2,Step:「ガルディーズ」
〚前回までのあらすじ〛
魔王職を(一時的に)終えたボスは、元の世界・・・自分の家に帰ろうとした。
しかし、それと同じくしてスラナが同行することになった・・・
そんな中・・・とある世界から「助けて」の声が聞こえる
それをいち早く察知したボスは、声がする場所へ向かう
そこには、クロウという少年が将軍と言われる謎の人物達に捕まってしまいそうになっていた。
そこへ・・・! ボス達が目の前に現れる!
「異端者」と言われてしまうボス達だったが・・・難なく将軍を逃げられてしまうが撃破した。
そしてクロウの道案内の末。 とある廃墟へと辿り着く
そこでは、複数人の青年や少年少女達が暮らしていた・・・
話によると、突然現れた謎の男により・・・町はゴーストタウンのように荒れ果ててしまったという・・・
そんな中で作られてた”ルール”という物。
聞かされる物は、全て無茶苦茶で理不尽なルールだった・・・。
そんな中・・・メンバー達の空腹が限界だという事に気がついたボスは食料を調達しに町へ出る。
―――――{2,Step:「ガルディーズ」}―――――
―――――――-❖-―――――――
ボスは、町の路地裏を歩いていた。
「う~ん・・・MAPでは、確かにこの先に店があるんだけどなぁ~・・・」
ボスは先の道を見てみる
明らかに何かに襲われてもおかしくない獣道だった。
「どうすんだよ・・・どの道、この道を通らなきゃ店にありつけねぇし・・・」
「かと言って、この先を進めば・・・出来事が発生する。 絶対発生する。」
ボスは、路地裏をジー・・・っと見ていた
「えぇい! 行けば都! 何でも試してみるもんだって、とある偉い人が言ってたし! 行くぞぅ! よし行くぞぅ!」
ボスは、自分に渇を入れながら獣道へと進んでいく・・・
その頃、スラナが警護する廃墟では・・・
「スラナさん、貴方は・・・彼のお側役っと聞きましたが・・・」
リーダーがスラナに質問をする
「えぇ・・・彼のお傍に仕えるのが、私の役目ですので・・・」
「そうですか・・・失礼。 てっきり、彼の事を愛してると・・・」
「う~ん・・・まぁ、そんな感情は今でも少しだけありますかね」
スラナの台詞にリーダーは少し驚きの表情を見せた
「ですが、私はあくまで彼のお傍に仕える者。」
「それ以上のそれ以下でもありません」
スラナは、にっこりと笑顔を見せて答えた。
……しかし、その笑顔には・・・少し寂しい感情が見えた。
―――――――-❖-―――――――
「ハクシュン! ヴァ~~・・・」
ボスはくしゃみをする。
「誰か・・・俺のうわさをしているな~? 予想的には、スラナだな」
「しかし・・・あれから数分ほど歩いてるけども・・・全然何も変化なし、というか・・・そろそろ出口だ」
「なんだ、案外簡単……」
ボスは、通りの出口寸前で止まった・・・
殺気を感じる・・・敵は・・・ざっと3名。
(敵か・・・少し厄介な連中に目を付けられちまったか?)
ボスは警戒しながら前へと進む・・・
それと同時にしゃがみこみ、壁に攻撃態勢で待機していた敵の攻撃を見事にかわした!
しかし・・・! もう一人がナイフを構えて突進してくる・・・!
「おっと。」
”ヒュパッ!”
ボスの触手がナイフを握っていた腕に絡みつき締め上げる
「ぐあああぁぁぁぁ・・・!」
「何ッ!?」
「無駄無駄ァ~~!!」
”クンッ”
ボスは、触手を引くと・・・ナイフを握っていた男の腕にしがみつかまれた触手が、さらに締め上げる・・・!
