表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「突然ですが、貴方は今から魔王です。」  作者: 野菜イタメ
第一部―――・・・「突然ですが、貴方は今から魔王です。」
19/25

(現在編集中)第十九話:「Last Dance,」

〚前回までのあらすじ〛


―――ボスと寅午は戦っていた。


そこで、言われた事。


「自分の肉親を殺害した」


どうでもいい。 あんなモノ。


ソウ、ドウデモ……。


〘登場キャラ〙


・ボス:二代目魔王。 昔、自分の肉親を殺害した。

・スラナ:魔王秘書。 王子を連れてボスの下へ・・・

・クリナ:警備員。 同じく魔王の下へ・・・

・ウル:警備員。 同々。

・リナ:魔法使い。 ボスの事が心配で、胸がいっぱい。

・寅午:この世の恐怖トラウマ。 不気味で奇妙な奴。



――――――・・・第十八話:『Last Dance,』


〖ミスラカル城〗


「はぁ・・・はぁ・・・!」


スラナ達は、王子を連れてボスの下へと急ぐ。

「王子! こっちです!」

「あぁ! 分かっている!」

王子は、スラナ達について行く

囚われて、体力が消耗していたにも関わらず・・・必死に走っていた。


「何としても・・・何としても、アイツ(寅午)の悪事を止めなくては・・・!」





その頃、王座では・・・


【さぁ、お前の思い・・・私にぶつけろッ!!】

ボスと寅午が向き合っていた。

寅午が吠える中・・・ボスは、先ほどとは違う顔つきで落ち着いてた。

「それで・・・満足するのか?」

【勿論。 私はね・・・キミから思いをぶつけてもらって、そして殺すだけで満足なんだよ。】

【それが、私がしてきた事。 君達にとっては”罪”という名の行動だよ。】

「くだらねぇ・・・もう少し、単調な言い方が出来ないのか?」

【悪いね。 私は、大変不器用な物だからさッ!】


寅午は、攻撃を仕掛けてきた。

先ほどと同じように・・・かまいたちでの攻撃。

「不器用者め・・・攻撃が雑すぎるぞ!」

しかし、今のボスの前では無意味。

ボスの触手達が刀の形へ変わり、かまいたちを全て斬る。


【ふむ・・・接近戦も不可。 遠距離からの攻撃も不可。】

「諦めて殺されろ。 特別に痛み無しで殺してやるよ」

【はははッ! 何を馬鹿な事を・・・! 死には痛みが付き物だろう? それに・・・】

「バレたか・・・そうだよ、苦しませながら殺す気だったさ」

【そうかそうか・・・キミは実に最低で最高の人間だよ】

「そりゃどうも」





スラナ達は、ようやく王座近くの付近まで辿り着いていた。


「しかし・・・この床に転がっている兵士達は、全部君達が?」

「えぇ。 殆ど暴走気味のスラナさんが……あっ・・・やっぱり今の無しで」

「……?」

「皆さん、もうそろそろ魔王が戦っている場所へ着きますよ・・・。」


全員は息を呑んだ。 無理もないだろう。

相手は、ボスですら敵うかどうか分からない相手・・・それを相手にしなくてはならないのだから。

全員に緊張と闘志が高まる。


「見えたッ! あそこ!」

スラナが指差す方向には、ボスと寅午が向き合っている風景が・・・

「魔王様!!」

「あれが・・・魔王?」





スラナ達の声が聞こえる。


「皆・・・か?」

【おや? 丁度いいじゃないですか】

【ここで、貴方の本性をぶちまけたらどうです?】

「黙れ、ここからは戯言は禁句とする。」

ボスは、寅午を睨む。

【おぉ、怖い怖い。 失敬失敬・・・】



―――そうだ。

あいつ等には、こんな姿を見せなくても良い。

どんなに卑怯でも、どんなに酷くても、こんな姿を見せるものか。


―――俺は、昔じゃなく、今の姿。 皆の前で振舞っている姿こそが・・・自分に相応しい!



ボスの目から、先ほどの殺意が消え去っていく・・・。


「おう、遅かったじゃないか。 待ってたぜ?」

そして・・・何時もと同じような顔でスラナ達を迎える。

それは、”偽り”と呼んでも相応しい。 だが・・・今の彼のあるべき姿。

”ボス”という名の人物を演じる為の嘘だけども本当の感情。


「すみません・・・まさか、王子が城の端っこに閉じ込められていたとは・・・」

「…………。」

「ボス?」

ボスは、スラナの頭に手を乗せ撫でる。

「よく帰ってきたな、偉いぞ」


王子は、ボスの近寄る。

「貴方が、二代目魔王・・・。」

「はい。 私が二代目魔王。 ボスと言います」

(驚いた・・・こんな普通の青年が魔王だなんて・・・)

「すまない・・・共存の話は聞かせてもらった。 この事件が終わったら・・・」

「えぇ、お願いしますよ?」

「我がミスラカルの名に誓って・・・!」





【不愉快だ】


その光景を目にしていた寅午の表情には、笑みさえ失われていた。

【実に不愉快、とても不愉快、酷く不愉快だ】

「それは、残念だったな。」

「寅午・・・! 我がミスラカルの名を汚した汝を・・・我は許さんぞッ!」


”ギリッ・・・!”


