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偽りに塗れたこの世界で。  作者: 朱羽の索夜
再度の旅立ち
5/7

要塞都市ネフィリアム

はい。魔王討伐へと向かったアリシアとアネモネ。

RPGみたく、次の街へと向かいます。

今回は、視点の切り替わりが多くなっております。

ご了承ください。

それではどうぞ。

「ねぇアネモネ、この近くの街って…なにかある?」

勢いで家を出たはいいが、道順がわからない。

《カムダラ王国の近くだから…ネフィリアム…かな。》

「ネフィリアム?」

そんな街は聞いたことがない。

…それもそうか。

1歩たりとも王国から出たことが無い私にとって、目につくものや名前は初めて知るものばかりだ。

《『要塞都市』って言われている街だよ。周りを壁で囲まれていて、他の街と貿易とかしてて、世界でトップクラスの都市なんだ。》

「そうなんだ…なら、道案内よろしく。」

《任せてよ!》

こうやってアネモネと話していてふと思うことがある。

アネモネは、その知識をどこから得たのだろうか。

そして、いつから私の中に居たのだろうか。


























《…とりあえず、防具を新調しようか。》

「そうだね。」

私は目の前に見えた防具屋に入っていく。

所持金は4397ユール(439700円)

この世界では、ユールは簡単には手に入らない。

1ユール(100円)集めるには、『骸骨弓兵(スケルトン)』辺りを倒すか、カムダラ王国基準では、1日2,3時間働かないと手に入らない。

無論、もっと細かい、1ユラト(10円)もあるにはあるのだが、製造される数は少ない。

だから、この世界の人々は基本的にユールしか使っていないのだ。

私は、その光景も見た瞬間に、嘆声を漏らした。

《さてと…アリシアと私にあった防具を探そうか。》

「うん。」

そして、私は防具選びを始めた。


























「はい。合計4360ユールだよ。」

4360ユール…?

私とアネモネの防具を買っただけなのに…

《アリシア…これが、現実だよ…》

「あ、ありがとうございます。」

私は、きっちりお代を払い、店を出た。

「毎度あり〜」

という店員さんの明るい声とは裏腹に、私は店を出たところでガックリと肩を落とした。

《えっと…泊まる所どうする?宿屋もお金かかるけど…》

「何ユール…?」

《な…78ユールぐらい…》

今の所持金…3()7()()()()

