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#4 永遠に儚い少女の願いデカリットル
麗美と蘭子は吸血鬼の姉妹である。
生活の保障と引き換えに国家への協力を要求された2人は、社会に紛れて人を喰らう無法の吸血鬼たちと長年戦ってきた。
その結果、吸血鬼による犯罪は激減し、姉妹の仕事はもっぱら自宅警備と宅配受取になった。
この物語は、そんな哀れな吸血鬼姉妹の口数の多い姉、麗美と、
基本的に自室から出ない妹、蘭子と、
姉妹をサポートする対吸血鬼班の刑事であるジローの壮絶な戦いを記した短篇集である。
「私はね」
ベッドで漫画本を読みながら、麗美が呟いた
「こうやって一生、マンガとかアニメとか見ながらダラダラ暮らせれば、それだけで幸せなのよ」
不老不死の少女の、切なる願い。それを聞いたジローが、こう言った。
「ムカついたんで10年後くらいにブッ殺す」