(現在編集中)第十一話:「寅午。ボス。アルカード。過去の記憶。」
〘前回までのあらすじ〙
傷ついたボスの代わりに寅午の残骸と戦う事になった”リナ”
その戦いに参戦しようと急ぐ、ウルとクリナ・・・
一方、ボスは治療を終え。早くリナの所へ向かおうとした・・・が
そこに、スラナが止めに入る。
「無茶をしないで」
その言葉を受けたボスだが
「自分の仲間を傷つける訳には、いかない」
ボスの熱い思いにより、スラナを説得させる。
そして、ボスはエントランスに到着すると・・・
そこにはボロボロになり、膝を付いている寅午の姿が在った・・・。
そう、三人の連携により、見事寅午を倒したのだ。
だが・・・寅午は、まだ動き戦おうとした
しかし、そんな寅午に限界が・・・
最後に寅午が残した言葉・・・”足の部分”
果たして、寅午が生きていた理由とは・・・
そして、舞台は動きだす・・・
〘登場キャラ〙
ボス:とあるチームを束ねるボス。カリスマ性も高く、仲間からの信頼が厚い。
スラナ:魔王の秘書。未だに、仲間とは一体何なのかが分からない・・・
ウル:ワーウルフの少女。素早い動きと攻撃で、相手を倒す。
クリナ:攻撃部隊隊長のエルフ。弓の他に、剣や銃を扱う事が出来る。
リナ:奴隷だった少女。強大な魔法が使える不思議な少女。
アルカード:とある組織の首頭。元は神を超えし者らしいが・・・?
〘舞台〙
【過去】
不明。
―――・・・第十話:「寅午。ボス。アルカード。過去の記憶。」
――――全員は王座へ集まり、ボスの話を聞こうとした。
「魔王、話してください。 奴……”寅午”とは、何者なのかを……」
「……良いだろう、話そう」
そして、ボスは過去の話をし始めた。
〖それは・・・数ヶ月前の話に遡る〗
昔、ボスともう一人……”神を超える者”アルカードと一緒にとある事件を解決させていた。
実は・・・ボスは、とある組織の一員……家族として第二の人生を全うしていたのだ
組織の主な活動は、気ままに数々の世界の危機を救う事・・・。
ボスも……何度か事件解決などをして楽しんでいた。
しかし、今回の事件だけは……恐ろしく違っていた。
それは、アルカードと共に施設に居る凶悪な事件の首謀者を討伐していた時に起こった。
ボスとアルカードが敵を倒したとほぼ同時に施設全体の揺れが激しくなる。
「やばっ……!」
「敵に倒されたら施設ごと処分……悪党のやる手口ね。」
「負けぬ……このままでは死ねぬッ!!」
敵の首謀者は、何と・・・女だった。
目的は、数々の地域から『イレギュラー』と呼ばれる者を回収し、育てて世界を支配しようとする計画だった。
しかし・・・今、二人の者によって打ち消されてしまった。
【ほほぅ・・・これは面白い展開ですなぁ~】
突然、女の頭から男の声が聞こえる。
それは、女しか聞こえない声・・・
【なんという幸運でしょうねぇ~】
【こんな所に十分と適した肉体を発見できるなんて・・・】
【光栄にお喜びなさい。 貴方は・・・私の魂に食われるのだから】
「ぐ……ぐおおおぉぉぉぉおおおぉ!!」
男の声が止むと同時に女の頭が突然、強力な頭痛が襲う!
それは、まるで電気椅子にでもやられたかの様な痛みだった。
「なっ・・・何だ!?」
「この気配……ボス、構えなさい!」
「お、応ッ!」
ボスとアルカードが戦闘態勢に構える中……
女の周囲に、どす黒い瘴気が渦巻く・・・!
【オオオオオオオオオオオオオオオッ!!!】
そして次の瞬間。
瘴気が女の全身を包み込んでいき、一時的に見えなくなってしまう。
「おい、アルカード……こいつは……」
「えぇ・・・さすがの私でも、この威圧感は応えるわ……」
一瞬の静寂。
瘴気が消え、その中から出てきたのは……
黒いスーツ、血の様に赤い手袋、ショートの金髪……
一言で言えば……『黒執事』と言っても良い男が現れた。
【ふふふ……久々ですねぇ~・・・外の空気を吸うのは】
男は背伸びをしながら清々しく喋る。
「お、お前は……?」
ボスが質問する……
だが、そんな時であった。
アルカードは、そいつの姿を見た瞬間。
”ゾッ” ……とくる何かを感じ取った。
(何なの、この感じ……? 大分前にも、こんな似た感覚が……)
【んん~? おやおやおやおや……】
男はアルカードの存在に気が付いた。
【これは、これは……どなたかと思いきや……】
【昔……私が恐怖を植え付け差し上げたアルカードさんじゃないですかぁ~】
男が吐いた言葉……その言葉にボスは衝撃を覚え、アルカードは疑問が確信へと一変した。
「やっぱり……貴方なのね、寅午ッ!!」
「アルカード!? あいつの事を知っているのか!?」
【えぇ、当然ですよ。 何せ、その人は……】
寅午が喋ろうとした・・・その時!
