に染まる。早く村に行かないとギルドが閉まりおそらく野宿になるかもしれない。
「あとどれぐらいで村に着く?」
「えっ何いってるカー?」
「だって村に向かって走ってんじゃないの?」
「私に今の位置がわかるようなGPSとか地図が入っていると勘違いしてないカー」
僕は、走るのをやめた。
「ハァハァハァ、だって村の位置がわかるからそれに近いほうへ逃げたんじゃ」
「違うカーただ単に逃げやすい方角に向かっただけカー」
「でここどの辺」
「そんなことわかる訳無いカー」
「エーッ」
すごく騙された感じだ。音が聞こえないときにコクハのアドバイスが頼りだ。だけど今まで何も考えないでここまできたことはかなり堪える。
「かがめ−」
僕は、コクハに言われるがままに頭を下げた。
バサッバサッバサッ、サッサッ、頭の上をハゲタカが通りすぎた。
「危なかった」
「うーんおかしいカー」
「バケタカが今ハゲタカが頭を過ぎと追ったよ」
「普通のハゲタカは、死体にしか襲わないはずカー」
「そうだよね」
「もしかしてこの辺の魔物は、君の使った音響弾で怒ってるのカー」
「どうしようか?」
「村に逃げ込むことが賢明だけど村への方角わからないカー」
「コクハが、高く飛べば村の方角だけでもわからない?」
「そうだけど今は、ハゲタカがいるから飛んだらすぐに狙い撃ちされるカー」
「今ある装備で村に向かうしかないか」
今の自分に今日も野宿する考えはなかった。
「また来たカー」
僕は、ハゲタカの滑空攻撃を交わした。実際に当たっていないのでどれくらい痛いのかはわからないが、避けることが賢明だ。
「海に向かうカー海からなら真っすぐ町の方角がわかるカー」
「海の位置がわかるの」
「わからないカー」
「無茶苦茶だ」
「でも南の方角がわかればそこには海が広がっているカー」
「そりゃそうだけど南の方角が」
「コンパスを持ってるカー」
「あっそうか」
村を出るときに地図とコンパスを鞄に入れてきたことを思い出した。
「伏せるカー」
また、ハゲタカが、僕の頭スレスレを通り過ぎた。どうやら複数体飛んでいる中で僕に襲っているのは、1体だけだ。
「コクハ!僕に襲ってくるハゲタカはあの大きな1体だけだ」
「そりゃ当然カー」
「えっ?」
「あのハゲタカは、ボスが仲間を守るために戦うカー」
「そうなのじゃ倒せば」
「無意味無意味カーたとえ倒しても今度はあの群れのナンバー2がボスになり今度はそいつが襲ってくるカー」
「じゃハゲタカの場合どうすればいいの?」
「逃げ回ればいいカーさすがに村までは襲ってこないカー」
ハゲタカのボスは、また急降下の構えをした。僕は、鞄からコンパスを探した。
「また来るカー」
シュッザンッ、またも滑降攻撃だ。僕は、ナイフ鞘から出し、ハゲタカをよけながら切った。
「うぁぁ」
ハゲタカは、ナイフに向かって飛んで来た。僕は、出来るだけ力を込めて押さえたが速度がナイフを体に刺さったまま体を持って行かれた。
「しまった!」
そして、大きな翼を羽ばたかせてこのまま上昇した。予想外の力に負けて鞘から手が離れた。
「おいっナイフを持っていかれるカー」
思わない深手を受けたハゲタカは、そのままここから離れようとした。
「逃がすか」
手のひらをハゲタカに向けた。胸のペンダントが光り白い光と猛烈に鋭い風がハゲタカに向かって吹いた。
ギャ−、白い光が当たると痺れたように落ち、風で翼の一部を切り落とした。
「すごい。高魔法・・・」
コクハが、物凄く驚いた。周りで見ていた小さいハゲタカも一斉に逃げ出した。
「ハァハァハァもうだめだ」
飢えと今までの疲れ、そして魔法の使用で立てないぐらい疲れた。
「あの電撃と風切り・・・普通に今まで見たことがない・・・君は魔法使いカー」
「ハァハァハァ」
呼吸が落ち着かない。目の前に痺れたハゲタカがいるからナイフを無くさないで済みそうだ。
「すごいすごいハゲタカは、村でかなり高く売れるカー」
「ハァハァうんっ行こう。村へ」
コクハは、僕の目の焦点が合っていないことに気付いた。
「今から私は、高く飛んで村への最短距離を探してくるから君はここにじっとしていろカー」
