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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第三部 黒のキャラバン

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魔王、降臨。



せりをキャットハウスに入れて、戦闘体勢を整える。


「りゅうたろう、叩きのめして! 福助は、合図があるまで待機! くぅは……、あ」


これは、ヤバい。


くぅの逆立てた毛がばちばちと静電気を起こし、目がらんらんと光っている。

またしても、首輪を見てキレてしまったようだ。


「うなぁぁぁおぅぅぅ!」


うなり声が響く。

空気が、びりびりと震えているようだった。


魔王モード突入だ。


……猫は、嫌な事をした相手を一生忘れないらしい。


しかも、特にくぅは執念深い。


「とどめをさしたらダメだからね……」


一応、声をかけておく。

御神体の行方が分からなくなってしまっては困る。


まずは、みうを助け出さなくては。


フードの集団が、弓をかまえた。

みうさえ助かれば、彼らも攻撃できるのだろう。


「おこん、『創成魔法』。水風船!」


水風船を投げつけると同時に、くぅが剣魔法で攻撃をする。

顔面で割れた水風船に、みうを捕まえていた男が一瞬怯む。


「りゅうたろう!」


すかさずりゅうたろうが飛び掛かり、男は地面に倒れた。


「みう、りゅうたろうに乗って!」


「うん!」


みうは、りゅうたろうの背中にしがみついた。

地面を蹴り、りゅうたろうが跳躍する。

ひらりと音もなく、りゅうたろうは私の横に降りてきた。


「よつば、首輪を『解除』!」


よつばが前足をちょいちょいと動かすと、首輪は音を立てて地面に落ちた。


「みう、大丈夫?」


「うん……」


前に見た時より、いくらかふっくらとし、身綺麗になっていたが、その顔は青ざめていた。

がくがくと震えている足には、いくつも傷があった。


「チャビ、『回復』」


ごろごろと喉をならしているチャビを抱かせて、みうには後ろに下がってもらう。


フードの集団が、矢を射ち始めた。


「うなぁぁぁぁおぉぉぅぅぅ!!」


魔王が、いや、違った。

くぅが、再び雄叫びをあげた。


「!?」


地面がひび割れ、隆起する。


土魔法で造られた突起が、キャラバンに向かって牙のように突き立てられようとしていた。


「くぅ、ダメ! やりすぎ!」


御神体の行方が分からなくなってしまう!


その時。


ばっさばっさと羽音を立てて、大きな影が近づいてきた。


……忘れてた。


フードの集団が、慌ててドラゴンに向けて弓矢をかまえた。


「ダメ! あれ、うちのドラゴンだから!」


私の言葉に、その場にいた全員が「は?」という顔になった。


ドラゴンが降りてきて、キャラバンの馬車をその爪でべきべきと破壊した。

そのまま、ご機嫌な様子でキャラバンの荷を漁っている。


ドラゴンちゃん、あんた、状況を見なさいよ……。



     














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