罪は、その身に還る。
りゅうたろうが、ひらりひらりとキャットタワーを降りる。
こ、怖い……。
高いんだよ!
無事に地上に着いた時には、りゅうたろうにしがみついていた手には感覚がなくなっていた。
「貴様ら、よくも!」
まじか。
あの状況で無事だったのか、こいつら。
……?
何だろう、この違和感は。
「もうすぐ、老師の魔法が発動する!」
「思いしるがいい!」
声が、変に甲高い。
連中の中心にいた男が、口をぱくぱくと動かしている。
……あんなに若かったか?
そう思っている内に、魔導師達の身体はみるみる縮み、子供の姿になってしまった。
「わたしは、わた、ぼくは……?」
「おかあさん、どこ?」
「うわあああん」
「……」
前に試したが、チャビのごろごろで若返る事はなかった。
当然だ。
身体だけ若返るなんて、そんな都合のいい事がおきる訳がない。
今回のチャビのごろごろは、暴走に近い。
私達のように免疫がなかった魔導師達は、子供の状態に復元されてしまった。
これまで培った知識も経験も、全てリセットされてしまったのだ。
「……」
ろくでもない連中だったが、さすがに、何も知らない子供に仕返し出来るような性格はしていない。
「……行こう」
今度は、まともな人間になる事を祈るだけだ。




