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いざ、オパール王国へ!
「……朝か」
久しぶりによく寝た。
猫達に「ご飯はまだか」と早朝にたたき起こされ、慌ただしく片付けやゴミ出しをすませて、まともに朝食も取らずに会社に急ぐ。
そんな日常を思い出し、遠い目になる。
「異世界、素晴らしい……」
あとは、猫達が揃っていれば完璧。
「ねぇ、りゅうたろう」
「……」
りゅうたろうは、いつも私の腕枕で寝る。
なんていうか、一心に眠る。
ほかの猫達のように、ごろごろもふみふみもしない。
ただぴったりとくっついて、大抵は私が起き上がるまで一緒に眠っているのだ。
りゅうたろうだけでも、一緒にいてくれて良かった。
……誰もいなかったら、世界の前に私がまいっていたかもしれない。
「りゅうたろう、起きて」
「……」
声をかけると、寝ぼけ顔で私を見上げてきた。
「朝ごはん食べたら、皆を探しに行くよ」
ついでに、この世界も守ろうか。
「……って、滅ぼすのはうちの子達なんだけどね」