第三章 歓迎会(4)
電車を降りた後、夜風にあたりながら家路を急いだ。酔いが回ったせいで、頭がぼんやりしていたが、先ほどの電車の中の加代が気になっていた。しかし、同じアルバイト先とはいえ、あまり馴れ馴れしくするのも気が引ける。大丈夫だろうと自分を納得させた。
ふと、目の前にコンビニの明かりが目に入った。少し酔い覚ましをしようと、店内に立ち寄ることにする。炭酸飲料や雑誌を手に取り、レジで会計を済ませた。店内は静かで、夜も遅いこともあり、他の客はほとんどいなかった。
コンビニを出た瞬間、ふと入り口の前に立つ人影に目が留まった。街灯のぼんやりとした光が、その人物を浮かび上がらせていた。心臓が一瞬止まったように感じた。「えっ?」と思わず声が漏れる。そこにいたのは、加代だった。
「こんばんは。」と、加代が一歩近づいてきた。
「どうしたの?こんな時間に…。」彼女を気にしていたこともあり、その彼女がいたことに余計に驚いた。
「ジュースと間違えてワインを少し飲んだら、駅で気持ち悪くなっちゃって…。」加代は気まずそうに笑った。彼女の顔は少し青白く、まだ体調が完全には回復していないようだった。
安い居酒屋で出るワインは、甘くて飲みやすいが、悪酔いしやすい。お酒に耐性がないならなおさらだったのだろう。
「電車に乗ったら、混んでて暑くて…もう我慢できなくて電車を降りたんです。そしたら、大輔さんの後ろ姿が見えたので、追いかけたんですけど、すぐに見失ってしまって…。駅を出て、このコンビニの中を見たら、大輔さんがいたので…」
「大丈夫?」私は心配そうに尋ねた。
「大丈夫じゃないです」




