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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第二部 魔導の塔

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鐘の音。

この状況を打開するには、どうすればいい?


出来れば、街も救いたい。


「……」


私にしがみついていたチャビが、ごろごろいい始めた。


猫が喉を鳴らすのは、機嫌がいい時とは限らない。

痛い時や怖い時に、自分自身を落ち着かせるために喉を鳴らす事もあるのだ。


チャビの目は瞳孔が開き、肉球は汗で濡れていた。


くぅは、魔導師達と魔力をぶつけあっている。


老師と呼ばれた男は、私には聞き取れない言葉で呪文を唱え続けていた。


どうすれば……?


肩に乗っているりゅうたろうが、ぴくりと耳を動かした。


ごおおおおんっ、と鈍くて大きな音がした。

これは、鐘の音か?


魔導師達の顔に、驚きの表情が浮かんだ。


「鐘が、鳴った……?」


「ずっと鳴らなかったのに、何故だ?」


……そうか。


チャビが、このままごろごろいい続けてくれれば……!


チャビの回復は、復元に近い。

病気や怪我が治るのは、治癒というより、その状態になる前に戻っているのだ。

建物が真新しくなるのは、そのせいだ。


なら、すでに真新しくなってしまっているこの塔は?


「!」


塔が揺れ始めた。

天井から埃が落ちてくる。


やっぱり、そうか。


塔になる前に、建物の形になる前に、復元しようとしている!


「くぅ!」


鐘の音で、正気に戻ったようだ。

私の呼びかけに反応した。


「逃げるよ!」


足元がたわみ始めた。


「りゅうたろう、大きくなって!」


大きくなったりゅうたろうの背中に、チャビとくぅを抱えてしがみつく。


無限収納から、おこんが作ったキャットタワーを取り出した。窓のすぐ近くに、空までそびえるようなタワーを設置する。


壁が崩れ始めた。


「りゅうたろう、飛んで!」


塔が、崩れる!


「ぐっ……」


無事にキャットタワーに飛び移れたが、ダメージが……。


エアバッグが欲しかった。


あっという間に、塔は崩れてしまった。

瓦礫の中に、大きな鐘が落ちていた。


街の様子を眺めてみたが、特に変わった様子はない。

あいつらが言っていた結界とやらが、被害を広げなかったようだ。


「さて、あとは」


ここから、どうやって降りよう……。







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