幼馴染が突然「告白してくれないの?」と聞いてきた
「告白してくれないの?」
家に遊びに来ていた里奈の突然の一言に俺は飲んでいた茶を吹き出す。里奈は「きたな」と一言つぶやく。俺はせき込みながら、息を整える。
「いきなりなんだよ」
「いやだって私たちもうあと少しで離れ離れになるじゃん」
里奈の言うことは正しい。俺と里奈が選んだ大学は遠い。今までのように気軽に遊び合えることはなくなるだろう。いや正確に言えば里奈が俺の家に押しかけることが。
「だからってなんで告白なんだよ」
「だって和樹、私のこと好きでしょ?」
突然の里奈の自信満々の発言に俺は驚く。
「なんだそれ」
「違うの?」
里奈はまっすぐに俺を見てくる。俺は目をそらす。里奈のまっすぐな視線は俺の心を見透かされているようであった。
「嫌いじゃない、それだけだ」
「好きってことでしょ?」
「嫌いじゃない」
里奈の押し付けるような想いに抗うかのように言い聞かせるように俺は言う。
「ふーん、ごまかすんだ」
「ごまかすとかじゃねえ。大体お前はどうなんだよ。俺のこと」
「好きだよ、大好き」
俺の発言に割り込むように里奈は言い放つ。俺はあまりの突然のまっすぐな発言に顔が赤くなってしまう。
「和樹のこと、大好きだよ。ずっと前から、ずっとずっと前から。だから大学離れ離れになって寂しい」
里奈の突然の想いの告白に俺の頭が回らない。
「だったらお前が告白すればいいだろ?」
俺は混乱から、よく分からないことを言ってしまう。
「私は和樹からの告白が欲しいの。それじゃなきゃやなの」
里奈の意味不明な発言が返ってくる。里奈の視線が突き刺さる。
「和樹、私は和樹とずっと一緒にいたいんだけど。和樹はそうじゃないの?」
追い打ちのように里奈の少し寂しげな声が聞こえてくる。
「あ、明日まで時間くれないか?」
「やだ」
俺はとりあえずこの場をごまかそうとするが、里奈の即座の拒否に俺は動揺する。
「和樹、私に告白してくれないの?」
里奈の追い打ちの言葉。
俺は覚悟する。
そして、里奈をまっすぐ見る。里奈のまっすぐな視線に目をそらしたくなるのを俺は我慢する。
「好きです。付き合ってください」
俺は言う。言ってやる。まっすぐの言葉を。言葉を飾ることも言い回しも普通に。
「私も好き。付き合って」
里奈はそう言って、俺に抱き着いてくる。俺は突然の接触に驚く。
「なっいきなり」
「いいでしょ、別に、結構我慢してきたんだから。意気地なしの和樹のせいで」
里奈は力を強めてくる。
「な、なんだそれ」
「ずっとアピールしてきたのに。全部ごまかしてくるんだもん」
そんなことしてないと言おうとしたが残念ながら自覚が少しあった。なので、一言「すまん」とだけ言う。
「いいよ、でも今後はちゃんと私に想いを言葉と行動にしてね」
「わかった」
そう言った瞬間、里奈は顔を近づけてきて目を閉じる。
何を要求されているかわかる。
わかってしまう。
里奈の唇に視線が行く。
俺は深呼吸して息を整え覚悟を決める。
そして、里奈の頬にキスをする。
唇には少し、いやかなり勇気がかなり足りなかった。
里奈は少し不満げにする。俺は「また今度」と里奈から目をそらして言う。里奈はぼそりとつぶやく。
「意気地なし」
俺は「うっせ」と返す。
「でもいいよ。そういうところも大好きだから」
里奈は優しくそう言い、「楽しみにしてるね」と笑顔で言う。
俺は「お、おう」と返しながら、今後、今もすごい勢いで動いている心臓がもつのだろうかと思うのであった・・・




