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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第三部 黒のキャラバン

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今、出来る事。

「黒のキャラバン、ですか?」


何か知っているか、とたずねた私に、お稲荷さんは首を横に振った。


「いいえ」


うん、まぁ、予想通りだ。


「そやつらが、御神体を盗み出したのですか?」


「可能性は高いかな」


調べてみない事には、なんとも言えないが。


「どうやって、調べるおつもりですか?」


正体不明の相手だと聞いて、お稲荷さんは不安そうにしている。


「もしかしたら、っていう心当たりはある」


情報を持っているかは、正直五割程度の確率だが、やってみない事には始まらない。


「せり、キャラバンさんを『気配察知』」


あの時、知り合ったキャラバンの隊長さんに聞いてみよう。

ほかのキャラバンと、何かしらの情報を共有しているかもしれない。


せりはひげをぴくぴくとさせると、つんと顔を上げた。


「……せりさん?」


声をかけると、今度はぐぐっと胸を張った。


んー?


「キャラバンさん、もしかして、こっちに向かって来ているの?」


せりに声をかけると、頭をぐりぐりと押し付けてきた。


正解か。


真珠国にしかないものが多いから、キャラバンがこの国に立ち寄るのも当然だ。


「じゃあ、キャラバンさんが到着したら教えてね」


その間に、私はもう一度ギルドに寄ってみよう。

今まで盗賊に襲われたキャラバンを調べてみたら、何か共通点が見つかるかもしれない。


「……」


お稲荷さんの尻尾が、しょんぼりと垂れている。


「どうしたの?」


「……せっかく、もう少しで神になられるところだったのに」


お稲荷さんは涙目になっていた。


「心ない連中のせいで、穢されていたら……」


「……」


穢れがあったら、神にはもうなれないという事か。


「……落ち込むのは、結果が出てからにしよう」


「つかささん……」


「大丈夫。今は、出来る事をしよう。ね?」


お稲荷さんの頭をよしよしと撫でてから、はっとした。


つい、うちの猫達にやるようにしてしまった。

神使って言ってたし、気軽に撫でたらダメだったかも。


しかし、お稲荷さんはぐしぐしと前足で目をこすって顔を上げた。


「そうですね。泣くのは、あとにします」


「うん、頑張ろう」


「とりあえず、御飯にしましょうか」





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