――足りない。

《え…えっと…モンスター倒そうか…》

「うん。でもその前にアネモネも装備しなきゃ。」

《分かった。路地裏に行こうか。》

そう言って私達は路地裏に行く。

そして、防具をアネモネもつける。

そして、私達は草原へと走り出した。

――さっきの路地裏に入ってからの出来事を、一部始終見られていたとは知らずに。



















眼の前の敵に向かって、剣を一閃。

そして頭蓋骨が空を舞う。

私は今、『骸骨弓兵(スケルトン)』と戦っている。

人の形をしており、人から肉と内蔵を抜いたら恐らくこうなるだろう。

その骨の体に青いローブを纏っており、遠隔攻撃を仕掛けてくるという厄介なモンスターである。

私達は、スケルトンの放つ矢を剣一本で切り、そのまま肉薄し、首を撥ねる。

ということを交代交代でやっていた。

そのおかげで私もアネモネもlv.10になった。

「…ねえ、アネモネ。貴女が使ってる剣、もうそろそろ寿命なんじゃない?」

《あー…確かに…》

『魂部屋』から見たのだが、アネモネの、『マインドネトラヴ』は、刀身がボロボロになっていた。

そろそろ変えどきなのだ。

《でも、人に頼むにしても自分で素材を持ってこないとだから…》

「この近くに洞窟は…なさそうだね。」

《結局これで頑張るしか無いのか…》

と、アネモネは心底残念そうな声を出した。


























「…凄い。」

その一言に尽きる。

度々金髪と青髪に容姿を変えながら、次々とスケルトンを倒していく。

しかし、本当に凄いのは、その倒し方なのだ。

普通、スケルトンが打つ矢を避けながら、遠距離で倒すものなのだが、あの子は、矢を剣で弾いて、肉薄して倒している。

まぁ、度々魔法はつかっているのだが。

常人には出来ない技量…あれは。

「…うちの連合(ギルド)に誘う余地、大ありね…」

と、私は一人納得して、尾行を続けるのだった。


























「んー…これからどうする?」

私達はスケルトンを倒し、なんとか宿代の78ユールまで届いた。

そして、今ネフィリアムにもどってきたところだ。

《ん…魔法の修練?》

「魔法の修練か…」

正直したい気持ちはある。

さっきのスケルトン戦で、魔法の効きが悪かったような気がした。

《んー…魔法連合(ギルド)に聞きに行くしか…》

「魔法ギルド?魔法ギルドって…「もしや、魔法ギルドをお探しですか?」え、きゃあ!?」

すぐ目の前から声が聞こえ、驚いて飛び退ってしまった。

しかし、人影は見当たらない。

《え?どこなんだろう…》

「ここですよ。ここ。下に居ますよ。」

という声につられ、下を向く。

そこに居たのは、茶色の髪に水色の目を持った背の小さい幼女だった。

「えーと…君は…?」

「あぁ。私は魔法ギルド、『魔升(ましょう)のアキドネ』のメンバー、『リリー・ファレイツ』です。」

「リリー…ね。私は、『アリシア・ローレット』よ。」

リリーと言う名の子がいう。

「アリシアさん…ですね。それと、もうひとりの人はなんですか?」

と。

焦った。

相当焦った。

何でこの子は知っているのだろう。

誰にも言ってないし、町中では変わってすら無いはずだ。

変わったとしても路地裏だが…

「どうしたんですか?」

「…い、いや。なんでもない。」

(ど、どうしようアネモネぇ〜)

《うーん…なら、先にこの子のギルドに行こうか。そこで交代しよう。》

(うん。)

「また後で紹介するから、今は貴女のギルドに連れてってくれるかな。」

「はい!分かりました!」









〜少女×幼女移動中〜

















「ここが『魔升(ましょう)のアキドナ』の連合拠点(ギルドホーム)、エリドレットです。」

「エリドレット…」

リリーの案内で目の前に見えてきたそれは、茶色の壁に黒の屋根を乗せた、少し大きい一軒家だった。

私がドキドキしながら扉をくぐると。

「おかえり。リリー。」

眼の前からスキンヘッドの巨漢が歩いてきた。

「あら。その子は?」

…オカマか。

男性なのだろうが女口調らしい。

「オレジさん!新たなギルド加入者ですよ!」

「へぇ。貴女達、魔法に興味あるのね。」

オレジさん…?この人はオレジと言うのだろうか。

「あぁ。自己紹介、してなかったわね。私はオレジ。『オレジ・ペパーストン』よ。」

「オレジさん…ですね。私は、『アリシア・ローレット』です。そして」

私達は、互いに入れ替わる。

「『アネモネ・ローレット』です。以後お見知り置きを。」

ギルド。ある一定の値を強化したい者たちが集まり、同盟を組むこと。

「アリシアちゃんにアネモネちゃんね。よし。とりあえず、貴女達の実力が知りたいから、こっちに来てくれる?」

























と、言われついたのは、

「…なにここ。闘技場?」

私は、この広い空間に絶句した。

私でなのだ。アリシアは…

《すごい…凄い凄い!広い!》

あぁ。こんな性格だったか。

「さて。じゃぁ…いつでもかかってらっしゃい?」

「《…え?》」

はい。ギルドに入るための『検定』が始まりました。

この世界ではギルドに入るために、ギルドマスターと手合わせをしないといけません。

それが『検定』です。

アリシアたちは、『検定』を超えられるのか…!?

それではばいなら!

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