「ぎゃああああああッ!!!」
「腕を落とされたくなかったら、そこを潔く退くんだな。」
「くっ・・・!」
「待ちな。」
影の中から一人の青年が現れる。
「……女性じゃないのが少しがっかりだな。」
「悪かったな……”流離人”が、こんな所に何のようだ? ……いや、当ててやろう」
ボスは無言で青年を見る
「大方、お前はこの先にある店の食料を手に入れたくて勇気を振り絞って来た・・・そうだろう?」
「半分正解で半分外れだ。 答え合わせは・・・”俺は、お前らをぶっ潰して店に行く”だ。」
ボスの一撃が、青年の顔面に当たった―――かに思えた。 だが……
「良い拳だ。 だけども、甘いな」
「ほぅ・・・気配的に読んでいたが、防いじゃう?」
青年はギリギリ、ボスの拳を”素手”で掴んで攻撃の勢いを止めていた
「防いじゃいけないのか?」
青年の反撃がボスへ襲い掛かる・・・! しかし、ボスは素早く手を離して回避した
「おっと、危ない危ない・・・」
「へぇ・・・お前、改めてこうしてみると流離人っぽくないな・・・一体何者だ?」
「相手の素性を知る前に、まずは自分から教えるべきじゃないのか?」
「これは失礼。 俺の名は”ケイン” ガルディーズの副総長をしている者だ」
「ほぅ・・・お前がガルディーズの・・・」
「流石にガルディーズの名は知っているようだな。 さぁ・・・次はあんたの番だぜ?」
「OK、俺の名は”ボス” ……異端者っつー分類に入るモンだ。 宜しく哀愁」
それを聞いたケインの顔が少しだけ真面目な顔になる
(異端者・・・? まさか・・・! これは、結構やばい相手と出くわしたかもしれねぇな・・・)
「そうか、異端者ねぇ~・・・」
ケインは、少し間を空けるも平然とした顔で答えた
「これはこれで面白い奴と出くわしたもんだな・・・いいぜ、店はこの先だ。 好きに通りな」
「ケインさん! 良いんですか!?」
後ろで下っぱらしき不良がケインに意見する
「まぁ今回は、こいつの意気込みに免じて行かしてやろうじゃねぇか・・・」
(それに・・・相手が異端者となると幾ら俺でも太刀打ち出来るかどうか・・・)
ケインの表情には余裕が見えているかに思えたが、実際はそうではない。
相手が異端者となると、自分の力が敵うかどうかも分からない相手・・・ましてや、先ほどの戦闘で普通の流離人ならば平然と食らっていたであろう攻撃を防いだ・・・
それが分かってしまったら・・・ここは通すしかない。
「良いね、話が分かる相手ってのは・・・」
「それじゃ、ここは素直に通らしてもらうよ」
ケインの横をボスは通り過ぎた……その時に感じた”寒気” ゾッとくるような恐ろしい冷たい感覚がケインに伝わった。
(こいつ・・・何て殺気なんだ・・・!? この殺気が出せるのは・・・)
”人を殺した奴でしか出せない者だけ・・・!”
「あぁそうそう。 下手な真似はしない方が身の為だよ」
俺は平然と人を殺せちゃうから――――
冗談に聞こえなかった。
「殺せちゃう」―――? 馬鹿な。 あいつは本当に俺達を殺せた。
なのに・・・殺意を出したというのに殺しにかからなかった・・・
何故だ? 何故、不気味でも無い・・・平然とした笑顔で言えるんだ?
分からない・・・さっぱり分からない・・・
ボスは、奥へと進む・・・
「……正直、人を殺すのは・・・あの時だけで良かったんだよ。 本当は・・・」
その時、ボソッ・・・っと呟いた一言。
(サラには・・・絶対見せたくないよな。 あんな姿。)
―――――――-❖-―――――――
そして・・・暫らく薄暗い路地を通ると・・・その先に、一軒の店が建っていた。
『グルーディ』という名前が鉄板に白いテープで文字を書くようにして貼っただけの簡単な看板が目立っていた。
「ここか・・・本当に大丈夫なのか? この店・・・」
ボスは、店の中に入っていく
「いらっしゃい」
商品が並ぶ棚を挟んでヒゲを生やした男がレジに座りながら新聞を読んでいた。
そんな中、新聞から少しだけ目をそらしてボスの姿を見た瞬間、「へぇ・・・」っと少し驚いた顔でボスを見る。
「珍しいな、ここいら辺はガルディーズの住処だってのに・・・よくケインの許しを取れたな」