アルカードの攻撃が、寅午を吹き飛ばす。
その攻撃は、音速を超え・・・眼にも留まらぬ速さでの攻撃だった。
「はぁ……はぁ……それを……口に出すな!」
「アルカード!」
【ふぅ~・・・あの時以来……まったく変わりもしませんね】
【”世界の一番端”以来……】
寅午がその言葉を吐いたその時だった。
アルカードの様子が急に変わり始めた。
「やめ……なさい……!」
「アルカード?」
アルカードは、ガタガタと振るえはじめ……顔も青ざめていた。
【そうそう、そこの男性の方。 貴方も恐怖をお持ちですね】
【しかし・・・それは、貴方自身が生み出した産物ですな】
「……お前……何故、そんな事を……!」
ボスの恐怖……それは、永遠。
果ての見えないかぎりない宇宙のような永遠。
終わりなんて物は決して存在しない永遠。
それが……ボスがもっとも恐れる恐怖
しかし、それは自分の心が生み出した不純物。
【アルカードさんよりかわ容易く脆い恐怖ですが……貴方にとっては最大の恐怖ですね】
寅午は、クスクスと笑う。
その笑いは、狐のような……人を馬鹿にするような笑い方で笑う。
「き……さまぁぁぁぁ……!!」
【おや、怒りましたか? そりゃそうですよねぇ~・・・】
ボスと寅午の最初の戦いが始まった―――
――――そして……。
「がはっ!!」
その後、ボスの異様な力に敗れた寅午……
そんな中、やっとアルカードの顔色が元に戻る
寅午自身のダメージが大きかったのか……恐怖が消え去ったようだ。
「これで最後だ!」
「えぇ、これで最後よ。 寅午」
【ふふふ……油断しましたねぇ~・・・これほどまで強い方だったとは・・・】
【さすが……アルカードさんの部下だけはありますね】
虎午は、沢山の血を吐きながらも何とか立ち上がる。
「ちげぇよ馬鹿。 アルカードは、俺の第二の母だ」
「あら、そうだったかしら?」
その言葉に寅午は(ほほぉ~う)と、言いそうな顔で見る。
【成る程、成る程……よぉ~く分かりましたよ】
【覚悟は出来てるんでしょうねぇ~・・・?】
寅午は構えた。
「あぁ? 覚悟を決めるのは、そっちだろうが常識に考えて」
ボスと寅午の戦いが再度始まった。
今度は、アルカードも参戦しての戦闘・・・
結果は……見え見えだった。
【ぶふぉあ!】
寅午は、口から大量の血らしき液体を吐いた。
その足は最早立っているのが限界ギリギリの状態だった……
【これは……復活早々……早死ですか……?】
寅午はケタケタと笑う。
「安心してくたばれ。 お前は俺を怒らせた」
そして……とうとう寅午の肉体にも限界が現れ始めた。
なんと・・・! 体の一部一部が溶けていき、崩れ始めたのだ・・・!
【しかし、驚きましたよ。 自分で生んだとはいえ……まさか、自力で恐怖に打ち勝つのだから】
【まったく……やっと面白い人に出会えましたよ】
「それはどうも、だが・・・まもなくお前は死ぬ」
「残念だったな」
【残念? ハハハッ……いいえ、私は不死身。】
【ロア、ゼェピア……数々の吸血鬼が行った方法……あれを意図も簡単に超える方法】
【それがある限り、私に死は……】
「残念。 その中二的なモンは没収だ」
【何ッ?】
「自分の体を見てみな」
【なっ!?何だ、これは!?】
寅午の体が崩れるのまでは良い。
だが、それと同時に崩れる腕も足も・・・全てにヒビが入っており、砂のように消えてなくなっていた
”絶対死”
アルカードが口を開ける。
「今回ばかりは、貴方の行為には罰を与える。」
「絶対死という名の罰を……」
【ば……か……な……】
「あんたは、このアルカードに手を出したその時から・・・死は始まっていたんだよ」
「それじゃあ……」
”さよならだ”
〚舞台は戻り、現在・・・〛
「…………。」
ボスは、話を終えて黙り込む。
「それで、寅午……先ほどの奴を倒したって事ですね?」
ボスは首を頷かせた。
「しかし……どうして生きていたんでしょうか……?」
「そこは分からん……あいつは何も残さず消し去った筈だ」
「それなのに生きていた……平然と」
「二度と復活は出来ない筈だ。 灰も・・・何もかも残していない」
「ならば……それなのにどうして……」
全員で考えた……だが、その時だった!
バンッ!!!
「魔王ッ!覚悟しろ!!」
突然、扉が開きそこから勇者らしき人物達がぞろぞろと出てくる。
「……何で、勇者とかそういう職に就く人達は空気を読まないKY野郎達なんだ~?」
ボスはため息をつきながら、机に上半身を寝る様に倒す。
「何をごちゃごちゃと言っている!」
「お前達のせいでどれだけの人間が苦しんだと思うんだ!」
「……色々と面倒だから、次回で宜しく頼む」
……っという訳で、次回は一体どうなってしまうのか?
KY勇者達を打ち消せ!以上。
〘あとがき〙
はい、どうも~
大分更新速度を遅くしてしまってスミマセンでした。
次回は、なるべく早く更新しますので、お許しを・・・
今回は少し強引な回だったので、次回はちゃんとした回にします。
(・・・あれ?何、このデジャヴ・・・?)
それでは、次回をお楽しみに~
(あとがきも少なくなってきたな~・・・)