お土産……⁉️
第三部スタートです!
「いい風だねぇ……」
見渡す限りの草原に座り、のんびりとした時間を過ごす。
ばっさばっさという羽音が聞こえ、やがて、遠くにあった影が近づいてきた。
また、ダメだったか……。
ため息をつく私の前に、どしんっと地面を揺らしながらドラゴンが降りてきた。
城塞都市オニキスで、りゅうたろうに叩き落とされ、おこんの出したペットキャリーに捕まったドラゴンだ。
ずっと無限収納に入れておくわけにもいかないだろうと、人のいない所で野生(?)に返そうとしているのだが、なかなかうまくいかない。
えらくキャットフードを気に入ってしまったドラゴンは、猫達にご飯をあげる時間になると帰ってきてしまうのだ。
「私がテイム出来れば、いいんだろうけど……」
私のテイマーレベルでは、ドラゴンなど絶対に無理だ。
というより、猫以外をテイム出来る自信がない。
仕方ない。気長にやろう。
「ご飯にしようか?」
そう言うと、ドラゴンは嬉しそうにしっぽを振った。
うん、地面が割れるからやめようか?
ドラゴンが、私の前にぽとりと何かを落とした。
「?」
拾ってみると、それはソフトボールくらいの大きさの、虹色に光る真ん丸な玉だった。
何だろう、これ?
……ドラゴンの卵!?
まさかな。大体、ドラゴンの卵だとすると小さすぎる。
いや、ドラゴンがどれくらいのサイズで産まれてくるのか知らないけど……。
ふとドラゴンの方を見ると、何かを期待しているような目をして、私を見ていた。
「……」
この目には、見覚えがある。
猫達が「お土産」を持ってきた時にする、ほめて、ほめて。の目だ。
「あー、うん、ありがとう。すごいねー」
ぽんぽんとドラゴンの足を叩いてやると、ばさばさと翼を羽ばたかせた。
やめろ、吹き飛ぶ!
とりあえず、ドラゴンのお土産は無限収納にしまった。
まぁ、初めてのお土産だしな。
記念に取っておこう。
「みんな、ご飯にしようか」
面白いと思って下さった方は、ブックマーク、評価など、お願いいたします。
「にあん」
「ほら、よつばさんだって、評価欲しいって言ってますよ!」
(……にあん、としか言ってないからセーフなのか? そうなのか?)
 




