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「突然ですが、貴方は今から魔王です。」  作者: 野菜イタメ
第一部―――・・・「突然ですが、貴方は今から魔王です。」
13/25

(現在編集中)第十三話:「囚われの王子様。」

〘前回までのあらすじ〙


寅午について話をしていたボス・・・。


だが、そこに(空気を読まない)勇者達が城に侵入してくる!

それに呆れるボス・・・。


スラナ達は「自分達で始末する」っと言うが、ボスはそれを拒否。


「何もしないのは俺のポリシーに反する」


ボスは、己のポリシーを守るべく勇者達に立ち向かう・・・!


そして・・・頭に銃弾を撃ち込み、全員倒したボス・・・


スラナは「ボスが絶対しない筈の”殺す”行為を行った」と思ったが、それは間違い。

実は、撃ち込んだ銃弾は全て”空気砲弾”だった。


勇者達は全員気絶状態のまま、リナの転送魔法により、元の場所に戻された。


〘登場キャラ〙


ボス:主にやる事。「リナの遊び相手」「仲間集め」・・・それ位。


スラナ:魔王秘書。戦闘では中々の物だが、全然戦闘に参加出来ていない。


ウル:ちゃんとサボらずに警備をする良い子。


クリナ:弓と剣・・・最近では、銃を使いこなす戦闘のプロ。


リナ:幼い体をしているが強大な魔力を誇り、難しい魔法をも簡単に理解出来てしまう。


〘舞台〙


【魔王城:王座】


今回は、寅午&勇者襲撃の数日後です。

物語の終盤へと突き進む・・・



―――・・・第十二話:「囚われの王子様。」


ここは、ミスラカル城。

町の全てを監視する所であり、魔族対策の城でもある。


以前、魔王と戦った勇者達は牢獄に居た。



コッコッコッ・・・


足音が聞こえ、国王が牢の前に立つ。


「こ、国王様・・・」


「随分と無様な姿だな、お前達。」


「す、すみません・・・魔王討伐に失敗してしまいました・・・だが!」


「『次こそは』・・・とでも言いたいのか?」


「そうです・・・ですから・・・!」


国王は、勇者の顔を掴んだ。


ギリギリ・・・


勇者の顔が締まる。


「あ・・・が・・・国王・・・さ・・・ま・・・」


「ふむ・・・私も、そこまで悪ではない」


ズズズズズズズッ・・・


国王の腕から黒いモノが・・・



【お前、私の”入れ物”になれ。】



勇者の口に黒いモノが入りこみ、勇者は苦しみだした。


「あぐぅぅぅ・・・! 何・・・を・・・?」


そして、苦しみが解けると・・・


「・・・主、ご命令を」


勇者の目は全部が黒へ染まり、肌の色も褐色の肌になる。


【宜しい。では、手始めに後ろのゴミ共を始末しろ】


「・・・了解」


勇者の腕が鋭い槍に変わる。



「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!」



牢獄に断末魔と共に沢山の血が壁にこびりつく・・・


国王・・・寅午の頬にも血が付く


【ふふふ・・・ボス、今度は私の腕が貴方を殺しに行きますよ?】



ふはははははは!!



寅午の笑い声が、断末魔の後に聞こえた。




〖時同じくして、魔王城・・・〗


「そういえば・・・」


本を読んでいたボスが、ふと口を開く


「どうしました?」


「いや・・・この前、ニンスク街に行ったじゃん?」


「あぁ・・・勝手に行ったっていう・・・」


「そう、そこで・・・リナと出会った所の奴隷市場の商人が言ってたんだが・・・」


---------------------------------


―――・・・それは、数日前に遡る。



「良いから、その娘をこちらに渡してくれませんかね~・・・」

「すんなり渡してくれりゃ~そっちは何事も無しで終わるし、こっちも”後々楽しめる”・・・」

「ここは、戦場だぜ?お客さん」

「幾ら、戦場地帯じゃないと言っても、この街は戦場と変わらない」

「何一つ”変わらないんだよ”お客さん。」

「それに、こんな事は戦争じゃあ”よくある事”なんだぜ?」


「よくある事・・・ね」

「確かにあんたの言う通りかもしれんな・・・」


「きひひ・・・そうですぜ、だからそいつを・・・」


「だが・・・」

「どこまで行っても、そいつは”盗人の理”だ」

「もう少し早く”この世界に来るべきだった”と、今では後悔しているよ」

「お前みたいな奴らは、戦争を言い訳にして国の名誉に泥を塗る」



”ただの追いはぎだ。”



