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「突然ですが、貴方は今から魔王です。」  作者: 野菜イタメ
第一部―――・・・「突然ですが、貴方は今から魔王です。」
20/25

(現在編集中)第二〇話:「ケリをつける時!」

〚前回までのあらすじ〛


本当の自分……肉親を殺した自分の姿をさらけてしまったボス。

しかし、彼の心に一人の女性が浮かび上がる・・・。


”サラ”


彼女が、ボスの心を癒したおかげで出来たもう一つの感情。

偽りだけども本当の・・・今のボスの姿が生まれた。

その感情が、冷たい自分を溶かす。


そして・・・寅午との戦闘を開始したボス・・・!

だが・・・寅午の力に一歩及ばず、地に落ちてしまう・・・

しかし・・・そこに現れた一人の人物。

なんと・・・! 初代魔王がボスの力を借り、蘇ったのだ・・・!


「さぁ、覚悟しろ! 寅午ッ!!」



―――・・・第十九話:『ケリをつける時!』

「さぁ、覚悟しろ! 寅午ッ!!」

【こんの・・・死にぞこないの殺人鬼がぁ・・・!】

「……俺は、殺人鬼ではない・・・俺は、”普通の人間”だ」

【嘘を・・・つくなッ!!】


ボスは、構えた。

しかし・・・初代魔王がボスを後ろに下げながら前に出る。


「ボス・・・ここは、俺にやらせろ。」

「初代魔王・・・」

「こいつには、殺された貸しがある。 今・・・それを返してもらうッ!」


その言葉で、寅午はキレた。

もう、その表情には笑みという存在が消え・・・怒り狂った表情だけになっていた。


【どいつもこいつも死んだと思えば生きていた・・・! 死ねよ! 殺したんだから死ねよ!】

【死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ!!!】


寅午の言葉に初代魔王は、呆れ果てていた。


「呆れたぜ・・・まさか、こんなキチガイ野郎なんかに殺されちまうとはな・・・」

「魔王たる者の恥・・・って奴だな・・・こりゃ・・・」


”プッツン”


【もう一度殺してやるッ!!】


寅午は、猛烈に突進を仕掛けてくる。

凄い殺気、気迫。

だが・・・魔王からしてみれば、ブタが体当たりをしてくるような感じだった。


”ドォォォーーーーーン!!!”


強烈な風圧が回り全体に吹き荒れる。

寅午は、その風圧で怯んだ。


「ほぅら、怯んだ怯んだ。」


寅午の目の前に初代魔王が漆黒の剣を今にも振り払わんと構えていた。


【!?】

「遠くまで吹っ飛ぶが良い。」



”エクスト・ツイスター”―――!!



