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入学式

欲に忠実で、歪んだ愛情を持っていて、やきもち焼きで嫉妬深くて、面倒くさくて、でもどこか憎めなくて、優しくて、情に熱い最低男の大恋愛を描いた作品にしていくつもりです。

「今日から高校生か」

重い瞼をパチパチしながら起き上がる。

チッチッチと秒針を進める時計を見て気がつく。

「時間なくね?」

時刻は7時40分。登校は8時30分までで、家から高校まで歩きで25分かかる。

自転車では10分だが、なぜか入学式は自転車登校禁止の徒歩か交通機関を使って登校しろという謎のルールがある。

8時にはあいつが迎えにくるので残り時間は20分。

とりあえず男をあげる為のコールドシャワー。

「この冷たさが男をあげる」

そんな独り言を呟きながら耐える。

シャワーが終わったら急いでドライヤーで髪を乾かす。

髪をセットして歯を磨いて鏡をチェック。

「色男完成」

ナルシストを自覚しているが、いいだろう。

自分を幸せにすることが1番大切である。

実際に顔もいいしな。ははは。

あ、バナナとプロテイン飲まないと。

急いで食事を終わらせた。げぷっ。

〜ピンポーン、インターホンが鳴る。

「愛希おはよー」

インターホン越しに可愛い天使の声が聞こえる。

「おはよう舞香、うん今日も可愛い」

俺の目の前には天使が映っている。白く輝き靡く髪。

濁りの一切がなく、青く透き通っているウルウルな瞳。

唇もプルプル。オマケにスタイルがモデル並にいい。

DかEか。どんどん成長しているな。

「恥ずかしいよ愛希」

「いつもの事だろ。慣れろよ」

そう。俺はいつもこの天使に熱い視線を送っている。

だって可愛いもん。世界で1番だもん。

「うん。…じゃあ行こっか」

「うい」


ー学校に着いた。

「クラス一緒だといいね」

「本当それな。舞香と一緒じゃないと死ぬ」

「えへへ」

なにこの天使。照れるのやばいって。

「じゃあ探すか」

「うん!」

「黒沼、黒沼」

「白国、白国」

お互いにお互いの苗字を読みながらデカデカと掲示されているクラス分けの紙を見つめる。

「「あ」」

キタコレ。確定演出。

なんと同じクラスだった。

「これからもよろしくね愛希!」

「やったな舞香!」


ー教室にて。

「ねーあの子やばくね」

「あぁ、あれが天使か」

「え、カッコいい」

「話しかけてみる?」

教室に入った瞬間から注目の的になった。

無理もない。だって隣に天使いるもん。

まあ俺も話題になってるみたいだけど。ははは。

「席隣がいいね愛希」

舞香は人々の視線に慣れてる。中学からそうだった。

いや、小さい時からか。まぁ無理もない。

だって天使だもん。可愛いもん。最強だもん。

「黒板に出席番号順って書いてあるぞ」

平常心を保つ、これが大事。

「えーと私が6番で愛希が5番だから」

「前後か」

隣じゃないのは残念だが、前後ならありか。

中学の時は横からの順だったが、高校は縦からの順だ。

苗字が近くてよかった。

「ねーねーインスタ交換しようよ?」

「俺も俺も」

舞香がクラスのチャラ男共に声をかけられた。

なんだこいつら。腹立つ。

「すみません、インスタやってないです」

ナイス舞香。まぁ本当に舞香はインスタやってないけど。

「えーじゃあLINEは?」

しつけーよ。さっさと失せろよ。

イライラしつつも抑える。ここは紳士的に行こう。

「ごめん君たち。舞香のLINEは命よりも重いんだ」

「なに言ってんの?お前」

「頭おかしいんじゃね」

…。ふー。

「すみません、仲良い人以外とは交換したくないんです」

舞香が断る。

「えーいいじゃん」

「これから仲良くするんだし」

なにこいつらキモすぎる。

「諦めてくんね?舞香嫌がってるだろ」

流石に我慢の限界。

「いやなにお前」

「調子のんなよ?」

「ちょっとーあんたたちやめなよ」

チャラい男共の知り合いらしい人達が駆け寄ってきた。

「だってよー」

「お前この子のなんなんだよ」

チャラ男に質問される。

「幼馴染だけど」

「幼馴染…」

舞香がポツリと呟く。

「彼氏じゃねーんだな?」

チャラ男が確認してくる。

「当たり前だろ」

「ならまぁいい。でも諦めないからな」

いや諦めろよ。

〜キーンコンカンコーン

「はい全員席座れー」

先生が入ってきた。

「今日は入学式だ。軽く説明したらすぐ入場だからな」


ー入学式が終わった。

「じゃあ今日はここまで。明日はオリエンテーションな。

はい、さようなら」

先生が教室から出ていく。

「愛希一緒に帰ろー」

「…うい」

入学式だけで疲れた。

「ねーねー黒沼くん」

舞香と教室を出ようとした所で後ろから声をかけられる。

「ん?なんですか?」

さっき絡んできたチャラ男を宥めてくれた人か。

あれ?よく見ると可愛いしギャルだ。

ここで俺は今日初めて舞香以外の顔を見た。

「さっきはあいつらがごめんね。悪い奴じゃないの」

「まぁもう舞香に絡まなければどうでもいいですけど」

「それは難しいかも。あいつら舞香ちゃんにベタ惚れだし」

「まじすか」

若干気づいていたが気づかないふりをしていた。

舞香は天使だからね仕方ない。

「…」

舞香も苦笑いしてるし。

「そーそー黒沼くんインスタ教えてよ」

唐突に言われた。

「いいですよ」

「…」

「ありがと!じゃあまた明日」

「ばいばいですー」

「…ばいばいです」


ー下校時にて。

「愛希ってインスタやってたんだね」

「言ってなかったっけ?」

舞香はsnsがあんまり好きじゃないからこの手の話題はしてこなかったな。

「…私も始めようかな」

「まじ?じゃあインスタ交換しよーぜ」

「…うん!!」

今日1番の笑顔を見たような気がする。天使だぁ!!

「愛希フォロワー多いね」

「あーファッション投稿してたら増えてた」

「顔も上げてるね」

めっちゃまじまじ投稿みるじゃん。なんか恥ずかしいな。

「舞香の気持ちがわかった気がするよ」

「?」

「なんでもない」

俺にも羞恥心はあったのか。

頑張って更新していくぞー!!

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