僕は、返事を返さなかった。コクハは、すぐに辺りを飛んだ。そこですぐに村を見つける、また別に違うものを見つけた。さっき音響弾で逃げた狼の群れで先ほどより数が多い。コクハは、その群れに向かって飛んでいった。その後、その群れは、僕に会うことはなかった。
「あっコクハもぐもぐ」
「まだあったのか食料・・・」
僕は、最後の携帯食料をたべていた。コクハは、何故かはわからないが疲れていた。
「コクハ村の方角は、わかった」
「すぐにな−」
コクハが、少し怒っている。
「どうしたのなんか怒っているみたいだけど」
「風が、少し荒れていたカーで村の方角はあっちカー」
コクハは、僕をてっきりお腹を空かせて、滅多に使わない魔法を使い疲れ果ていると思っていたが、携帯食料を食べたのかかなりの疲れが取れていたようだ。翼を村の方角に上げた。
「村の方角は、こっカー」
「さっきから村から離れるように走って来たわけか」
「あの時は、仕方がなかったカーもしあの時すぐに逃げなければ食べられていたかもしれないカー」
「でもこれで夜までには村に戻れるね」
「大変カー」
「どこが?」
「早く村に戻って、さっき狩ったのをお金にしないとホテルにチッェクインしないと今日も野宿カー」
「大丈夫じゃないの?」
「何いってるカーあの村のたいていのお店は、日が沈んだらお店も閉まっちゃうカー」
「今何時?」
「わかるカー何で時計を待ってないカー」
腕時計は、買うべきだった。本当に時間がわからないと不便なことが多すぎる。あれっ?
「だってさっきギルドに着くとき時間を教えてくれたじゃないか」
「覚えていたカー」
「教えてよ」
「仕方がない。これが最後だ。次からは、自分で腕時計をかってそれを見るカー・・・5時15分」
もう村を出て3時間以上たったみたいだ。
「ねぇコクハ、さっきのギルドの営業時間は、夜の5時までだったよね」
「記憶力は、あるようだな、その通りだもう終わってしまったカー」
「えー今日も野宿?」
「諦めるな今から村まで、はしれば間に合うかもしれないカー」
無茶苦茶なことを言われているような気がする。
「村までの距離は、どれくらい?」
「そこまでは、自分のGPSと地図で調べるカー早くしないと日が沈んで本格的に魔物が動き出す。時間だカー」
面倒だな〜と小声で言いながら村へと走る。ザバーン、ザバーン、波の音がする。
「波の音がする。村まで近くだね」
「海に近ければどこだって波の音がするカー」
そういわればそうだ。自分で変なことをいった気がした。
「町まで後どれくらい?」
「多分このまま走ってあと5分カー」
「5分!!っいて」
「!?、どうしたカー?」
「舌噛んだ」
「走りながらしゃべらないカー」
僕は、町まで走った。
走りながら日が沈むなりすぐに村が見えた。
「ハァハァハァ、もうダメ息がハァハァ」
さっきから走りぱっなしだ。明日は、のんびりしたい。
「早くしないと今日も野宿♪」
コクハが、歌った。もう野宿はしたくない。それに食料も今さっき全部食べてしまった。さらにここ最近風呂にも入ることが出来ないから、食堂にも行く気にもなれない。
「わかったよ〜」
空を軽々と飛んでいく、コクハを追い掛けた。そしてようやく、ギルドに着いた。案の定、閉まっていた。
「何だこのギルドは、こんなに早く閉まるとこなんて聞いたことがないカー」
先回りしたコクハは、騒いでいた。
「やっと追い付いた」
「うるさい。さっきの旅人か用が、あるなら明日にしてくれ」
店主が、出て来た。
「さっきハゲタカのボスを倒したカーその新鮮な死骸があるカー」
「ほ−ハゲタカか珍しいな。一体どうやって仕留めた?」
「それは、間違っても魔法でたたき落とした」とは言えない。もし言ってしまったら北の人と勘違いされてここのほとんどの店から出入り禁止になる。
「企業秘密カー」
僕は、鞄からハゲタカの死骸を出した。
「うーんいや明日にしてくれ、まぁ、ただで置いていくならば歓迎だけどな」
「帰るカー」
そういうとコクハは、いってしまった。
「待ってどこ行くの?すみません。」
僕は、店長さんを怒らせたので謝りそして、コクハを追い掛けた。
「あぁ明日、朝早く来いよ」
店長は、そういいながら別に怒っていなかった。僕は、コクハが道を曲がったのでそれを追い掛けた。
「おい何であの店長に謝るようなことをした?」
「いやだって怒らせるようなことを」