斬撃が、寅午の肉体を割いた。

その一撃は、確実に手ごたえのある・・・相手を仕留めた一撃だった。


「終わったな。」

「……! いや! まだ終わってないッ!」


【えぇ、そうですよ?】


赤黒い霧が集まっていき・・・どんどん人の形を形どる。

そして、霧は晴れ・・・そこには寅午が立っていた。


【私は、”タタリ”と呼ばれる分類の者と同じ存在なので・・・不死なのですよ】

「そう・・・お前は、吸血鬼でもなんでもない・・・だが、その名に相応しいともまで言われた。」

【私は、血や何も吸いません。 食する事なぞありえない。】

【だが・・・人の命だけは食らう。】

「化けモンだな・・・まるっきり・・・」

初代魔王は、剣を再び構える。

【さぁ・・・殺しきれるのならば、殺しきれ! 私を殺してみろ! そこのボスがやったように・・・!】



―――――-❖-―――――



「ボス・・・! 大丈夫ですか・・・!?」

初代魔王が戦っている中・・・スラナ達は、負傷したボスの手当てをする。

「あぁ・・・すまねぇな、ざまぁねぇ姿さらして・・・」

「何を・・・! 貴方は立派に戦っているじゃないですか・・・!」

「…………。」

リナが、近くに寄ってくる。

「……どうして、かなしいかおしてるの?」

「……ッ!」

リナの言葉にボスは、一人の女性を思い出す。


―――サラ・・・。

無口で、何を考えているのか少し分からない所が多少あるが・・・

愛らしく、そして何よりも美しい彼女・・・。

……こんな俺でも、愛してくれたたった一人の女性。

もう、誰も愛さないと決めたのに・・・決めたのに彼女と出会った。

そして、恋をした。

そうだ・・・まだ死ねない。


まだ―――


「俺はあいつを抱きしめていない。」

ボスは、起き上がる。

「ボス?」

「ありがとう、スラナ、クリナ、ウル、リナ。」

「俺は……私は、まだ戦える。」


長い黒髪が風に舞う。



―――――-❖-―――――



「くっ・・・! 結構やるじゃねぇか・・・!」

【さぁ死ね! 今死ね! さっさと死……!】


寅午の手が止まる。


殺気―――

いや、それとは違った気配。

確かに殺しの行為をするが、悪意ではなく善意。

そして、何よりもこれは……


「正しい殺し」


寅午は、声がした方を振り向く

そこに居たのは・・・


【お・・・まえ・・・は・・・?】


そこには、長い黒髪の女が立っていた。

漆黒のように黒い髪。 少し色白だが健康な肌。

”日本”という世界では、一般といわれる女性。

そんな女性が立っていた。


「あたし? あたしの名は”ボス”」

「彼とは違う、別のボス。 同じだけど違う。 違うけど同じ。」


【……!?】


「ボ・・・ス・・・?」

寅午だけではなく、スラナ達もボスの姿に驚く

「えぇ、ボスだけど?」

ボスは、にっこりと愛らしい笑顔をしながら言葉を返す。


【馬鹿なッ!!!】


寅午は大声で吠える。

「うっるさいな~・・・もう少し声のボリューム下げれないわけ?」

ボスは、寅午の突然の大声で耳を塞ぐ

【ありえぬっ・・・! ”入れ替わり”など・・・ありえない・・・!】


「入れ替わり・・・?」

「……彼と私だけの唯一の接触。 ”別の世界の自分と入れ替わる事が出来る”」

「そ、それが"入れ替わり"・・・」

【不可能だ・・・! 不可能な筈・・・! それもアルカー……】

「いいえ、これは私だからこそ出来ちゃった事だから」

【な・・・に・・・?】

「今頃、彼は私のベットでお休み中よ? きっと・・・」


ボスは、初代魔王に近づく

「こいつは、たまげたな・・・まさか託した人間が、こんなベッピンさんだったとはな・・・」

初代魔王は、小さく笑う。

「毎日お風呂に入ってるんだから、綺麗なのは当たり前。 なーんてね♪」

初代魔王の体が、だんだん薄れていく・・・

「ま、魔王様ッ! 体が・・・!」

「あら・・・? もう限界タイムアップかよ・・・おしいなぁ~・・・」

「多分、彼が居なくなっちゃったからね・・・」

「仕方ないか・・・ボス!」

初代魔王は、ボスに漆黒の剣を手渡す。

「……これは?」

「俺の愛用の剣だ! それで代わりにアイツをぶった切ってくれ!」

だんだん、初代魔王の姿が消えていく・・・

「魔王様・・・!」

「スラナ・・・悪かったな、まだ・・・お前の事・・・」

スラナは首を横に振る。

「私も・・・気づいてましたから・・・貴方の気持ち。」

「……そっか、ははっ! それだけ聞ければ後は未練も無しだ! これで・・・ゆっくり寝れ・・・る。」

それを言い残すと、魔王の体は消えてなくなった。


【ははははははははは!!! 消えた! 殺した! 殺してやった! あはははははははは!!!】


寅午は、高笑いをする。

「こんのぉ・・・!」

スラナは、立ち上がり拳を握り締めた。

しかし、その前にボスが背を向けるように立ちふさがる。

その手には、しっかりと漆黒の剣が握られていた。

構えは、剣道の構えのように・・・しっかりと・・・集中を高める構えを取っていた。

「人を罵倒するのは……」

剣を振り上げる。


「許さないッ!!!」


一閃。


寅午の体は、一瞬にして消え去った。

だが、ボスの顔には・・・満足とした顔が見えない。

そう・・・それは、つまり・・・

【無駄だ・・・無駄・・・無駄ッ!!】


また、一閃。


しかし、今度は形が残る状態で倒れていた。

【がはっ・・・! くくくっ・・・! 無駄無駄無駄・・・!】

(嘘・・・! せっかく入れ替わったのに・・・!)