「一発殴ってやったら通してくれたよ。 多少ビクビクしてたけどな」
「……こいつはさらにたまげたなぁ・・・! あのケインに一発ぶち込んでやるとぁ・・・キモが座ってるというか・・・」
「結果的には防御されたんだよ。 だけど何故か通してくれてね」
「ほぉ~・・・普通は殴った後に強力な反撃食らうのにか?」
「強力? ”あの程度”が?」
ボスの言葉に完璧にビックリし、唖然とする店主。
「お前・・・それ、マジで言ってるか?」
「大マジだが?」
「……ぷっ・・・ぶわっははははははは!!!」
店主は、高笑いをしながらボスの肩をパンパン叩く
「何か可笑しい事でも言ったか?」
「いやいや・・・マジで驚かされたぜぇ~~・・・とうとうガルディーズ壊滅の危機かぁ~?」
(確か、ケインとかいう奴・・・副総長とか言ってたような・・・)
「いいか? ケインは、ガルディーズの中でも総長の右手と言われる奴だ」
「それを負かすとはぁ~・・・あんたやるねぇ・・・」
「負かす? 引き分けの間違いだろ?」
「いんや、その勝負はあんたの勝ちだよ。 ケインの奴をビビらせたんだからな」
「へぇ~・・・」 (それなりに凄い奴だったんだな・・・ケインの奴)
「さて・・・ここに来たって事は、食料を取りに来たんだな?」
「あぁ、”ニンジン”と”じゃがいも”、”肉”と”カレールーの素”無いか?」
「何だ? カレー作るならカレー作りたいといえば良いじゃないか」
「カレー作りは、人それぞれ・・・俺が思っている材料を相手が間違わない為さ」
「成る程、よっしゃ後ろの棚から取りな!」
ボスは棚からニンジンとじゃがいも、肉とカレールーの素を手にした
「あっ・・・そういえば、金って要るんだよな? 当然。」
「あぁ、まさか・・・忘れたか?」
「……生憎・・・ね。」
「しゃあねぇなぁ~・・・お代はツケにしてやるよ。 その代わり・・・また来た時は面白い話してくれよ?」
「気前が良いね~・・・そういうのは嫌いじゃないぜ?」
ボスは意気揚々と店を後にした。
―――――――-❖-―――――――
その帰り道……
「あれか」
『ターゲット”異端者Ⅰ”―――確認完了。』
『観察モードから戦闘モードに移行。 スタンバイOK……』
「よし、行くぞ!」
ビルの屋上から、ボスを監視している二人の影はボスの目の前に飛び降りた
「何だ? 今度は、まーた変な輩が・・・」
「異端者Ⅰ……お前を拘束する。 大人しく投降しろ」
降りてきたのは、以前戦った将軍とよく似た迷彩服を着た軍人らしき者と同じくベレー帽を被り、迷彩服を着た胸が大きい女性だった。
「やっと敵さんに花が出てきたな。 ナイスパイ乳。」
「むっ・・・何と破廉恥な・・・」
軍人は、ボスの発言にムッと睨みつける。
「軍人さんよ、あんたも男なら女とかに興味持ちなさいよ」
「卑猥だとか破廉恥だとか・・・そんなの男の損と言うんだぜ?」
「えぇい! 黙れ!」
後ろで立っていた女軍人が、男の指示と同時にホイスターから拳銃を取り出す!
「おいおい、それだから"童貞"って聞かれるんだぜ?」
「……ッ! 撃て!」
『Yes,Sir!』
”バンッ”
銃声が一発鳴り響く・・・
「甘いね、甘い甘い。」
しかし、ボスの声が聞こえる・・・触手を盾に変え、銃撃を防いだのだ
「ほう・・・それが、将軍から聞かされた厳重注意行動か・・・」
「随分と昭和を彷彿させる台詞だねぇ~・・・昭和生まれの人?」
「昭和? なんだそれは・・・?」
「あっ・・・今の無し。 俺の戯言だわ」
「……? まぁいい・・・│それ《・・》を打ち砕く方法など、既に入手している」
「武装変換! 銃撃から杭打ちへ!」
『Yes,Boss!』
女軍人の両腕から巨大な銀杭が出てくる!
「ワォ・・・お姉さんロボ系の人?」
「いいや、アンドロイドと言った方がベターかな?」
「戯言を・・・串刺しにされるが良い!!」
「おいおい、こっちは荷物持ちなんです……」
ボスは荷物を持ちながらも、突進してくる女軍人から逃げず・・・どうどうと仁王立ちでいた。
そして、杭が盾とぶつかり合う!
「はい、馬鹿が掛かる~~♪」
「何!?」
なんと言うことか・・・杭は全然盾に敵わずして逆に打ち破られ砕けてしまった・・・!
