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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。 もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?  作者: たまご
第二部 魔導の塔

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魔導師達。

「私達はやつらの所に行くけど、あなたはどうする? どこかに隠れている?」


少女は、きりっと唇を噛み締めた。


「……一緒に行く」


「分かった。キング、この子の事もお願いね」


キングが少女の足に頭をこすり付けると、表情が緩んだ。


「私は相田つかさ。猫達は……」


「見ていたから、知ってる」


少女は、ぼろぼろの服の裾をぎゅっと握った。


「いつも楽しそうで、羨ましかった。私も、あんな風にって……」


「……あなたの名前は?」


「私は、みう。エルフ語で綺麗な雨っていう意味」


「みう、行くよ」


「……うん」


所々に仕掛けられている罠や魔方陣を解除しつつ、塔の最上階を目指す。

ずっと囚われていたらしいみうの事が心配だったが、特に辛そうでもなく、私達についてきた。


もしかして、エルフって人間より体力あるのか?


最上階につくと、やたらと重々しい雰囲気をかもし出している扉があった。


……まぁ、ここだろうな。

どうして、悪い連中ってのは高い所にいたがるんだか。


いっちょ、派手にいきますか。


「福助、『風魔法』。吹き飛ばして!」


ごおっという音と共に激しい風が吹き荒れ、扉がめきめきと割れて粉々になった。


中に入ると、案の定、魔導師が待ち構えていた。

ほとんどが男で、全員がフードのついた黒いローブを着ていた。


「お邪魔してまーす」


わざとらしく明るい声で言うと、やつらは薄ら笑いを浮かべた。


「知っている」


いや、いや。あれだけ派手に暴れていたんだから、気付いていない方がおかしいだろ。

なに、カッコつけてんだよ。


「ケジメつけてもらいにきたよ?」


「愚かな。ただびとが、我々に勝つつもりでおったか」


「んー、やるのは私じゃないしねぇ?」


「たかが猫」


……その猫に、街を滅ぼされそうになったんだろうが。


「《発動》せよ」


「!?」


福助の足元に、魔方陣が現れた。


「よつば、『解除』!」


ダメだ、間に合わない!


福助は身動きが出来ないようだった。

魔導師が福助に近付き、鎖のついた首輪をつけた。


「これで、こいつは魔法が使えない。ただの猫だ」


「……」


どいつもこいつも、へらへら笑ってんじゃねぇよ。


「福助! やれ!!」


「聞いてなかったのか? 魔法は……、痛いっ!」


福助が、首輪をつけた魔導師の手に思い切り噛みついた。ついでに、顔をめちゃくちゃに引っ掻いた。


魔法だけ封じたってダメだろ。牙も爪もあるんだよ、猫なんだから。


どうせ、くぅの時だって、魔法を封じたからって油断して逃げられたにちがいない。

学習しない連中だ。


それに。


福助は後ろ足で首輪を蹴ったり、体をぐねぐね動かしている。


やがて、がちゃんという音を立てて、輪になったままの首輪が床に落ちた。


「なっ……!?」


うちの猫達、首輪抜け出来るんだよな……。



















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