「ふ・・・ふへへ・・・あんた、面白い事を言うね~」

「この国の前王子様が言っていた言葉を、まんま言ってやがるぜ・・・」


奴隷商人は、笑い始める。

だが、それは苦笑いだった。


「ほぅ?この国には、そんなまともな奴が居たと?」


「あぁ、話じゃあ・・・前王子は、今の国王により牢獄へ閉じ込められたと聞くぜ?」

「しかし・・・まだ、あのくそったれ王子の言葉を信じる馬鹿がいたとは・・・笑えるぜ」


奴隷商人は、クスクスと笑う。


「そうか、この国にもまともな奴は居たのか・・・」

「なら・・・」



「助けてやらねぇとな~・・・」



---------------------------------


「そんな事を、何故隠していたのですか?」


「いや・・・必要ないと思ったし・・・」


「いえ、その情報は大変貴重ですよ」


「そうなの・・・?」


リナが二人の話に入ってくる。


「えぇ、王子は言わば我らとの共存への鍵・・・王子が居なければ・・・」


「戦争は続く・・・って事か」


「それよか、だんだん収集が付かなくなります。」


「う~ん・・・何時か助けようと思ってはいたが・・・」


「それにしては、豪く時間が長いですね・・・」


「まぁ、色々あったしな」


「たすけるの・・・?」


「あぁ、助けると決めたからには助けないと・・・」


「じゃあ、そとのふたりをよんでくる・・・」


リナは、外で警備をしているウルとクリナを呼びに向かった。


「それじゃ、俺達も準備をするか」


「はい」



====〚数分後〛====



「大丈夫なんですか? 人間達の城へ殴りこみに行くなんて・・・」


「そうですよ~・・・幾らなんでも無茶が・・・」


「いや、今回の件は何としても王子を救出しないと・・・」


「えぇ、この戦争は終わりません」


「・・・分かりました、何処までもお供します!」


「元攻撃部隊長の名において、魔王様を必ずやお守りしますッ!」


「二人共・・・ありがとう。」


ボスは、笑顔でお礼を言った。


「それでは・・・行きましょうか」


「あぁ・・・向かうはミスラカル城!」



5人は、ミスラカル城を目指し・・・向かった!



====〚その頃・・・〛====



ドドドドドドドッ.......


馬の走る音が沢山聞こえる。


そこには、馬の集団が魔王城を目指し、馬を走らせていた。


先頭には、勇者。


後の後方の兵士達の目は、黒く染まっていた・・・



====〚時同じく・・・〛====



5人は、『戦場の境界線』へたどり着いていた。


「おぉ!魔王様だッ!」


「一同!魔王様に敬礼ッ!!」


ビシッ!


魔族の者達は、ボス達に敬礼をする。


「やぁ、皆ご苦労様。」


「いえ、これが我々の仕事ですから・・・」


「そうか・・・そんな皆に言うことがある。」


「はい・・・? 、と・・・言いますと?」


「そこは私が・・・」


スラナが横から入り込み、兵士全員に事情を説明した。


それを聞かれた兵士達は、納得はしたが・・・ざわめき始めた。


「そのような王子様が・・・」


「いよいよ決戦の時なのか・・・?」


兵士達の不安は、少しずつ上がっていく・・・


「心配するな。王子を助けたら、すぐに撤収する」


「その後は・・・話し合うのですね?」


スラナが確認するように聞いてくる。


「あぁ・・・」



「……分かりました。」


「魔王様、気をつけていってらっしゃいませ!」


兵士達は、ボスに敬礼をする。



「あぁ、皆も・・・気をつけてな。」


ボスも敬礼で返した。


「じゃあ・・・行ってくる。」


「はい、お気をつけて・・・!」


ボス達は、歩き出した。



だが・・・



「敵襲ぅぅぅぅ!!」


遠くから、沢山の敵の軍団がやってくる!