寅午は、怒りのあまり一つだけ歯切りをした。

【もう良い、完全にキレた。 貴様ら全員殺す。】


黒い闇が城全体を覆いつくす。


「な、何だ・・・!?」

「ようやく本気で来たか・・・」


闇が晴れ、そこら一面の景色は・・・一つの王宮へと変わった。

小鳥がさえずり、太陽の光が眩く照らす。

まるで天国の様な・・・そんな感じの場所だった。


【美しい所だろう? 私が生まれた場所。 前の私の最後を描かれた場所だ】

【ようこそ。 我が生き地。 ”グランド・ニュクス”へ・・・】


「場所を移動して何になる? 最後の足掻きという奴か?」


【いいや、最後の死に場所には相応しい場所だと思ってね。】

【良いだろう? 天国で死ぬようで・・・】


「あー・・・そういうのってあんま好きじゃないんだよね・・・」


ボスと寅午。

この二人の会話は、平然としているようだけども・・・それは間違い。

辺りの者からすれば、恐ろしくて近づけない程の威圧。

現に王子とスラナ達の顔には、汗が出ていた。


「スラナ達は、王子の防御に専念してくれ。 俺はアイツとケリをつける。」

「りょ・・・了解しました。」

スラナは、ビクビクしながらも答える。

さっきから、ボスの雰囲気が何時もと同じだけども何かが違う。

それに・・・寅午さえも恐ろしい存在。 たとえ一緒に戦った所で・・・足手まといとなってしまう。

ここは、潔く引くのが正解。 無理に行けば絶対に死ぬ。

「ボス・・・負けないでくださいね。」

「あぁ……スラナ。」

「はい?」

「……行ってくる。」





ボスと寅午は睨み合う。


「ようやくだな。」

【えぇ、最高の決着としましょうか】


”バチィィィーーーン!!!”


二人の攻撃が弾け合い、その衝撃で二人は後ろに下がる。


寅午が先手を取った、先ほどとは違う無数のかまいたちが飛んでくる・・・!

しかし、ボスはそのかまいたちを全て斬り刻む。

キラキラと美しい触手が舞う・・・。


【はははははははは!! 楽しい! 実に楽しいじゃないか!!】


その後も、寅午はかまいたちを飛ばしてきた。

当然、全て切り刻まれるが・・・そろそろ限界が近い。

また一つ、また一つと・・・ボスの体は切られる。


【どうした!? どんどん切られているぞ!! はははははははははは!!!】


次に放たれた一撃はとても大きかったッ!!


「……ッ!!」

(クッ・・・よけ……)

ボスは回避しようとした、だが・・・できない・・・!

後ろには、スラナ達が居る・・・もしかわせばただではすまない。それは自分も同じ。

避ければ助かる。 だが・・・それを選べばスラナ達が・・・

迷う事はなかった。 ボスは、足掻きだが・・・触手を盾の形に変えて防御体勢を整える。

打ち負けるのは理解できる。 だが・・・やらないだけマシ・・・!


直撃。


肉体は切られなかったが・・・内臓や骨・・・肉体全部に酷くダメージが響く一撃を食らってしまう・・・!


「がはっ・・・!」


一撃の衝撃はとてもキツかった・・・

意識さえも飛びそうな・・・血が・・・


「魔王様ッ!!!」


スラナ達の叫び声・・・意識が・・・消え・・・る・・・








―――――――√\________







「起きろ、私の願いを叶えずに死ぬのは許さんぞ?」





だ・・・れ・・・?




「忘れたか? この声を・・・」





知っている。 覚えている。 この声は・・・!




「さっさと起きろ、俺も手伝ってやろう。」








―――――――√\________



【はははははははははははははは!!!】


「そ、そんな・・・魔王・・・死ぬ・・・なんて・・・」

スラナは絶望のあまり膝をついた。



「誰が死んだって?」



【!?】

「!?」



「目ン玉開いてよーく見な。」

「お前の獲物は、まだくたばってねぇぜ?」



そこには、ボスと共に立っているもう一人の人物。

黒い鎧を纏い、漆黒の剣を持った人物。


「ま、魔王・・・様?」

【初代魔王ッ!? な、何故だ・・・!? 何故・・・!!】


「こいつのおかげで一時的だが、蘇らせてもらった。」

「自分でも驚いたぜ・・・まさか、触手が肉体を作り出すとはな・・・」


【作った!!? ありえぬッ!! 決してありえぬッ!! そんな神の事が・・・!】


「忘れたか? 俺の二番目の母親の存在を・・・」


【アルカード!!!】


「我は神を超えし者の家族。 彼女の加護があるかぎり、不可の事が可能に変わる。」


【馬鹿なッ!! 馬 鹿 なッ!!!】


「さぁ、覚悟を決めな。 ここが・・・お前の死に場所となる。」

〚あとがき〛


どうも、零式です。

あらすじの病み具合は我慢してください。 使用です。


さて、いよいよ次回が最終回ッ!

どうなる・・・? 一体どうなる!?

次回にご期待ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