初めての……。
報告。
巨大な猫は乗り心地が悪いです。
「吐きそう……」
初日で断念した私は、地道に歩いてオパール王国に向かう事にした。
女神様が無限収納のほかに、キャットハウスという猫用のスペースを用意してくれていたので、りゅうたろうにはそこに入ってもらう事にした。
冷暖房完備、空気清浄及び自動掃除システム付き。
高級ソファーに、ふかふかお布団。
私が住みたいわ!!
どれだけ猫を甘やかす気だ、あの女神様は。
それにしても、こんなに歩いても疲れないっていいな。
一応、私にもチートをつけてくれていたようだ。
向こうじゃ、運動不足のアラサーだったからねぇ……。
マップでは徒歩5日となっていたけど、このペースなら3日で着きそうだ。
暗くなったのでテントを取り出し、休む準備を始めた。
見た感じはソロキャンプ用の小さいテントだったけど、中に入ってみればお風呂やトイレ、それにキッチンもある広々とした空間だった。
……これ、どこから水とか引いているんだろう。
「りゅうたろう、おいで」
キャットハウスからりゅうたろうを呼び出した。
りゅうたろうは大喜びで肩に飛び乗ってきた。
「だから、痛いって!」
ピコン、とスマホが鳴った。
「……またか」
私は思わずため息をついた。
数時間おきに、女神様から連絡が入るのだ。
……りゅうたろうに。
『りゅうたろうちゃん、キャットハウスはどうですか?』
『ご飯、用意してあったので足りますか?』
『大変なら、帰ってきてもいいんですよ』
初孫フィーバー中のおばあちゃんか⁉️