「ハァ・・・どうして、こうも敵さんは空気を読まない奴なのかね~・・・」


「魔王、これがイベントって言う物です。」


「スラナ・・・メタ発言は控えろよ?」


「御意。」


敵を乗せた馬が、ボス達の前に止まる。


「ありゃ? お前は確か・・・KY悪人さんじゃないか。」


「…………。」


「やれやれ・・・今度こそ、悪人に成り下がったか?」


「……殺れ。」


剣を持った兵士達が、ボス達に向かい襲い掛かってきた!


「成る程。お城に行かせる気は、さらさら無いって事か」



ボス達は、戦闘体勢をとった。


兵士達が、ボスに襲い掛かる。


「甘いよ。」


バキィ!


ボスのストレートが炸裂する。


(ふむ・・・こいつ等・・・)


ボスは、兵士に一撃を与えて何かを理解した。


「スラナ、ウル、クリナ、サラ。……下がってろ。」


ボスは、銃を取り出した。


「魔王、また空砲弾を?」


「いいや、今度のは実弾だ。」


(……えっ?)



ボスは、高く跳んだ。


前回、勇者達に食らわした攻撃と同じ技を・・・。


敵側の周囲は、たちまち血の海と化した



ボスが着地した所を、兵士達は剣で突き刺した!


だが・・・

そこには、ボスの姿が無かった。


「こっちだ、薄のろ。」



ボスは上空で銃を構えながら体を回転して撃つ。


鉛球の雨が兵士達の肉を引き裂く・・・!


そして、兵士の一人の頭に足を乗せ、勇者目掛け跳んだ!


バンバンバンッ!!


銃声が鳴り響く、それと同時に勇者は腕を剣に変えて銃弾を全て斬る。


「へぇ~・・・腕を剣に変えたの?」


「……死ね。」


勇者の攻撃が、ボスの頭すれすれに通り過ぎる。


ボスが体を捻り、かわしたのだ。


「あめぇーよ、馬鹿。」


バンッ!!


ボスは、勇者の肩を撃ちぬいた。


勇者の腕が一気にだらーん・・・となる。


「…………。」


(こいつ・・・やはり・・・)


勇者は、もう片方の腕を剣に変え襲い掛かってくる!


「チィ・・・!」


ボスは、何とか避ける。


「お前・・・あいつのマリオネットにでもなったか?」


「…………きひひ。」


勇者の口元が笑い始める。


【キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ】


勇者の顔が、だんだん変形していく・・・!


声も・・・口も・・・目の色も・・・!


【いいや、ボス。こいつは私の両腕になっただけだよ。】


「成る程、何となくだが……分かってきたぜ?」


【……? 何をだい?】


「寅午、お前が生き残った理由……それは、自身の体をバラバラにして生き残った。そうだな?」



「……? ……?」


スラナは、ボスの発言が理解できなかった。


後ろの二人や兵士達も理解できなかった。


だが、リナだけは理解できた。


「なるほど、いっかいからだをバラバラにして、そのぶぶんぶぶんにまりょくをちゅうにゅうにゅうしたんだね?」



【ほぅ・・・ボスとそこのお嬢さんは、勘が鋭いな~・・・。】


「まさか、リナが理解できるとは、俺も予想外だった・・・」


【ふふふ・・・では、私の体の謎を解いたご褒美に……私から、恐怖(トラウマ)をプレゼントしてあげよう。】


「いるか、そんなもん。」


【まぁまぁ・・・受け取ってくれたまえッ!!】


寅午は、手からテレビの砂嵐のような物体を飛ばしてきた!


