正確無比。
「助太刀、感謝する!」
参戦した私に、敵と切り結びながら冒険者が声をかけてきた。
……まさか、実際にこの台詞を聞く日が来るとは思わなかった。
「うう……」
血を流して倒れている人達の横で、チャビがごろごろいい始めた。
チャビの「回復」なら、一度に全員を治せる。
びゅっという音と共に、どこからか矢が飛んできた。
「!?」
「気をつけろ! やつら、隠れて狙ってきてるからな!」
まずい!
くぅ達はともかく、大きくなったりゅうたろうはいい的だ。
「せり、『気配察知』!」
ひげをぴくぴくさせたせりが、一点を見つめた。
どうやら、崖の上から射ってきているようだ。
「おこん、『創成魔法』! スーパーボール!」
カラフルな小さなゴムボールを手に持つと、私は狙いを定めた。
スーパーボールは、射手の隠れている崖へと飛んでいった。
そして。
スーパーボールに反応したりゅうたろうが、ボールの行方を追って崖の上へと飛び上がった。
「うわあああ!」
山賊の悲鳴がきこえてくる。
よし!
私は、逃げようとする山賊の足元にもスーパーボールを次々と投げ込んだ。
ボールを踏みつけてバランスを崩した山賊に、くぅが剣魔法で攻撃する。
コントロールには、自信がある。
狭い家の中で、八匹の猫達を家具や柱にぶつからないように遊ばせるには、絶妙なコントロールが必要なのだ。
ボール投げ レベル8の力を見せてやる!
……いいんだ、別に。役に立っているし。
もっと、ちゃんとしたスキルが欲しかったとか思ってない!
本当ですよ……?
 