『アタッチメント装備に異常発生。 MYマスター、早急なる指示を』
「くっ・・・! すぐに武装変換! 通常モードに移行!」
女軍人の腕から出ていた杭は戻され、何時もの美人な女軍人に元通りになる。
「うんうん、そのモードが一番だな」
「己・・・!」
「それに比べて・・・あんたは、命令ばっか・・・つまんねぇなぁ~そういうタイプの人間って」
「つま・・・! クソッ!」
『マスター、ここは一旦撤収を要求します。』
「くぅ・・・分かった・・・今回の目的はあくまでデータ回収。 これで勝ち誇るなよ!」
そう言い残し、二人の軍人は嵐の如く去っていった・・・
「うわぁ~・・・久々に捨て台詞を聞いたような気がする・・・」
ボスは苦笑しながら皆が待つ廃墟へと戻っていく
―――――――-❖-―――――――
「ただいまぁ~~・・・」
「おかえりなさいませ、魔王。」
「……そこはせめて『ご主人様』とか言って欲しかった」
「口が裂けても言いたくありません」
「ですよねー」
「驚いた・・・まさか、本当に食料を手に入れてくるなんて・・・」
スクールーズのメンバー全員は、ボスの帰還に驚いていた。
「へぇ~あんた中々キモが座ってるじゃん♪」
「その台詞、店主の奴にも言われたぞ」
「あっ・・・そうそう、お金の話だが・・・」
「そうだ、それなんだ・・・金も無いのにどうして食料なんか?」
「いや・・・ツケてやるってさ。 気前のいい店主だねぇ~・・・って、どうしたの?」
ボスの台詞に一同は唖然としていた。
「うっそ・・・あんた、あの店主に気に入られたの?」
「こりゃ・・・少し、やばい気がしてきた・・・」
「……?」
「まぁ、そんな事よりも・・・手に入れた食料は?」
「あぁ・・・折角の歓迎記念だ。 俺が腕を振るってやるよ」
「ボス、私もお手伝いを・・・」
「おぉ、サンキュー」
二人は、台所へと向かう。
「……さて、クロウの様子はどうだ? ”クルミ”」
「もう大丈夫だよ、傷は打撲と肋骨の数箇所だけの骨折だから・・・」
クルミと呼ばれる女の子は、クロウの症状を言った
「そうか・・・それでも重症だな」
「まったく・・・許せない奴らだね!」
「落ち着けカルティ。 結果的には、彼らが助けてくれたんだ。 それだけでも良しとしようじゃないか」
「でも、リーダー・・・!」
「それに・・・今の俺達に彼らという強力な味方が就いてくれた」
「これで、奴らに反撃が出来るかもしれない・・・!」
「あぁ・・・元の平和な退屈な日常を取り戻す!」
リーダーとカルティは互いに闘志を燃やしていた。
「うっ・・・ここは?」
「あっ! クロウ! やっと起きた!」
クルミの言葉に全メンバーが反応する
「皆?」
「うん! 良かった・・・! クロウが居なくなったらと思うと私・・・!」
クルミの瞳から一筋の涙が・・・
「クルミ・・・泣くなって・・・」
クロウは、ゆっくりとクルミの涙を拭き取る。
「心配したぞ、クロウ。」
「リーダー・・・」
「まったく・・・あの二人が助けに入らなかったら、今頃こんな事になっていないよ!?」
「すみません、カルティ姉さん・・・」
「たくっ・・・! あんたはアタイの大事な弟分なんだから、しっかりしなよ」
「すみません・・・本当に・・・すみません・・・」
クロウの目から涙がこぼれる
「あー・・・感動の涙まみれのシーン中・・・悪いんだが・・・飯の支度がジャストに出来ましたぞ」
「本当に狙ったかのようですね、ボス。」
「本当にね・・・あるんだね、こんな事・・・」
その後・・・ファミリー皆でカレーをおいしく頂きました。
〚あとがき〛
Heyどうも。 零式でおまっww
今回は、少々更新が遅れてしまったようで・・・(まぁ、何時もの事だけどね。)
現在、私は色々と生き延びてます。
就職探ししたり、職安で仕事探ししてたり、アルバイト募集が無いか一日中探し回ったり・・・
……クソッォ~~・・・マイケルの曲が心に染みて目から涙が・・・(´;ω;`)
マイケルは本当に最高の男であり、最高の歌手でもありました
本当に惜しい人を亡くしたよ・・・本当に・・・
さて、そんな天国の神様にスカウトされて毎日ライブをしているキングオブポップの事は置いといて・・・
次回は、ちょこっと恋愛(?)的な話でもしようかなと思っています。
すっごいマイナーで定番な恋愛ネタです。
さてさて・・・次回は、果たしてどうなるのかしら・・・?
それを知りたいのは私です。
あぁ、それと・・・やっと・・・やっとお気に入り件数で30件突破したお!
やったねた○ちゃん!(おいばかやめろ)
でも、色々と減ったりするので土器土器です。
アクセス数も半端ないよ。本当にありがとうございます。
この小説+他の小説も含め・・・うp主は皆さんの温もりで強くなる奴です。