「ちっ・・・! ”バグ”か・・・ッ!」


”触手よッ! 刀と化せ!!”


ボスは、ピアノ線状の触手を固め刀に変えた。


「ぶった切るッ!!!」



一線。



刀が、砂嵐を切り裂いた!


斬られた砂嵐は、ヒビが入り・・・ガラスが割れるように砕けて散った。


【ほぅ・・・その腕は変わらないのだね。】


「あぁ、前回は誰かさんが怒りに任せて俺に怪我を負わせたせいで、ご披露出来なかったけどな」


【おやおや・・・嫌味というものかね? それは。】



ガキィンッ!!


ボスの刀と寅午の鋭い爪が、ぶつかり合う。


「そうだよ、クソったれ野郎。」


【やれやれ・・・以前と変わりませんね、君は……。】


二人は、一旦距離を離した。


(さて・・・久々の寅午戦だが……あいつ、能力値が下がってるな。)


【どうしました? 作戦でも考えている途中ですか?】


(多分、あいつは生き残る為に自らの体を解体したが・・・以前までの力だけは、戻らなかったようだな。)


【早くしてください。私は待たされるのは、あまり好みではないので・・・】


(だとしたら・・・)


ダッ!


ボスは、寅午に向かい走り出した。


【そうですそうです。向かってきなさい、イノシシの如く】


ボスは姿を消した・・・!


【分かっていますよ。上か・・・後ろでしょう?】


「いいや、真正面さ。」


【おや・・・?】


ズガァァァンッ!!!


ボスの一刀が、寅午の入れ物……勇者の肉体を切り裂き、吹き飛ばした!!


【ふぅ……効きましたよ、とても。】


寅午は、ガタガタとなる足を無理やり立ち上がらせる。


「おいおい、立つなよ。」


ボスは、寅午に刀を向ける。


【いけませんよ? 人に向かって、刀を向けては・・・】


「てめぇは悪魔だろうが、その上……俺とアルカードに害を加えたしな。」


【害を加えたとは……侵害ですねぇ~・・・】


「黙れ。いい加減、俺もお前の馬鹿面を見るのが飽きてきた。」


ボスは銃を構えた。



「さっさと両腕共(リョウウデトモ)……死にな。」



バンバンバンバンバンバンバンッ!!!


銃弾が寅午の体を撃ちぬく


寅午の体は、人形のように踊る様に見えた。


そして……銃声が止み、辺りが静かになる・・・。


【やれやれ・・・今回も、貴方の勝ちですね……ボス。】


「あぁ、待ってろ。今から本体であるお前の頭……取りに行くからよ。」


ボスは、ボロボロになりながらも立っている寅午に向かって指を差す。


【ふふふ・・・楽しみにしてますよ?】


勇者の体から、不気味なオーラが消え去り……勇者は、その場に倒れこんだ。



「…………さぁ、行くぞ。」


ボスは触手を解き、銃をホイスターにしまう。


「ボス……何故、その人達を撃ったのですか?」


「…………もう、人間じゃないからだ。」


「人間……じゃない・・・?」


「ほら、行くぞ。」



―――――〰ボスは、ミスラカル城を目指して歩き出した……。

〘あとがき〙


どうも、零式です。


さぁ、いよいよ終盤へLet.Go! そんなこんなで、十二話突入。

色々と長かったな~・・・おっと、この台詞は最終回前に言うことですね・・・^^;


さてさて・・・詳しく解説をすると・・・


※寅午は、自らの体をバラバラにして生きながらえた。


・つまり、これは……


1、バラバラに解体。


2、魔力を込める。


3、半霊状態になる。


こんな感じ。


リナの台詞が読みづらくてスミマセン・・・。

(設定上、リナの台詞はひらがなとカタカナのみです。漢字が使えない・・・;)


次回は、いよいよ王子救出へ・・・。



※最近、アメブロにて小説を連載開始しました。

内容は、ポケモン不思議のダンジョンをベースとした小説です。

「Zeroの境界線」でググるべし。

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