「何を言ってんだ?ハゲタカは、普通、警戒心が高く空高く飛んでいるからなかなか市場には出回らないんだぞ。」
「・・・・・」
「それをただで置いていけなんて普通に考えられることじゃないぞ」
コクハは、語尾にカーを付け忘れている。こっちのほうが、店主より怒っていた。
「これからどうするの?」
「今日泊まるところを探すの!」
「お金足りないのに」
「君は、自分の村の宿舎の値段を知らないのか?」
「自分の家があるのに何でわざわさ宿に停まるのさ?」
「それもそうカーとりあえず安いところを探すカー」
「オーッ」
疲れていたので軽い気持ちで手を上げた。
「とりあえずそこの宿に行くカー」
コクハが、指した宿舎は見た目がかなりぼろい。
「あそこにするの?」
出来ればもう少しいいところにしたい。
「贅沢いうなカー」
「じゃ一回だけ料金を見るだけでも別の所に」
「例えばどこカー?」
村の中に、複数の宿舎があるのは、都会ぐらいだ。とコクハは、言いたいような目でいった。
「探さないでないと判断するのは」
「うん。確かにそうカーだが、もし見つからないとチェクイン出来なくて寝るところがふかふかのベッドか、冷たい土の上かもしれないカー」
「うっ・・・」
その一言で、反論することが出来ない。
「諦めてそこに泊まるカー」
僕は、コクハのいう明らかにぼろくて古く言いたくはないが汚い宿に泊まることになった。
「早く入るカー」
「わかってる」
そこ宿は、自動ドアではなく、両開きの片方が締切でもう片方が片開きだ。別に珍しい
わけではない。だが僕の村では、自動ドアで近ずくなり開いてしまうのでなかなか近ずけない建物の一つと思っていた。
「いらっしゃいませ」
コクハは、フロントにめがけて飛んだ。
「空き部屋を一つ開いていないカー?」
「カラスが喋った!!」
フロントの人は、当然といえば当然のような対応をした。
「すみませんね。勝手にフロントの上にのってしまって、コクハ」
「何カー」
「そこに、机の上にのちゃダメだよ。僕の肩にのって」
僕が、そういうと僕の肩に飛び乗った。フロントの人は、ここまで利口なカラスを見て動揺している。
「すみませんが、まだ空き部屋は、ありませんか?1番安い部屋でいいので」
「後予約されていますか?」
「いいえ今日たまたまこの村についたので」
「そうですか?ご年齢は、15歳ですか?」
「えぇ、今月に」
コクハが、何かを言ったみたいだが聞こえなかった。
「では、3泊4日でよろしいですか?」
「いや、長い2泊3日だカー」
「3日は短くない?」
「えぇお客様が言う通りたいていの放浪人は、この村に4日ほど滞在しますが」
コクハは、料金表を見ながら答えた。
「いやこれであと部屋は、1番安くていいカー」
値段を見たが、1泊高い部屋から順番に1銀、7500銅、4000銅だ。
「せめて少しランクを上げても・・・」
「文句を言わないカー」
「では、お名前をここに」
僕は、フロントマンに言われたとおり、記入欄に名前を書いた。そして鍵をもらいその鍵に書いてある数字の部屋に向かった。
そこの部屋は、2階で1部屋だけの部屋だ。そとは、すぐに隣の家があり、海の波音しか聞こえない。ユニットバスがついていたことは、せめての救いだ。
「ふぅ〜着いた−」
「早く明日の準備をするカー」
「所でなんで3泊にしないで2泊にしたの?」
「それは、はじに小さく3泊以上の方は、特別にクリーニング料金をいただくと書いてあるカー」
「ふーん」
ギュルルル、お腹空いた。さっき携帯食料を食べたが少なくあきらかに足りない。
「どこかに食べに行くカー」
「そうだね」
僕は、財布があるかどうか確認した。
「いやその前に−」
「?」
「部屋を出る前にシャワーを浴びて出来るなら服をあるなら着替えたほうがいいカー」
僕は、それをあまり思い出したくはなかった。
「コクハ、ニオイわかるの?」
「少しなら」
それから近くの食堂で海鮮料理を食べた。それは、コクハの提案だった。だけど生で食べることに抵抗が、あったので天ぷらにした。
食事もすぐに終わり、また部屋に戻った。
「シャワーも浴びたし、ご飯も食べた♪今日は、いろいろあったからまだ早いけどもう寝よう♪」
「寝るのは、まだ早いカー」
「へっ?」
一瞬夢の中だったがすぐに起こされた。
