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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第三部 黒のキャラバン

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峠。

真珠国には、いつか行こうと思っていたので、ギルドからの依頼を引き受けた。


「……確かに、ものさびしい感じだよねぇ」


峠にさしかかったが、途中でキャラバンを追い越しただけで、あとは誰とも会っていない。

魔物はともかく、山賊すら出てこない。


「まぁ、当然か」


こんな所を女一人で通るということは、それなりに腕に自信があると言っているようなものだ。

よほど切羽詰まっているのでない限り、山賊も手を出してこないようだ。


私の場合、自分じゃなくて猫達だけどな……。


さっきのキャラバンも冒険者を雇っていたみたいだし、問題ないだろう。


「この辺りで、一休みするかな」


少しひらけた場所でテントを張った。

焚き火のあとがいくつもあったから、峠越えをする人はみんなここで休憩しているようだ。


「ご飯だよ」


猫達にご飯を出し、無限収納に入っているドラゴンにもキャットフードをあげた。

魔物が襲ってきたと思われそうなので、ドラゴンは外に出せないのだ。


「私は、何食べようかな……」


不意に、せりがご飯から顔を上げた。

イカミミの警戒体制だ。


「気配察知」だ!


魔物か!?


猫達みんなが、耳を動かして様子をうかがっている。

私も耳をすませてみるが、何も聞こえない。


まぁ、猫に勝てるわけないよな……。


「ん?」


これは、蹄の音か?


テントから出てみると、馬に乗った少年が駆けてきた。

私の姿を見ると、転げ落ちるように馬から降りてきた。


「た、助けて下さい!」


「どうしたの?」


「キャラバンが、盗賊に、襲われて……」


息を切らしながら、少年が言った。


「冒険者は? 護衛を雇っていたよね?」


ぶわっと少年の目に涙が浮かんだ。嗚咽して、言葉が出てこない。


「泣いていたら、分からない!」


怒鳴り付けると、少年はぐっと唇を引き結んだ。


「山賊と、グル……」


「!」


急いでテントをしまう。


護衛に雇った冒険者達は、最初から山賊と組んでいたようだ。

商人達が馴染みの冒険者以外雇わないのは、こういう事態を避けるためだ。


「キング、キャラバンの近くに『空間転移』!」


少年と馬も一緒に転移する。


悲鳴と、金属がぶつかり合う音。


「?」


冒険者同士が戦っている。


「あの人達は?」


「味方なのは、いつものパーティが紹介してくれた人達です」


なるほど。


「りゅうたろう、大きくなって!」


肩からひらりと飛び降りたりゅうたろうが、虎ほどの大きさに姿を変える。


「チャビは『回復』! くぅ、チャビを守りながら攻撃!」


敵と味方が入り交じっている中で戦うのは、猫達には初めてだ。


まぁ、でも、うちの猫達なら大丈夫だろう。……福助以外は。










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