表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雲外蒼天  作者: kazoo
48/53

第八章 手紙(1)

加代の行方を気にしながら数日が過ぎた。


加代のことについて、母親に嘘をついてしまった後ろめたさもあって、自ら連絡するのを避けていた。

部屋に残された加代の荷物を眺めながら、自分を責める日が続いていた。


仕事から戻ると、集合ポストからはみ出ているチラシが目についた。取り出して部屋に持ち帰るが、ほとんどは不用品処分のチラシや宅配ピザのメニューなので、いつもは放置している。だが、その日はチラシに挟まれて封筒が1通入っていた。差出人の記載はない。宛先には、住所が不完全だが、マンション名と部屋番号、そして私の名前が書かれていた。


ジャケットを脱ぎながら、雑に封筒を開けると、手書きの手紙が出てきた。


大輔さん

お元気ですか。加代です。

私は今、長野にいます。

連絡できなくてごめんなさい。

あと、洋平が空き巣に入ったと聞きました。私のせいで本当にごめんなさい。


加代からの手紙だった。書き置きで見た、同じ丸文字で書かれた手紙だった。


実家に帰ってから、大輔さんの部屋に戻ろうとした日、マンションの近くで洋平を見ました。洋平が大輔さんのマンションを知っていると知って、私は怖くなってそのまま美香先輩のところに行きました。

先輩は、私が流産したことを知っていて、あの彼とは別れたそうです。私に泣きながら謝ってくれました。できる限り私を助けると言ってくれたので、その日はそのまま泊まりました。すぐに帰るつもりだったので、大輔さんの家の電話番号を持っていませんでした。でも、マンションに戻ると洋平がいるかもしれないと思い、怖くて帰れませんでした。

先輩から、長野の農家で住み込みのバイトを募集していると教えてもらい、ここに来ることにしました。

お母さんには電話しました。お母さんから、洋平が大輔さんの部屋に勝手に入って荒らしたと聞きました。私のせいで本当にごめんなさい。

お母さんが、大輔さんに改めてお礼を言いたいけど、連絡先が分からなくて困っているようでした。


とにかく、加代は長野にいることがわかり、私は安心した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