後悔、先に立たず。
あの時、ほめてしまったのが悪かった。
ドラゴンは外に放すたびに、何かしらのお土産を持って帰ってくるようになってしまった。
「今日は、これか……。うん、ありがとねー」
私の前に置かれたのは、宝石が無数に埋め込まれた黄金色の剣。
実用性はあまりなさそうだ。まぁ、高そうだけど。
しかし、妙にキラキラした物ばかりだな。
もしかして、ドラゴンってカラスと同じ習性なのか?
「にあん」
鳴き声に振り向くと、レッドバードを前にして、よつばが誇らしげに胸を張っていた。
「……うん、ありがとう」
困った事に、ドラゴンに対抗意識を燃やしたのか、猫達までやたらと「お土産」を持って帰ってくるようになってしまった。
よつばのように、食べられるもの限定で狩ってくるのはまだいい方だ。
りゅうたろうやくぅは、大物狙いらしい。
くぅがワイバーンを狩ってきた時には、ほめるより前に、どうやって持ってきた!? と突っ込んでしまった。
その内、ドラゴンも狩ってくるかもしれない。
「……」
私は、ちらりとドラゴンを見た。
今のうちに、逃げた方がいい気がするけどな……。




