普通の女子
恥の多い生涯を歩んでいます。私は何の才も持たずこの世に生まれ落ちたのです。私は何をしても人の一歩後ろを歩むのみです。私には勉強させても人より低い点を持ち帰り、体育をさせれば眼鏡を破壊し、抹茶を点てさせても凄く苦く、剰え努力する才も無いという、まぁ見事な凡夫ぶりなのでございます。
ただこんな私にも、有る物がひとつだけあります。私は力が、他の女子達より少し強いのです。
校舎内では、私は「友達を冗談めかして叩いている普通の女子」でした。本人が笑っていれば、それで済む話なのですから。決して人を妬まず、謙虚で、よく笑う。そうしていると、「面白いね」と言われます。その言葉が、私は好きです。しかし、私と長く関わった友達は、ある時から距離を取り始めます。「怖い」と言われました。「人の気持ちが分からない」とも。
私は正直今でも、その理由が分かりません。ただ、私が何かを間違えたのではなく、心の弱い人たちが、先に壊れていっただけなのだと、そう思うようにしています。
そうして過ごしていると、ある時からプツリと声が聞こえなくなるのです。私を批判する声が、視線が、指を差す仕草が、いきなり消えた様に、連絡も途絶えていきました。誰も私を止める人はいません。正しいことをしていたはずなのに、理由が分からぬまま取り残された可哀想な私を、助け出すヒーローは、やはり現れませんでした。
もしかすると、私がやりすぎていたのかもしれません。ですが考えても分からないし、答えを教えてくれる人はいないのですから、仕方がありません。そんなことよりも今日も【普通の女子】として生きていく方が遥かに大事なのです。
私は頭の悪い凡夫なのですから。