「今日に狩った、獲物を洗わないと商品価値落ちるカー出来ればすぐしたかったが食事の猶予をあげた分ありがたく思えカー」
「もう寝てたのに−」
「諦めるカー」
「うー−−−・・・zzz」
ガツッ、コクハのくちばしが、炸裂した。
「早くしろカー」
「ん−−−っ・・・zzz」
スッ、コクハが次の攻撃を構えた。
「!!ッ起きてるよ−−−・・・zzz」
ザシュ!、コクハは、うつぶせの僕に翼で服を払いのけて口橋で指すのではなく、えぐり取るように背中を指した。
「ッッッッッッ!!!!!」
言葉で表現できないような死に至るような痛みが走る。ガサガサガサガサ、声が、出ずはいずり回る。息が、出来ない。今までで1番強烈であり、外であればその攻撃を受けただけで死を感じたかもしれない。
「普通であれば、突いて起こしたが何せここは、建物中でましては夜だカー諦めるカー」
僕は、コクハを睨んだ。初めて殺意が浮かんだ。ペンダントが、強烈に光る。空より濃い青い光、
「聖霊の御加護を」
それが、今言えた唯一の言葉だ。光は、さらに光を増し、部屋を埋め尽くした。
「まっ眩しい」
コクハは、光に包まれる僕を直視できていない。その時光の中心で一人の男が、仁王立ちしていた。
光が、弱まりドスッ、と倒れた音がした。
「ゼ−ハッ、ゼ−ハッ、ゼ−ハッ」
僕は、普通に立つことが出来ず四つん這いになっていた。そして、さっきの傷は、全くといっていいほどに痕がない。ただ服の一部を血で染まっていた。
「回復出来るんだカー」
「今の普通の人なら死んでるよ−ゼ−ハッ、ゼ−ハッ」
「普通ならよけるカー」
体が、重い足の指の爪先から頭の髪に至るまで全てが疲れる。おそらく、さっき傷は、背中を3cmをえぐっていただろう。それをあっという間に治すそれなりの代価だろう。この魔法は、お母さんから教えてもらった。それは、まず自分の体のことを知りその傷の程度から治し方までそれを一通り浮かんだら魔石の力を放出する。そのためには、例え見えなくともその傷の具合を知る。また、イメージが強ければ強いほど力を放出出来る魔石は、生命の危険のときにとても力強く使えるが代価が大きい。
現に30分ぐらいして漸く立てるぐらいになった。
「疲れた−」
「普通の人ならあんなに強い光は出さないカー」
「僕は、北の人じゃない。ハーフだ」
「ハーフね−とりあえず動けるなら早く肉等を洗うカー」
「わかったカー」
「真似するなカー」
ザクッ、
「痛−!」
鞄からいろいろと取り出しコクハの熱い指導の元、今日の獲物を洗っていった。まず最初は、チーターの
「ねぇコクハ」
「なんだカー?」
「なんか死骸とか血を洗ってるとまるでサスペンスにある死体を洗ってるみたいだね」
「それは、違うカー」
「どこが?」
「君の行為が本物カーサスペンスが、君の行為を真似しているカー」
「昔から人は、他の生物を狩っているか」
「そういうことカー」
次は、ハゲタカだ。
「ねぇ解体するの?」
「冷凍保存が出来なければ解体するカー」
「は−もう見たくない」
「旅人なら諦めるカー」
そして、コクハの言われるようにナイフを刺していく。
すると胃袋からブレスレット見たいのが出て来た。
「なんだこれ?」
「桜の・・・」
「桜?」
「いやこれは、人魚のカー」
「人魚?」
ブレスレットには、桜という文字が刻まれていた。
「こんな小さな文字を見るなんて目がいいね」
「当然カー」
「でなんで人魚なの?」
「明日説明するカー早くしないと夜終わるカー」
「えっ?」
部屋の壁掛けをみると夜の12時を指そうとした。
「もう夜中じゃん」
「早くするカー」
「うわ−っ」
「雑にやらないないカー」
それから夜の1時頃に全ての作業が終わった。
「疲れた−」
僕は、最後にその言葉を残し布団の上について長い眠りについた。
次回「僕のたび」
昨日の夜遅くまで起きていて寝不足の僕にコクハの策略で僕だけが、漁師体験をすることに
だけど、策略が思うようにはいかずコクハも行くことにかなり嫌がっていたけどなんか海であるのかな?
そのまま楽しい漁師体験と思っているとなんと僕が、海のまものを釣りあわや命の危機に
どうなることやら
第2部2幕「海の見える風景」
・・・余り期待しないでください。
それではまた、このネットの世界で




