風の噂。
「買い取りもお願いできますか?」
「おう、いいぜ。モノはなんだ?」
「魔物とかです。ちょっと大きいのも、あるんですけど……」
「じゃあ、外でやるか。ちょっと行ってくる」
受け付けのお姉さんに声をかけると、裏口へと案内された。
ギルドの裏は、広い空き地になっていた。
無限収納から、猫達が狩ってきた獲物を取り出す。
「レッドバードが七羽。ワイルドボアが三頭。いい状態だな」
ふむふむとマスターが、確認しながらメモを取っていく。
「こりゃマーウか。珍しいな」
「あと、これも……」
ワイバーンを見せると、ぎょっとした顔になった。
「これ、まさか、あんたの猫が?」
「一応……」
ため息をつくと、マスターはやれやれと首を振った。
「猫ってのは、すげぇもんだな」
「いや、あの……」
多分、くぅしか出来ません……。
「そういや、あんた、アレキサンドライトの噂を聞いたか?」
「……魔導の塔の事ですか?」
「一晩で、塔も魔導師達もみんな消えちまったらしいな」
……一晩もかかってないけどな。
「あんた、何か聞いてないか?」
ギルドマスターがため息をつく。
「この辺は田舎だから、あんまりよその情報が入ってこなくてよ」
「分からないですね」
本当は、よぅく知ってますけどね……。