『構わない、もう一度打て。』





頭の中に声が響く

それは・・・彼の声だった。




『今度は、少し弱めに・・・ギリギリ致命傷を避けれる程度に打て。』





「……よし!」

ボスは、強く剣を握り締める。

再び剣を振り上げた。


【無駄だというのに・・・! 打ってみるが良いッ!! 一撃を許す!】





『今だ、打てッ!』





「でやあああああああぁぁぁぁぁ!!!」


神々しい一撃が、再び決まった。

血まみれになりながらも起き上がる寅午。

【ふふふ・・・無駄だと言っただろう? 所詮、人間が私に勝てることな……!】

寅午の手からヒビが・・・その他にも・・・どんどんヒビが入っていく・・・!

【馬鹿な・・・! こ、これは・・・!】


「成る程・・・そういうことね。」

「貴方は、確かに不死だわ。」

「でも、それは"死んでだからこそ"起きる不死。」

「体が消滅、肉体の死滅。 その時に発動する。」


つまり……一撃が大きければ大きいほど、寅午の生存率は確定へとなってしまうのだ・・・!

そして、寅午を殺す最良の方法・・・それは・・・


「一定のダメージを与え、肉体と魂に限界を来たさせる事」


【……!?】


「つまり・・・次の本気の一撃で、貴方の命が幕を下ろす。」

【さ、させん・・・! させてたまるか・・・!】


寅午は、肉体がボロボロになりながらも変わらぬ速度で接近をしてくる。




「消えろ。 お前の居場所は、もう・・・何処にも無い!」

『消えろ。 お前の居場所は、もう・・・何処にも無い!』




”闇を切り裂く、漆黒の刃 DarkNess Blade”―――!!!




漆黒の一撃が決まった―――


煙が晴れる……。


寅午は、立っていた。

ただ・・・立っていた。


【ははは・・・無駄だったのは・・・わた・・・し・・・】


”ザァァァァ……”


まるで砂のように・・・寅午の体は散っていった。


「さようなら。 貴方は・・・私と彼にとって、最悪の出来事イベントだったわ」


\終わると思っていたのか?/ \あとがき/ \やめろー!/


どうも、最終回だと言ったかな? ありゃ嘘だ。

……本当に申し訳ない。


次回は・・・! 次回は、ちゃんと最終回なので・・・最終回だから・・・!

まぁ・・・そんな訳で、次回は最終回です。

どんな展開になるのかは・・・少しお待ちを・・・


そんでもって、話は切り替わりますが・・・

女性のボス。 やっと出せたよ・・・!

何時出そうか悩んでましたが、やっぱり最終回前に出しといて正解でした。


性格は、よく見かける(?)女子高生みたいな性格。

正義感溢れるかわいこちゃんです。

(もっと分かりやすく言えば、夢小説とかに出てくる主人公的なヒロインです。)


彼女と彼は、性格も違うし顔つきも少し違う。

でも、同じなのは同じ。

彼が死ねば、彼女も死ぬ。 彼女が死ねば、彼も死ぬ。

つまりは、”パラレルパラドックス”みたいな関係って訳です。(意味腐)


……まぁ、彼女も彼の事が若干好きだとか好きじゃないとか・・・(嫌いじゃないわ!)


まぁ・・・そんな感じで変なまとめですが、次回はいよいよ最終回。

当然、短い終わり方よ。 期待しない方が良いかも……いや、最終回なんで期待しても良いのよ?

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